昨日の功夫映画予告編集に続き、今回もダラダラ流しっぱなしが最適なビデオを紹介するよ!
『Kid's Commercials』というこのビデオ、なんと1950~60年代にアメリカで放映された玩具関係のコマーシャルが「これでもかっ!」というくらいに詰め込まれた観る《タイムマシーン》だ。構成が時系列でないのでいろんな時代に飛びまくるけれど、それでも玩具という言葉が年々と薄れていく現在、子供たちの宝物が家庭用ゲーム機などではなく、個々のイマジネーションをフルに働かせればいろんな世界に連れて行ってくれる《玩具》だっだ時代を思い起こさせてくれるいいビデオである。
マーチャンダイジング・トイズばかりの日本ではまず作れないだろうなぁこーゆーの…
本ビデオは中華圏の功夫映画ばかりでなく、我が日本のアクション映画も数本チョイスされているため「いいもの観させてもらいました」度はかなり高いが、すべてとは言わないけれども予告編がケツまできっちり収められていないモノがあるので、資料性としてはどうしても「?」マークがついてしまう。でも思うんだけど、こういった(功夫映画に限らず)予告編モノってどうして国内で製作・販売されないんでしょうか?以前特撮・怪獣映画ものが(映画会社別で)出たっきりでその他のジャンルはさっぱりなのはちょいと寂しいのではないか?この間にっかつロマンポルノの予告編集も出たんだけどあれも海外盤だし…う~ん。
本日は久々のインドネシア映画(観てなかったワケではない)『SI RAWING 2 EPISODE:PILIH TANDING』(1993)を紹介。タイトルに「2」とありますのでシリーズものなんでしょうけど、残念なことにパート1は未見なのです。
主演はインドネシア神怪武侠片にこの人アリ!と謳われている(個人的に)バリー・プリマ。日本ではさっぱりですが、欧米では『THE WARRIOR』(JAKA SEMBUNG)シリーズで結構カルト的な人気があるアクションスターですね。
話は、バリー演じる武芸の達人と師匠のじーさんが敵対する武芸者集団と闘うといったもので…と簡単に説明してますけど、インドネシア語は分からないので「こんな感じ」といった程度で納得していただければありがたいです。相方のじーさんも師匠なのか相棒かよく分からないんですから。YOUTUBEからDLしたという事を割り引いても、とても90年代に製作されたとは思えないほどの古めかしさで、映画の雰囲気的には袁和平が80年代に台湾で製作したクンフー特撮コメディによく似ている(『ミラクルファイター』とか『妖怪道士』とか)。バリーはクソ真面目に構えているんですが、じーさんがまぁチョコマカ動くんですよ。それに彼には年のえらい離れた嫁さんがいるんですが彼女も笑いを取ってくれるので、言葉が分からなくても十分に明るく楽しいんですよ、この映画。
ただ、さすが(何が?)インドネシア映画というべきか、不意打ち気味に残酷描写なんかが挿入されるので、さっきまでの能天気な雰囲気が一瞬に吹っ飛びます。…またすぐ元に戻るけど。是非観る機会があったら観てみて下さい。「世界にはいろんな映画が存在するんだなぁ」って思いますから絶対。
※タイトルの「2」は実際にはローマ数字
1988年に講談社発行の青年マンガ誌『週刊モーニング』に発表された(たぶん)日本で最初に紹介された韓国武侠劇画。
日本の時代劇とも、映画などで既に定着しつつあったクンフー活劇とも異なるテイストを持つ武侠ものの醍醐味を最初に味わせてくれたのがこの作品だった。88年といえばちょうどソウルオリンピックが開催された年。この前後に韓国映画や音楽・マンガなどの韓国サブカルチャーが大量に紹介された頃で、私自身もこの『大血河』掲載前に韓国武侠映画の『斬殺』をビデオで観ていたので《武侠もの》という当時日本では未開拓のジャンルには興味津々だった。韓国らしく「恨」を中心に据えられた重苦しい復讐劇に高校生時代の私はすっかり魅せられてしまった。
ただ、当初からの予定なのか打ち切りなのかは分からないが、最終回がかなり唐突だったのが残念。主人公が次々と様々なキャラクターと関係を作っていくのに対し、結局彼の本願である復讐を成し遂げられなかっただけに…
その中に陳星主演の『虎拳』(1973)があった。動画サイトお決まりの「投稿する動画ソースの不備によるエラー画像」も殆どなく綺麗な状態だ。とはいってもどうしてもDVDデータ用のサイズに拡大してしまうので画が多少荒いのはしょうがないけど(VCDよりかなり落ちる)。
亡き母親が残してくれた金塊を巡って、陳星演じる主人公と弟役の龍飛が激しいバトルを繰り広げるこの作品、格闘に次ぐ格闘アクションの連続で(動機が動機だから)初めから終わりまで陳星の空手アクションが堪能できる構成となっているが、後味は非常に悪い。それもこれも龍飛が金塊を独り占めせんがために陳星に手下を送るのは常套手段だが、実の父親まで結果的に殺害してしまうし、妹まで戦闘の巻き添えで殺してしまうという極悪非道ぶりだ。…ねぇ、ここまでしないといけませんか?
演員表には陳星のすぐ次に表記されている《見所のひとつ》である倉田保昭だが、実際に登場するのは映画が中盤を終えて以降。龍飛と敵対する小ギャングのボスの用心棒、という別に倉田さんじゃなくってもいいようなキャラクターだ。観客動員のために無理矢理陳星vs倉田の一戦を挿入したって感じ。アクションは悪くないですよ、うん。ただ、ここであれだけ極悪非道でやってきて観客からも「死ねばいいのに」と思われてきた龍飛が、大悪党・倉田の登場で一瞬ではあるが情が移っちゃうんですね。ええ、ほんの一瞬。その後はまた例の極悪非道な龍飛に戻っちゃいますけど(笑)
約半月前にウチの近く…ではなく、かなり遠い場所にあるBOOK OFFで全三巻が105円均一コーナーで出ていたので、即効で購入。邦訳武侠小説なんてチャンスを逃すと、今度いつ出会えるかわかったもんじゃない。この日は他所のBOOK OFFで『金田一耕助の冒険』中古VHSをこれまた105円でげっちゅー。こう安く、しかもいい出物を買える日ってのはなかなかないもんですな。
それで『梟覇』であるが、この本、新刊時代に本屋でチラリと立ち読みした事があって、その時は購入しなかったのだが、改めて腰を落ち着けて読んでみるとこれが面白い!
童顔でありながら性格は冷酷無情、奥義「冥天九剣」を携え江湖に轟く大組織「青龍社」を仕切る《梟覇》こと燕鉄衣の活躍を描いたこの小説は、キャラクターの面白さと謎が謎を呼ぶストーリー展開で武侠小説の楽しさ・面白さを味わせてくれる好編だ。台湾武侠小説の定番である架空の中国を舞台にしているので、金庸作品のように多少の中国史の素養がなくてもスラスラと読めてしまうのがとても良い。ということは日本における武侠小説紹介は大御所・金庸作品からではなく古龍を代表とする台湾武侠小説からのほうがより広がったのではないか?なぁんてタワ言をヌカしてみましたが。誰もが納得する名作もいいけど、箸にも棒にも掛からない何てことはない作品も紹介してこそ、真の武侠小説像が見えてくるのでは?
著者の柳残陽は本文中の紹介文によれば『如来神掌』の原作である『天佛掌』という作品を書いているそうだが、原作って上官虹じゃなかったっけ?と思ったのだが、どうもこの柳残陽作の『天佛掌』を元に書かれているらしい。今の若いクンフー映画ファンには周星馳の『カンフーハッスル』の元ネタとして記憶されトンデモ映画だと思われがちだが、実のところ武林における各門派による対立構造が話の基本なので、「江湖裏社会の闘争」を好んでテーマとしている柳残陽が『如来神掌』原作者でも別に不思議でもないのである。
意味は[K]…これは[Z]…絶対[M]…観とけで、どうしても観てもらいたい映画を友人、またはトレード相手に送っちゃう時に使用します。基本的にこの手の作品は、観なくても何の差し支えもないんですが、観ておけば《映画の世界》の視野が広がるし、他人にはない非聖林映画の知識を得ることだって出来る(いらない?)。
この間も《K.Z.M》の名の下に、アルゼンチンの古典ホラー映画やパキスタンのホラー&アクション映画が大量に送られてきて、どれから手を付けてよいやらで嬉し困っています。…迷惑?とんでもない!すげー嬉しいですよ、ハイ。
《K.Z.M》…この言葉、流行んないかなぁ?
えー、先月は1個も記事を投稿出来なくて申し訳ございませんでした。どんだけ書く気が起こらなくても一月に最低ひとつはアップいていたんですが…先月でちょうど当ブログも5周年を向かえ何かやらねばと思っていたんですがねぇ。
今回は『唐山功夫』(1974)を紹介っ!
題名の通り本作は直球な功夫映画で、何の捻りもない、良く言えば定番通りの展開で映画は進行していく。
幼い頃に母と死に別れ、ずっと山奥の寺院で育てられた主人公が町に出て来て、自分を助けてくれた恩人一家に因縁を付けてくる、日本人武術家をバックに従えるチンピラ一味から得意の武術で助けるというありきたりなストーリーではあるが、個人的には何故か惹かれるモノがあり、つまり「洗練されてない」所に魅力を感じたのだ。
殺陣一つにしてもブルース・リーのように一つ一つの技が美しい訳でもない、劉家良のような道理に基づいた本格的な動きでもないし後のジャッキー作品のようにアクロバチックでもない。「形なんてどうでもいい、ただ相手をブチのめせばそれでいいじゃないか」的な荒々しさがそこにはある。これこそが日本で《空手映画》と呼ばれていた頃の功夫映画って気がした。まぁ、偏食映画ファンなんで多分にマイナー作品に対し肩入れしてますけどね。
先に《定番通りの…》と書いたが、本作は一風変わった作劇法を見せており、主人公である石峰が最初は全く良いところ(つまり腕っ節の強さ)を見せず、恩人宅の息子役である李欣華が格闘場面などオイシイ所を補っているのだ。これは勝手な推測だが、全くといってスター性のない石峰では客が呼べないと判断した製作者が二枚目の李に前半を任せて客寄せしたのではないか?私も最初彼が良いとこ持っていくんで「このまま主役張るんかな?」と思っていたのだが、チンピラたちに脚を負傷させられて以降、全くいいところが無く主役の座を石峰にバトンタッチするのだ。スケジュール&アクシデントが理由なのは別として、前半後半でヒーローが変わっちゃう映画ってどうよ?
なお本作には、若かりし頃の成龍夫人である林鳳嬌がヒロイン役(か?)で出演しており、その初々しい姿と演技は観る者の目を惹き、《青春の息吹》を感じさせる彼女の存在は、後に文芸映画でトップに立った事を十分に理解できたほどだ…全く持ってスター性のない石峰を観れば観るほどに…
PS:昨夜(正確には本日)放映された『ザ・サンクチュアリ』、御覧or録画されましたでしょうか?放映形式はバイリンガルではなく吹替のみの放映でしたが、馴染のないタイ映画、しかもアクションものということで吹替はベストだと思いました。
東海地方のタイ映画ファン並びに非ハリウッド娯楽映画ファンの皆さん、朗報です。
本日深夜1:24からメ~テレにて、以前当ブログでも紹介したマイクB、ラッセル・ウォン主演のタイ映画『ザ・サンクチュアリ』(09)が放映されます!100年もの間行方不明になっていたタイ王家の秘宝を巡って繰り広げられる国際窃盗団と主人公&女考古学者の死闘を描いた佳作(傑作とはいい難い…)であります。
朝、テレビ欄を見てビックリしました(笑)ついこの間レンタルビデオ店で「おっ、出てるじゃん」と確認したばっかりだったのですが…時の流れは予想以上に速いようです。メ~テレさんの快挙(か?)に拍手を送ると共に是非チェックしてみましょう、数少ないタイ映画ファンの皆様!なかなかこんな機会ないですから。