HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

【80’s中国語映画懐古備忘録】第七回 『アラン・タムの特撮(SFX)・異星人大騒動』(1985)

2014年11月27日 | 中華圏映画
『アラン・タムの特撮(SFX)・異星人大騒動』 (1985)は、当時ビデオでリリースされたのみで国内では未だDVD化されていませんが、陳腐な邦題に目を瞑ればこれが結構面白くて、黄金期だった80年代香港映画の《隠れた傑作》だといえるでしょう。


何が良いかと言えば、劇中人物が誰一人、不幸な目に遭わずみんな幸せになる、ってところですかね。アラン・タム(譚 詠麟)演じる主人公が天界から間違って落ちてきた《財神》で、彼を宇宙人と勘違いし捕らえようとする科学者部隊の、光線銃の一斉射撃に対しマジに怒っていいものを、わっはっはと笑いながら金の雨を降らせて攻撃を弾き返すもんですから、観てるこちらもニコニコです(*´∀`*)


『E.T.』のような財神とホストファミリーの心温まる交流あり、あのツイ・ハークが担当した光学合成バリバリの特撮ありと《旧正月映画》らしく賑やかで、そして観た後にハッピーな気分になれる香港ローカルの娯楽映画なのでありました。



             

             

             

             
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【80’s中国語映画懐古備忘録】第六回 『蜀山奇傅 / 天空の剣』(1983)

2014年11月26日 | 中華圏映画
《香港のスピルバーグ》ことツイ・ハーク(徐克)監督作『蜀山奇傅 / 天空の剣』(1983)はまだ日本公開が決まる前…ユン・ピョウ主演作『チャンピオン鷹』(1981)のパンフレットに記載されていた、彼のフィルモグラフィーのページに小さく載っていた本国版ポスターの写真を見て、凄く幻想を膨らませました。「何この映画、SF?」なんて思いながら。


第一回の東京国際ファンタスティック映画祭で上映され、何年かして東映配給でカット版が公開された時には観てませんが、ポニーキャニオンからビデオがリリースされた時に、期待と不安に胸躍らせ、いざビデオデッキで再生して観た結果―――今までのカンフー映画とも、欧米のSF・ファンタジー映画とも違う、中華系ファンタジーの世界にわたしは圧倒されたのでした! 映画を彩る特殊効果には、欧米の最新SFXテクノロジーを使用しているものの、世界観は京劇等でも取り上げられている中華神怪物語そのもの。後にそれが《神怪武侠片》という、香港独自のファンタジー映画のジャンルである事を知るのですが。

アダム・チェン(鄭少秋)演じる正義の剣士が「剣よ、飛べ!」と叫ぶと背中に背負った剣の鞘から、光り輝く無数の剣が飛び出すシーンは、わたしにとっては永遠の《名場面》です。



             

             

             

             

             
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【80’s中国語映画懐古備忘録】第五回 『孔雀王』(1988)

2014年11月25日 | 中華圏映画
1985年より始まった東京国際ファンタスティック映画祭で、欧米のSF・ホラー映画と共に、従来の香港映画=カンフー映画の概念を覆すような特殊効果バリバリの中華SF・ファンタジー映画が次々と紹介されて、《新しい香港映画》がファンの間にも浸透しはじめたそんな頃、グッドタイミングで製作・公開されたのが荻野真:原作の日港合作映画『孔雀王』(1988)でした。

日本側の主演である三上博史の事はさて置いて(笑)、日本でもネームバリューのあるユン・ピョウを香港側の主演に立て、新星アイドルのグロリア・イップ(葉蘊儀)を物語のキーマンであるアシュラ役に抜擢。そして『少林寺三十六房』でおなじみのリュー・チャーフィー(劉家輝)も出演…と香港アクション映画ファン的には文句のない布陣、中盤の人形アニメ+原寸大モデルで動くクリーチャーとの対決など見せ場も多いですが、映画の終盤に満を期して登場したボスキャラの造形が、それまでいい具合に進んでいた映画の雰囲気を台無しにしてしまったのでした(;゜Д゜) !
m
現在は香港公開版のみが、向こうでDVDソフト化されていますが、日本でも当時ビデオリリースされた日本公開版も、是非とも国内盤DVDで出していただきたいところです。香港公開版が比較的簡単に動画サイトで観賞できるだけに、果たして日本公開版がどういったものか忘れてしまったので……



             

             

             

             
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【80’s中国語映画懐古備忘録】第四回 『少女戦士’88』(1987)

2014年11月24日 | 中華圏映画
『新桃太郎』のテレビ放映により、日本でもプチブレークを果たしたリン・シャオロウの傑作アクション映画『少女戦士’88』(1987)です。

この映画が放映された時期は、キョンシーや香港ノワール等の人気により、日本でも香港・台湾のアクション系映画が多数ビデオ販売&テレビ放映されていまして、香港映画界に最も勢いのあった時代でもありました。以前はカンフー映画かコメディくらいしかジャンルのなかった《香港映画》に、選択肢の幅が増えたという事です。


本作は『プロジェクトA』や、一連のサモ・ハン作品にも出演していたディック・ウェイ(狄威)が悪役として登場し、主人公シャオロウ一味をその類まれない武術の腕で追い詰めます。果たして《香港映画最強の悪役》が勝つか《台湾のニューヒロイン》が勝つか?!

マーシャルアーツ・アクション、香港ノワール風アクション、ホラー要素、そして珍小道具の数々… 中華系娯楽映画の《面白いもの》をすべてブチ込んだ『少女戦士’88』。香港ではDVDやVCDが発売されましたが、日本では当時ビデオが出たっきりで未DVD化であります。トホホ……



             

             

             

             
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【80’s中国語映画懐古備忘録】第三回 『新桃太郎』(1987)

2014年11月23日 | 中華圏映画
『幽幻道士』で爆発的なブームとなったキョンシー映画でしたが、あまりにも似たり寄ったりの映画ばかりが、テレビ放映&ビデオリリースされたので、『幽幻~』シリーズのスタッフ&キャストによるテレビシリーズ『来来!キョンシーズ』を頂点にブームは次第に下り坂となっていきます。

そんなキョンシーブームの末期に、『幽幻道士』シリーズをテレビ放映したTBSが放った一発が、日本の昔話をモチーフにしたファンタジー・アクション『新桃太郎』(1987)でした。


これも『幽幻』シリーズのスタッフ&キャスト(日本語吹替声優含めて)が勢揃いの《番外編》のような映画でしたが、桃太郎役を演じた主演のリン・シャオロウ(林小樓)の、女性とは思えない過激なアクションが見所で20年以上経った今見ても凄いです。

結局は『桃太郎』シリーズ(と、称したものがこれを含めて3作あります)は《第二のキョンシーブーム》を起こす事はできませんでしたが、同じ時代を生きた日本と台湾の子供たちの《記憶》の中に残り、今なお懐かしがられているのです。



                
  
                

                

                
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【80's中国語映画懐古備忘録】第二回 『幽幻道士』(1986)

2014年11月22日 | 中華圏映画
『霊幻道士』のヒットにより日本中が《新妖怪》キョンシーに注目が高まる中、突如何の前触れもなくTBS『月曜ロードショー』枠でテレビ放映され、当時の子供たちの間に《確実に》キョンシーを認知させた最大の功労者である『幽幻道士』(1986)。本家『霊幻道士』よりも先にテレビ放映し、キョンシーに飢えていた子供たちの人気をかっさらったTBSの《作戦勝ち》でした。

多分《キョンシー》といったら“キョンシーブーム”を経験された方ならば本家ではなくこちらをイメージするんじゃないでしょうか? テンテンちゃん、金おじいさん、ベビーキョンシー、特殊霊魂といったキャラクターはこの『幽幻道士』がオリジナルですから。

作風は、海外ホラーの影響を多分に受けた香港製の『霊幻道士』とは異なり、台湾製の本作はもっと怪談的で《泣かせ》の要素もあり、またメインキャラクターがみんな子供だという事で、小中学生の視聴者にもとっつきやすかったのだと思います。



            

            

            
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【80’s中国語映画懐古備忘録】第一回 『霊幻道士』(1985)

2014年11月21日 | 中華圏映画
最近《あの頃》の香港映画をよく懐かしんでいます。わたしがFacebookで参加している映画グループにて、懐かしさ余って投稿した80’s香港(&台湾)映画の記事の再録です。マニア的な方には物足りないと思いますが、普段香港映画を観ない(であろう)層を念頭に書いたので、何卒ご容赦願います。


ブルース・リー、ジャッキー・チェンに続く香港映画第三の《スター》は生身の人間 ではなく、生ける屍であるキョンシーでした。

『霊幻道士』(1985)は従来のホラー映画にはない、新しく独創的なホラー・アクション映画で、これ以降に多数出現した《キョンシー映画》なるジャンルのフォーマットが全て詰まった、《オリジナル》なのであります。

1980年代に小中学生だった方は一度はキョンシーの真似をしたはず。わたしは黄色い紙でお札を作って、道士様をやりましたけど(^。^)


            

            

            

            
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チャイニーズ・ウエスタン!『光輝歳月』を観る

2013年08月20日 | 中華圏映画
 某動画サイトにてアップされていた、中華版西部劇風アクション映画『光輝歳月』(2013)を観賞。


 中国東北部を舞台に、いまや時代の流れに取り残されつつあった清朝の軍隊に、運送中の武器と軍資金である金塊、そして仲間の命を奪われた革命派の主人公が、人里離れた渓谷にある村で、争いを避け平穏に暮らしていた歴戦の勇士たちの協力を仰いで、近辺を荒らし回るこの兵団から金塊をす奪い返すために闘いを挑むという単純明快すぎる内容ではあるが、ストーリーの追跡など余計なことに頭を回すことなく、ほぼ3分の2を占めるアクション場面だけを楽しめばいい。個人的には、清朝軍と馬賊との関係や、狄龍(ティ・ロン)演じる知事と主人公との関係などが理解不足でよくわからなかったが、とにかく馬や銃火器、そして刀を駆使した派手なアクションの連続で「すごい」と思っている間に約90分の上映時間が過ぎていくアトラクション型の映画である。
 

 監督はこれが劇場作品2作目の熊欣欣。前作の『戦・無双』はタイ映画『チョコレート・ファイター』を多分に意識した女性アクション映画であったが、今回は清末民初が時代背景ということで、中華アクション伝統の剣戟アクションの中に、ウエスタン要素も盛り込んでみましたよって感じ。砂嵐の中を走る馬たち、乾燥した大地で繰り広げられるチャンバラ、善悪の代表が決戦の場で向かい合う緊張感……いやぁ、見事に《西部劇》してます。


 私個人はあまりこだわって観ていなかったのだが、本作に出演している俳優陣も“レジェンド”から、かつての1980'sや90'sの香港映画でよく見かけた人まで多数登場している(画面で追いきれなかった……)。例えば先にも書いた狄龍や、最後の大乱闘でさすが!の刀さばきを見せてくれる惠英紅(クララ・ウェイ)、他にもマックス・モクやサイモン・ヤムやマイケル・ウォン、あと演員表で知ったのだがなんと梁家仁、劉永、狄威まで出演しているという!一応大陸製作の映画ではあるが、これはまさにかつて我々を魅了した香港アクション映画そのものなのだ。やはりその辺りはプロデューサー兼共同監督(もちろん出演も)している曾志偉(エリック・ツァン)の実力、もしくはこだわりなのだろうか?


 この作品を観て、かつて製作された香港版『七人の侍』こと『セブン・ウォリアーズ 忠義群英』(1989)を思い出した。あの作品は当時の旬な俳優たちが(アダム・チェンやジャッキー・チュン、トニー・レオンなど)主役の《七人》をやっていて没落軍人たちで組織された野盗から村を守っていたっけ。あっちはとりあえず『七人の~』をプロットをやるのに精一杯で、野外セットもなんとなくこじんまりとして迫力に乏しかったけれども、この『光輝歳月』は広大な中国の風景が映し出されておりスケール感は抜群である。砂埃を上げて馬が走り、大爆発のなか多くの人間が右往左往する。私がこの作品に《映画》を感じる瞬間だ。
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『グランド・マスター』を観た

2013年06月01日 | 中華圏映画
 何といっていいのか……とにかく《映像》に圧倒されたというのが鑑賞後の感想である。

 香港アート系監督のウォン・カーウァイが描く詠春拳“香港宗師”葉問の物語、というだけで違和感バリバリなのだが、過去にも金庸の『射雕英雄伝』のキャラクターたちを用い、自由創作した武侠片『楽園の瑕』をモノにした実績があるので馬鹿にはできない。
 実際、目にしたのは『楽園の瑕』クンフー版とも言うべき《達人》たちの苦悩と愛の物語であった。日本軍侵攻によって運命の歯車が狂わされてしまう葉問、女の幸せを捨ててまで父を殺した師兄・馬三への復讐を誓う若梅、国民党のスパイという職を投げ出して香港へと亡命する一線天……闘いとは《武》のみならず。《生きる》事が闘いなのである。

 題名となっている《GRANDMASTER(一代宗師)》は、武の高みを極めた者の呼称である。映画は二部構成のよな体裁をとっており、前半が葉問が中心となり、北派の大物・宮宝森の後継者争いを、後半は香港に渡った葉問と再会した若梅が語る十年前の復讐劇という具合になっており、最初から葉問の物語を期待すると「あれれ?」と肩透かしを食う。それだけ若梅を演じたチャン・ツィイーのインパクトが強いという事だ。白い葬装姿のツィイー(白い雪原に広がる葬列のシーンは圧巻!)、毛皮のコートを身に着け満州・奉天駅で馬三と死闘するツィイー、完全に葉問を演じたトニー・レオンを喰っている。しかしトニーも見事な演技力、4年間の準備期間で修練した詠春拳で激しい格闘シーンも、人生の酸いも甘いも演じ切り《葉問》というキャラクターに(作品としての)リアリティを持たせている。モダンでエレガント、そして《本物》の香りすら漂わせる新しいスタイルの功夫映画の誕生である。

 実は劇場公開前に本国版の映像を観賞したのだが、やや冗長気味に感じられた本国版よりも、シェーブさせきちんとアクションも《物語》も語っている日本公開版の方が良かった。ただエンドロール前の《葉問無双》のサービスシーンは、クンフー映画好きや《葉問系列》作品初鑑賞の観客にはいいかもしれないが、個人的には蛇足に思えた。とにかく観客の賛否両論を(これから)巻き起こすであろうこの映画は、間違いなくクンフー映画史に名を残すであろう傑作である。
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『閃電騎士V3』を観た

2013年02月07日 | 中華圏映画
 前回に続き、今回も台湾製特撮ヒーロー映画を紹介っス。

 『閃電騎士V3』(1975)はその名の通り、仮面ライダーシリーズの中でも屈指の人気を誇る『仮面ライダーV3』(1973~74)の台湾版である……正確には『東映まんがまつり』で上映された『仮面ライダーV3』(テレビの再編集版)と『仮面ライダーV3対デストロン怪人』(劇場用新作)の二本を編集&台湾で撮影された新撮部分(ドラマはもちろんのこと、アクションも)で構成された、いわゆる“パッチワーク映画”なのであるが、劇中の衣装などが日本版からの使用部分と違和感がないように似せていたりといちいち芸コマで、元の映画を知らなかったらてっきり《台湾で作られた、仮面ライダーの映画》と信じちゃうほどだ(実際、そうなのだけれども……)。でも、元ネタの『~デストロン怪人』での爆破シーンがあまりにも異常すぎるので、すぐ「あっ、これ!」ってわかっちゃうんですが。

           
           

 アジアで製作された仮面ライダー映画といえばタイ・チャイヨープロ製作の『ハヌマーンと5人の仮面ライダー』(1974)を連想しちゃいますが、オリジナルと新撮部分との(クオリティの)落差が少ない分、個人的意見ではあるが出来としてはこちらの方に軍配が上がる。同じくチャイヨーの『ジャンボーグA&ジャイアント』(1974)でも台湾公開版『火星人』(1976)の方がやはり《映画》としては良く出来ており、中国語映画圏のレベルの高さを窺い知る事が出来る。

 ただ、細部にはあんまりこだわってらっしゃらない様で、1号ライダーのマフラーの色が台湾撮影版ではず~っと黄色なんだよねぇ。2号ライダーはちゃんと赤なんだけども。「ショッカーライダーか、あんたは?」なんて、ツッコミの一つでも入れたくなっちゃいますよ、マヂで

           
           

 みなさんがネット上で言われていたように、台湾版でしか登場しない女性版ライダーマンもきちんと目撃したし、文句なんんてない……ハズだったんだけど、私が中華系動画サイト・Youkuで見たものは賞味69分で、この作品を紹介しているサイトによればランニングタイムはなんと91分あるという。一体、完全版(というのも変だけど)にはどんなシーンがあったんだろう?う~ん、気になる。



           
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