HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

超初級ルチャリブレ講座 其の二 ~ブエロ・アクロバティコ~

2009年04月28日 | ルチャリブレ
 本来なら~投げ技~で紹介すべき技であったが、ランセのバリエーションを多数紹介したため落っことしてしまった。現在のルチャリブレにおいて重要な技術であるのでわざわざ一項目設けてここに紹介する次第である。


 ランセには前回紹介したアームホイップ式の他に、相手のリストを掴んで投げ飛ばすフィンガーホイップ式の二通りがある。

 普通にやると何だか地味な技であるがそこはルチャリブレ、むんずと相手のリストをグリップすると、コーナーからロープ上段に駆け上がり腕を大きく広げて視覚的に派手に投げ飛ばし、投げられるほうも大きな弧を描いてマットに叩きつけられるのだ。

        
SATO(現・ディック東郷)のフィンガーホイップ。基本に忠実である。

  80年代に入るとフィンガーホイップに変化が訪れた。“アカプルコの青い翼”リスマルクがロープ上段で尻でバウンドし、その反動でより大きな放物線を描いて相手を投げ飛ばすという、“ブエロ・アクロバティコ(空中アクロバット)”を開発する。革新的ですらあるこの技は、空中殺法開発に勤しむルチャドールたちに基本技でも見せ方によっては新しい技へと生まれ変われるという事を再認識させたことであろう。

        
●元祖、リスマルクのブエロ・アクロバティコ。80年代当時は衝撃的だった事だろう。


 しばらくはこのリスマルク式が幅を利かせていたが、90年代に突入するとミステル・アギラが尻バウンドの後にひねりを加えた空中回転を付け加え、その結果技の無重力性が増し、さらに視覚的に派手になっていった。

 現在のブエロ・アクロバティコはひねり回転を加えたミステル・アギラ式が主流で、空中殺法が売りのテクニコ(正統派)が盛んにこの技を繰り出し観客たちを非現実の世界へと誘っている。

        
●ミステル・アギラのブエロ・アクロバティコ。より高く、より派手へと進化する。

        
●レイ・コメタのブエロ・アクロバティコ。上で空中回転するのではなく、前方回転して尻バウンドに入る変化式。  

嗚呼、これぞ怪獣少年の夢! 『モーレツ怪獣大決戦』

2009年04月27日 | その他の映画、テレビ
 怪獣と一口にいってもさまざまな分別方法がある。たとえばゴジラA級だとすればガッパB級ウルトラマンの怪獣がメジャーと定義すればキャプテンウルトラの怪獣はマイナー…という具合に。

 だが、まだ彼らは視聴者の数は違えど映像化されているので人の目に触れる機会はある。しかし怪獣の生息場所はテレビや映画の中だけではなかった。薄暗い駄菓子屋の中で一回5円や10円で売られていたカードなど紙媒体にも実は潜んでいたのだ。それも既成の怪獣をちょこっと改造したりオリジナリティあふれるデザインの怪獣たちが。こうした怪獣たちを本流の怪獣たちと区別するために最近ではパチモン怪獣と呼び密かな人気を博している。

 今回紹介する『モーレツ怪獣大決戦』(05)はそんな怪獣ブームの真っ只中の昭和40年代に人知れず誕生したパチモン怪獣たちが多数登場し、闘争本能の赴くまま怪獣同士が戦うというこれ以上ない単純な構成の作品である。
          
      

      

 まどろっこしい人間ドラマは一切なし!本当に怪獣が各地で出現し、街を破壊し怪獣たちがドツキ合うだけの内容なのでゴジラのような本格的な特撮大怪獣映画を期待している方は怒り出すかもしれない。だが、『ウルトラファイト』『レッドマン』『ミラーファイト』などの着ぐるみ怪獣プロレス番組が好きだった方には好意を持って迎え入れるはずだ。

 怪獣映画にとって重要なファクターといえばミニチュアなどに代表される「特撮」であるが、この作品ではパチモン怪獣たちの造形で予算をゴソっと持っていかれたのか見るにも痛々しい紙製(発泡スチロール?)の戦車や戦闘機、プラレールの鉄道やボール紙のビル群などが登場し、爆発も花火を使用するなどまさに手作り感十分だ。ただ、撮り方などが従来の怪獣映画や怪獣テレビ番組と同じなので“安っぽさ”に目をつむればそれなりに見ごたえはある。
 これを脳内で予算ウン億円の大怪獣映画に変換するにはよほどの“広い心”“怪獣映画の経験値”が必要だとは思うけど…

      

      

 低予算とはいえ、怪獣同士の対決シーンではわざわざローアングルから撮って“巨大感”を出そうとする心意気は良し!見たこともない怪獣たちに何とも言えぬ懐かしさを感じるようになればもうこの作品を(半分は)受け入れたも同然だ。

 全篇に漂う”怪獣愛”を受け止めろ!




『スパークマン』を観た!

2009年04月08日 | 韓国映画
  ついにシム・ヒョンレ主演作『スパークマン』(88)を観賞することができた!

 思えば『世界トホホ映画劇場』(大畑晃一・著、小学館・刊)でその存在を知ってから幾年月を経て今、自分が観たかった作品をこうして観ているという事実を思うと、「長かったなぁ」と改めて感じるのである。

 こういう時こそ非ハリウッド娯楽映画道を突き進んで良かったなぁ~と感傷に浸る瞬間である。でも、まぁ感傷と作品の出来は別だから、ね。        

          

 ヒョンレ演じる主人公がある夜宇宙から落下してきた光る物体を拾うが、実はその物体は、悪政に苦しむ惑星を救うため逃げ出したオーロラ姫一行が、伝説の勇者・スパークマンになれる逸材に変身用エネルギーとして渡すための物質だった。
 拾った事でスパークマンになるための力を持った主人公だが、そんな惑星間戦争に巻き込まれるのはゴメンと拒否し続けたが、度重なるオーロラ姫の「おねがい」攻撃(笑)に耐え切れなくなった彼はついにスパークマンになる事を決意する。そして強靭な肉体とパワーを手に入れた主人公はすでに地球へやってきた追っ手の悪党エイリアンたちとの対決が始まった…!

          
           

 いやぁ、思ったよりも面白かった。だいたい本に書かれていた内容というのが「度重なるワガママ姫のお願いにより耐え切れなくなった主人公がスパークマンに変身する」というものだっただけに、本編はどんなもんだろう?と思っていたのだが、一応主人公もスパークマンとしての使命を果たしていたしアクションもそんなに「トホホ」でもなかった。
 光学合成バリバリの変身シーンやエイリアンとの戦闘シーン、宇宙におけるミニチュア宇宙船同士の戦闘、途中で戦闘シーンがアニメ(しかも線画!)になってしまうのが残念だが着ぐるみロボット対戦等など見所は多数あり、日本の特撮ファンが観てもかなりの満足度が得られるのではないか?と思う。
 CGなんて映像技術は高価でなかなか使用できなかった頃の作品ゆえ、絶対画面から醸し出される「懐かしさ」は感じられるはずだ。私はこれを観て『宇宙刑事ギャバン』などに代表される東映メタルヒーロー・シリーズに熱中してた頃を思い出した。

 監督は別人だけど、ヒョンレ、わかっているね!