HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

『閃電騎士V3』を観た

2013年02月07日 | 中華圏映画
 前回に続き、今回も台湾製特撮ヒーロー映画を紹介っス。

 『閃電騎士V3』(1975)はその名の通り、仮面ライダーシリーズの中でも屈指の人気を誇る『仮面ライダーV3』(1973~74)の台湾版である……正確には『東映まんがまつり』で上映された『仮面ライダーV3』(テレビの再編集版)と『仮面ライダーV3対デストロン怪人』(劇場用新作)の二本を編集&台湾で撮影された新撮部分(ドラマはもちろんのこと、アクションも)で構成された、いわゆる“パッチワーク映画”なのであるが、劇中の衣装などが日本版からの使用部分と違和感がないように似せていたりといちいち芸コマで、元の映画を知らなかったらてっきり《台湾で作られた、仮面ライダーの映画》と信じちゃうほどだ(実際、そうなのだけれども……)。でも、元ネタの『~デストロン怪人』での爆破シーンがあまりにも異常すぎるので、すぐ「あっ、これ!」ってわかっちゃうんですが。

           
           

 アジアで製作された仮面ライダー映画といえばタイ・チャイヨープロ製作の『ハヌマーンと5人の仮面ライダー』(1974)を連想しちゃいますが、オリジナルと新撮部分との(クオリティの)落差が少ない分、個人的意見ではあるが出来としてはこちらの方に軍配が上がる。同じくチャイヨーの『ジャンボーグA&ジャイアント』(1974)でも台湾公開版『火星人』(1976)の方がやはり《映画》としては良く出来ており、中国語映画圏のレベルの高さを窺い知る事が出来る。

 ただ、細部にはあんまりこだわってらっしゃらない様で、1号ライダーのマフラーの色が台湾撮影版ではず~っと黄色なんだよねぇ。2号ライダーはちゃんと赤なんだけども。「ショッカーライダーか、あんたは?」なんて、ツッコミの一つでも入れたくなっちゃいますよ、マヂで

           
           

 みなさんがネット上で言われていたように、台湾版でしか登場しない女性版ライダーマンもきちんと目撃したし、文句なんんてない……ハズだったんだけど、私が中華系動画サイト・Youkuで見たものは賞味69分で、この作品を紹介しているサイトによればランニングタイムはなんと91分あるという。一体、完全版(というのも変だけど)にはどんなシーンがあったんだろう?う~ん、気になる。



           

『無敵飛金剛』を観た

2013年02月01日 | 中華圏映画
 かれこれ15年ぐらい前から観てみたかった作品が、いきなり目の前にあるとビックリするね、ホント。パチモン好きにはちょいと名の知れた台湾製仮面ライダー『無敵飛金剛』(1977)がなんとYouTubeでフルサイズでアップ(分割ではあるが)されていたのだ。今までも中国語題名(前記以外に『飛天遁地金剛人』の別題あり)や英題で検索するもののフッテージはあれども全編はなかった。今回発見したのはなんとミャオ(ホン)語吹替のもので、タイトルもミャオ語題(『Kab Npauj』という)だったのだ。う~ん、そりゃ判らんわ。

 物語は悪の金色の鬼面人が、子供たちを「スーパーヒーローにしてあげよう」と言ってたぶらかし、人体改造装置によって次々に怪人に仕立て上げられるが、危機感を抱き途中で脱走した主人公(子供)が、町の老科学者の手によって正義の超人・飛金剛へと改造され、子供たちを救うため鬼面人率いる悪の怪人軍団に戦いを挑む……という感じで、明らかに日本の『仮面ライダー』の影響を受けたものになっている。同時期か以前かは不明だが、台湾では『仮面ライダー』の映像と現地で撮影された新撮部分(着ぐるみアクションも含め)によって構成された『閃電騎士』シリーズが存在しており、ライダー人気は台湾・香港ではかなり高い。

           
           

 しかし諸外国で作られた日本風特撮ヒーロー映画、という興味以外はかなり問題のある作品だと言わざるを得ない。特に顕著なのはアクションシーンでのつなぎが悪いという事。さっきまで原っぱで戦っていると思ったらいきなり次は吊り橋での戦いに移り、15秒もしないうちに河原で対決……と落ち着きがなく、さらにいきなり飛金剛がパンチを打つと敵の怪人が大爆発で戦いがいきなり〆で観てるこちらには事前に情報がないので呆気にとられてしまう。全く映画としてどうなのよ……?という感じ。まだコイツなんかはいいほうでラストの大立ち回りなんて、初めて画面に登場したであろう新怪人を、「親友を殺された主人公の怒り」によって5秒も経たないうちに爆殺という、ホントに大畑晃一・著『世界トホホ映画劇場』の説明通りでビックリ!これが日本だったら残りの尺が少なくても、もうちょっと見せ場作るぜ。そうやって考えてみるとショウブラザース製作の『中国超人インフラマン』ってのは良く出来た中華特撮ヒーローだなぁ。

           
            
           

【総評】全くダメってわけではないけど、ちょっと観てて辛いかな?ただこれをタダで観れた事は奇跡に近いと思う。「この映画のココがダメなんだよねぇ~」って言えるワケだし。