HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

『SI RAWING 2』を観た

2010年11月12日 | インドネシア映画

本日は久々のインドネシア映画(観てなかったワケではない)『SI RAWING 2 EPISODE:PILIH TANDING』(1993)を紹介。タイトルに「2」とありますのでシリーズものなんでしょうけど、残念なことにパート1は未見なのです。


 主演はインドネシア神怪武侠片にこの人アリ!と謳われている(個人的に)バリー・プリマ。日本ではさっぱりですが、欧米では『THE WARRIOR』(JAKA SEMBUNG)シリーズで結構カルト的な人気があるアクションスターですね。

            

 話は、バリー演じる武芸の達人と師匠のじーさんが敵対する武芸者集団と闘うといったもので…と簡単に説明してますけど、インドネシア語は分からないので「こんな感じ」といった程度で納得していただければありがたいです。相方のじーさんも師匠なのか相棒かよく分からないんですから。YOUTUBEからDLしたという事を割り引いても、とても90年代に製作されたとは思えないほどの古めかしさで、映画の雰囲気的には袁和平が80年代に台湾で製作したクンフー特撮コメディによく似ている(『ミラクルファイター』とか『妖怪道士』とか)。バリーはクソ真面目に構えているんですが、じーさんがまぁチョコマカ動くんですよ。それに彼には年のえらい離れた嫁さんがいるんですが彼女も笑いを取ってくれるので、言葉が分からなくても十分に明るく楽しいんですよ、この映画。

 ただ、さすが(何が?)インドネシア映画というべきか、不意打ち気味に残酷描写なんかが挿入されるので、さっきまでの能天気な雰囲気が一瞬に吹っ飛びます。…またすぐ元に戻るけど。是非観る機会があったら観てみて下さい。「世界にはいろんな映画が存在するんだなぁ」って思いますから絶対。

            

※タイトルの「2」は実際にはローマ数字

娯楽映画魂炸裂っ!『5 CEWEK JAGOAN』

2008年01月13日 | インドネシア映画


 今回はインドネシア製作の『5 CEWEK JAGOAN』(80)をご紹介。欧米では『FIVE DEADLY ANGELS』のタイトルでマニアの間ではちょいとばかし名の知られたお色気(?)アクション映画なのだ。

 (たぶん)とんでもない発明をした化学者の発明品を我が物にせんと企む大金持ちの悪党が研究所がえりの化学者を同乗していた恋人である女主人公と共に拉致する。彼女は命からがら逃げ出すことができたが、化学者は脚を撃たれ再び捕らわれてしまう。
 女主人公は逃げる最中にナンパ男に絡まれているところをドライビングテクニックと気の強さがバツグンの女性に助けられ以後友人となり、その女性のつてでナイフ投げの名手、ボウガンの達人、バイク&空手使いと仲間を増やし化学者奪回を誓うが、敵は脅しをかけるため彼の家族までをも拉致する。怒りの頂点に達した女主人公&その仲間たちは車を飛ばし山中にある悪党邸へ突撃する…!

           

 女性が主人公、と、行動を共にする仲間集めは個人的娯楽映画の燃え(だから萌え、じゃないって!)ポイントで、次々仲間が主人公の下へ集まっていく快感は何物にも変え難い。この作品に限って言えば最後まで誰も欠けない(戦線離脱しない)のがとても良い。つまり安心して彼女たちの暴れっぷりを鑑賞できるってワケだ。

 一言文句があるとすれば、車がぶつかって爆発・炎上するシーンで1カットで見せず、

                        ぶつかりました 
                   ↓  
          すでに炎上している(爆発はナシ)

というのが低予算のツラい所とはいえ「もうちょっと何とかならないでしょうか?」と画面に向かって懇願してしまいます。
 あと、前半ではほとんど顔見せしてないのに最後の襲撃場面でいきなり出てきて、ラストにエンジェルズにボス面している不細工な潜入刑事がいるんですが、ありゃ何なんでしょ?ちゃんとラストシーンで説明してるのらしいが、言葉が分からないのでこちらとしては無いに等しい。

            

 どんなに造りが稚拙でも、多少つじつまが合わない筋書きでも、個人的に美女(年食ってますが)がヘナチョコ男相手に大股開いて格闘する映画が大好きなので、断固この作品を支持します!

…って、誰に向かって力説してるんだか。

            


邪悪・壮絶!インドネシア娯楽映画③『SI BUTA LAWAN JAKA SEMBUNG』

2006年03月14日 | インドネシア映画

このところ連続紹介しているインドネシア娯楽映画、というかバリー・プリマのジャカ・センブンシリーズの本日は第三弾、『SI BUTA LAWAN JAKA SEMBUNG』の紹介だ。その他にもシリーズとして括られている作品は存在するのだが、私が持っている作品はここまで。

今度のジャカはオランダ人領主からインドネシアを自らの手に奪い返す為、レジスタンス活動をする反政府組織のリーダーという役どころで、いよいよナショナリズムが前面に出てきた。今作にはジャカにタメを張れるもう一人ヒーローが登場する。それが盲目の剣士・ブータである。彼は最初《敵》として登場、しかしオランダ人に騙されて瀕死の重傷を負い、ジャカに助けられ以後仲間として行動する。今回ジャカの敵はオランダ軍の他、男の精気を吸って生きている森に住む魔女軍団も絡んで来て、騙し騙されの三つ巴状態。近代兵器使ってドンパチやられるのも嫌だが、得体の知れない力で襲われる方がよっぽど怖い!最後の方は魔女たちは顔がケロイド状になっていて、それがドUPで画面に映されるので、心臓に悪いの何のって…。大画面だったらヒキツケ起こしちゃうぞ、あれは。

 私は《おらが国のブルース・リー(もしくはジャッキー・チェン)》映画を観るのも好きで、このバリー・プリマも《インドネシアのジャッキー・チェン》と何かの記事で紹介されていたので興味を持ったわけだが、彼の作品はジャッキーのように体術・スタントで魅せる作品はほとんどなく、こういった南洋邪教や、変わった小道具など《ギミック》で魅せる作品が多いのに気が付いた。以前ビデオマーケットで彼の作品が多量に販売された際、付いたキャッチが《インドネシアのジミー・ウォング》だったのを思い出すと、こちらの方が的を得ているなぁと今更ながら感心する。なお、彼は現在もインドネシア映画界で活躍していて、アクションはあまりやらず、年相応の役を演じているとの事。
   

邪悪・壮絶!インドネシア娯楽映画②『BAJING IRENG & JAKA SEMBUNG』

2006年03月13日 | インドネシア映画

 その南国独特のカラーで、非ハリウッド娯楽映画好きを魅了するインドネシア娯楽映画を紹介する第二弾は、バリー・プリマ主演のジャカ・センブンシリーズの2作目 (とはいっても前作と話が続いているわけでなく、あくまでも商売用) である『BAJING IRENG & JAKA SEMBUNG』だ。

 今回の敵は、その眼光を見ただけで燃えあがってしまう”燃える”眼力を持つ妖術使いと、その弟子で長いこと封印されていたが、火山の爆発による地殻変動で再びこの地上に現れた鋼の肉体を持つ魔人で、こいつらがオランダ人領主に協力してジャカの命を狙う。一方ジャカにも協力な助っ人が登場。金持ちから金品を奪い、貧しき者たちに分け与える黒覆面の女義賊がその助っ人。このお姉さんがまた強く、大勢の警備兵に囲まれても動揺もせず、倒して逃げてしまうというこのカッコ良さ。ジャカが惚れるのも無理ない話だ。

 今作は前作の南洋邪教オンパレードとは違い、格闘アクションにかなりのウエイトが掛けられており、その格闘スタイルはまんま当時 (80年代前半) の香港クンフー映画なのだ。あまりの完璧さに、もしかしたら香港の武術指導家がアクション指導してるんじゃないか?と思っていたら、やはりこの当時のインドネシア・アクション映画には、香港のワークショップが参加しているとの事。こういう情報は、やはり同じ趣味を持つ同士からじゃないと入らないもんなぁ…。他に論議する人いないし。会津さん、ご教示ありがとうございました!
   
   ●頭の皮を剥がされ悶絶する悪党

邪悪・壮絶!インドネシア娯楽映画① 『JAKA SEMBUNG』

2006年03月12日 | インドネシア映画
 久々の映画紹介となった今回は、何を紹介しようかと色々悩んだ末、最近の私個人のヒット作であるインドネシア産幻想怪奇アクション映画『ジャカ・センブン』シリーズに決めた。本日はその第1作目『JAKA SEMBUNG』だ。

 舞台はオランダ統治下のインドネシア。政治犯収容所を逃げ出した民衆の英雄ジャカ・センブンは、反旗の狼煙を上げるべくチャンスをじっと待つ。しかし、オランダ人領主側も悪魔的な能力を持つ妖術使いを味方につけ、ジャカ逮捕に乗り出す。彼等の魔手に落ち一度は捕らえられたジャカだが、領主の一人娘の手引きにより逃げ出すことに成功。拷問によりボロボロになった身体を癒し復活したジャカは、憎き妖術使いを死闘の末撃破し、反乱分子と共に領主の屋敷へと攻撃を開始する…。

 以前からバリー・プリマ主演作を入手出来ないだろうかと色々手を尽くしていたのだが、金銭的問題と語学の問題もあり入手できずにいた。そこで《非ハリウッド娯楽映画》を通じて知り合った会津信吾さんにお願いしたところ、代表作であるジャカ・センブンシリーズ (欧米では『WARRIOR』シリーズとしてカルト的人気がある) 3本をコピーして送ってくださったのだ。これはうれしかった。持つべきものは同士だなぁ… 早速観賞したところ、その粗い画像にマッチするかのごとくやり過ぎ気味の残酷描写と、南洋邪教の原初的恐怖感に圧倒されてしまったのだ。今まで観たホラー系映画には《恐怖》《残酷》《狂気》等というキーワードは出てきたのだが、《邪悪》という単語が浮かんでくるのは初めてである。この《違和感》こそが世界標準であるハリウッド映画にはない、《非ハリウッド娯楽映画》観賞の魅力なのである。