HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

大印度電影祭 ~おまけ~

2013年11月06日 | インド映画
 ここしばらく、自分の中では《インド・アクション映画フィーバー》が続いている。別に「こんなのがあるんだぞ!」と皆様にお知らせしたいわけじゃないのに、動画サイトなどでぱっと目に付く作品を片っ端から鑑賞しているのだ。数本見てわかったのは、南インド映画って荒唐無稽なアクションやるんだなぁって事。洗練されたボリウッド(ヒンディー語映画)作品からはあまり感じられない《熱い息吹》が作品から感じられるのだ。欧米からのCG技術やワイヤーワーク等の導入によって、より脳内イメージの具体化が容易になったせいか無茶しまくりではあるのだが……


『7aum arivu』(2011/タミル語映画)
 達磨大師のDNAを受け継ぐ主人公が、インドに潜入した中国の特殊工作員と対決するという話らしい。工作員役で“ベトナム・タイガー”ことジョニー・グェンが出演。



『Shiva』(2012/カンナダ語映画)
 快男児の悪党退治。宗教的なモチーフを作品に組み込むのがいかにも南インド的。


『Badrinath』(2011/テルグ語映画)
 ヒンドゥー教寺院を災いから護る最強の戦士の物語


『Mugamoodi』(2012/タミル語映画) 詠春拳の達人(インド人)が、ヒーローコスチュームを着て悪と戦うヒーローもの。アクション監督はなんと梁小熊!
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大印度電影祭 『Jayahe』

2013年09月25日 | インド映画
 再び日本で見直されつつあるインド映画。以前の『ムトゥ踊るマハラジャ』公開時の《映画のカルチャーショック》的な面はすっかり消え失せて、今回は《世界水準の面白さ、映画技術の上質さ》がクローズアップされ、今年(2013年)は特にレベルの高い北インド映画(ヒンディー語映画)がまとめて公開されるなど、これまで日本の映画ファンが持っていたインド映画に対する《偏見》を払拭するいい機会を得たといえよう。

 ただあっさり薄味の北インド映画が認知されてきているとはいえ、たまにはコッテリとした南インド映画が見たくなる時だってある。それもキテレツなアクションものが。そんな時には心強いキーワードがある。【スリラー・マンジュ】である。以前にもこのブログで紹介したことがあるが、南インド映画界で俳優兼アクションマスター(香港映画で言うところの動作設計か)として活躍する彼は、とにかくオリジナリティーの高いアクションを見せてくれる。それも明らかに《やりすぎ》感が高めのやつを。そんな彼がタイ発の女性アクション映画『チョコレート・ファイター』(2008)から刺激を受けたとしか思えない、インドでも珍しい女性が主役のマーシャルアーツ・アクション映画を作った。それが今回紹介する『Jayahe』(2010)である。

 内容は、母の突然の死をきっかけに、幼い頃に目の前で謎の男達に拉致されたコンピューター技師の父を探すため、インドからバンコクへ旅立ち、所々で降りかかる困難に立ち向かうというもので、映画の中心となるとなるヒロインにはアーイーシャ(Ayesha)という空手経験のある新人女優を起用して、南インド版のジージャ・ヤーニンを生み出そうとしている。劇中の彼女には恋焦がれる男性もいなければ感情表現で踊りだすこともない。アーイーシャに与えられた役割は、女性的な面も残しつつも己の持つ格闘術で目の前の敵を倒すのみ。しかもこの映画のサブキャラクターではなく《主役》として。

          
          

 彼女は当地の映画ファンから《レディ・ブルース・リー》とあだ名されているようにキック技が印象的で、柔軟性のあるハイキックは実に素晴らしい。また大一番ではカリやヌンチャクなども使用し多数の男たちをなぎ倒していくのだからウケないはずないのだ、この映画は。このように《女傑》をテーマにした映画は実は南インド(カンナダ語)映画では結構あるそうなのだが、アーイーシャが人気を得た理由は、見た目が若くて他の《女傑》女優よりもアクションが軽快だった事だろうと思う。かつてのムーン・リーや大島由加里、現在のジージャに相当する格闘アクション女優がついにインドにも誕生したのだ。

          
          

 この映画はYouTubeで観賞したのであるが、動画サイトにはタイトルが複数あってちょっと戸惑う。カンナダ語(オリジナル?)タイトル『Jayahe』はDailymotionでしかアップされておらず、YouTubeでは『Lady Bruce Lee』や『Hum Hai Bemisaai』などと、いずれもタイトルが異なり混乱すること必至である。中身はどれも同じなのだが……地域別のタイトル違いかな?
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大印度電影祭 『NAAN EE』

2012年10月02日 | インド映画

 ええっと。今回からインド映画を扱うコーナー名が『大梵林映画祭』から『大印度電影祭』と変更となりました。理由は大梵林(ボリウッド)だと、ヒンディー語映画しか扱えないから。最近はタミル語映画はもちろん、テルグ語映画も徐々に観賞範囲となってきているので、すべてフォローできるように名称変更となったワケです。これで更新頻度が増えるとか否かという話ではないのでアレなんですが……

 今回は蠅が主人公のアクション映画(かな?)の『NAAN EE』(2012)を紹介。元々はテルグ語映画でタイトルは『EEGA』というのですが、観賞したのがタミル語吹替版だったのでタミル語版タイトルである『NAAN EE』で表記しました。

 ストーリーは単純で、自分の家の隣に住む美人芸術家に惚れた主人公が、もう少しで恋愛が成就する所で、同じく彼女に惚れている実業家(目的の為なら汚いことも平気でする野心家)に殺されてしまい、その後蠅に生まれ変わった主人公が、その小さな身体を有効に使い、憎き実業家に復讐するといったもの。
 う~ん、インド映画でも、こんな出オチみたいな作品が製作されるようになったんですね。今年(2012)日本でも上映されたラジニの『ロボット』といい、南インド映画は相変わらず爆発力あるなぁ。一応物語上《主人公》と表記したものの人間の姿で画面に登場するのは30分弱しかなく、後はCGで描かれた蠅となりひと言も発することなく(でも虫を超えた動きはするけど)画面狭しと飛びまくる主人公よりも、ハタから見ればバカみたいだが、笑いと緊張感を交差させ見えざる敵との死闘を見事に成立させた、見事な演技力の敵役の俳優さん(スディーブという名前。役名も同じ)がこの映画で一番印象に残った。こういった映画には凄い悪役がいないと魅力的な作品にならないのはわかっているけど、いやぁアンタすごいわ……





<!-- naan ee -->

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大梵林(ボリウッド)映画祭 ~第12回~ 『NAKSHA』

2011年02月01日 | インド映画

 わが国ではインド映画に関する情報が少なすぎるので、たまぁに「何か買ってみよう」と思った時にジャケット写真を見て、どんな映画なのか?を無い知識で想像し(タイトルだって英語題やなくヒンディー語のアルファベット表記だから全然!)、結果行き当たりばったりで購入することが多々ある。向こうで話題になっていたり、わが国でも真っ先に見た人のレビューがweb上に載ってたらまた別ですが…

 そんなわけで正月に勢い余ってインド映画DVDを2枚購入したワケですけど(『ACTION REPLAYY』は別)、一枚目が『The WARRIOR』という、勇壮なタイトルとは裏腹な文芸映画で「失敗した」んですけど、もう一枚の『NAKSHA』(2006)というのが中々よくて、ちょっと紹介してみようかな?と思った次第であります。


 アクションものは数あるボリウッド映画でも、その1ジャンルである《冒険》ものは極めて珍しく、『ナショナル・トレジャー』(2004)『トゥーム・レイダー』(2001)に代表される新感覚ハリウッド製アドベンチャー映画の影響がヒシヒシと感じられます。

 古代の王が着用した《神の鎧》の在り処を巡って、悪党グループと彼らに父親を殺された異母兄弟プラス女子大生が戦うという内容で、CG特撮や大規模なアクションシーン満載で作品全体はいい雰囲気ではあるのだが、一本筋の展開は『インディ・ジョーンズ』の頃から(もっといえば連続活劇の時代から)変わってなくてちょっと平凡かな?まぁ、悪党グループを追跡するのに激流をゴムボートで下って追っかけるというムチャな場面があって面白いですけどね。

 この作品も上映時間は2時間ちょい。往年のインド映画を観てきた者としては「短いかなぁ?」と思うが、これ以上枝葉つけると収拾つかなくなるので(予算的にも)こんなもんでしょ。そのせいか劇中歌も4曲だけだったし。したがってこの作品はインド映画として括らずに、普通に《秘宝アドベンチャー映画》として観賞するのがベストな方法だと思いますよ、ハイ。

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大梵林(ボリウッド)映画祭 ~第11回~ 『ACTION REPLAYY』

2011年01月29日 | インド映画

  ヤフオクで初めて知り、動画サイトで観て以来、すごく気になっていたボリウッド映画『ACTION REPLAYY』(2010)をようやく購入&観賞。観た後こんなに爽快になれる映画なんて久しぶり!いま一番のストレス解消ムービーです。

 ストーリーはあちこちの(インド映画を扱っている)ブログに書かれている通り、あのマイケル・J・フォックス主演『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)のボリウッド版で、両親の悪化した夫婦関係を改善するために、主人公が知り合いの教授に作ってもらったタイムマシンに乗って彼らがまだ出逢う前、青春時代を送っていた1970年代に渡り、若き日の父親と母親とを結びつける為に恋のキューピット役を買って出るという話だ。

 最近はボリウッド映画も、話のアクセントとしてSF要素を入れる事が多くなった。以前なら《神様だのみ》だった事例も、科学的な理屈をつけて描くようになったって事だ。やはり近年ハリウッド資本の作品や、アメリカで公開されるボリウッド作品が多くなったのが理由なのだろうか?逆に弊害(?)として3時間上映が基本だったボリウッド映画が最近では2時間ちょいの上映時間のものが増えているのもまた事実。どちらがいい・悪いという問題ではないが、個人的には作品のボリューム感にちょっと物足りなさを感じている(作品のスケール感ではない、念のため)。

 それでも作品全体から感じられるゴージャス感・観賞後の満足感は変わることがなく、未だ《映画スター》という形容詞が現役である国はやっぱ違うわと思うのであった。それにしても主演のひとりであるアイシュワリア・ラーイの存在感はスゴイ!彼女は最早人間ではなく女神様の域に達しようとしてるのではないか?と思えるくらいに。あれほどのカリスマを持った女優は残念ながら日本にはいない…

 

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大梵林(ボリウッド)映画祭 ~第10回~ 『Kambakkht Ishq』

2009年10月22日 | インド映画
 新旧のインド娯楽映画を紹介する大梵林映画祭もようやく10回目を迎えました。コンスタントに更新していればもうちょっと回数増やせたんじゃね?と思いますが、これからも面白そうな(そして実際に観賞した)インド娯楽映画を紹介していこうと思う次第であります。


 さて今回は、日本でも公開され近々DVDも発売される『チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ』の主演俳優、アクシャイ・クマールの最新作のひとつ『Kambakkht Ishq』(09)を紹介します。

            

 ハリウッドで活躍するスタントマン、ヴィラージは「結婚は人生の墓場」という信念をもつプレイボーイで一晩限りの恋を楽しむ独身貴族。ある日、友人の結婚式で花嫁の姉で医者兼モデルのスィムリターと出会う。彼女は幼い頃に父親と離別して以来大の男性嫌いで、女性を弄ぶヴィラージの行動に嫌悪感を示し、以後二人は事あるごとに対立する。

 そんな中、撮影中のアクシデントでヴィラージが大怪我を負い、スィムリターの勤務する病院へ運ばれる。手術は成功するのだが、彼女の持っていたアラーム時計をヴィラージの体内に置き忘れてしまう。再手術の為に急いでヴィラージの病室へ向かうが、彼は病院を逃げ出していた。もしこの事実が世間に知られたら彼女のキャリアは終わりになってしまう。

 スィムリターは一計を案じ、ヴィラージに惚れたふりをして近づくことにした。一方のヴィラージも友人たちとスィムリターを一週間で落とすという賭けをし、彼女に接近を図る。何度かのデート、そしてアクシデントとはいえ二人でベッドを共にしたヴィラージは本気で彼女を好きになってしまう。だが、スィムリターにはその気はないため、彼の体内から時計を取り出すと一方的にサヨナラを告げてしまう。

 失恋のショックからなかなか立ち直れないヴィラージは、撮影中にアプローチを受けた女優と付き合いはじめ、ついに結婚に至ることになった。スィムリターの方も家族の説得により本当の恋だった事に気付き、彼に想いを告げる為に結婚式会場へ向かう。果たして彼女の愛はヴィラージに届くことができるのか…?

            

 最近はアメリカ映画界とインド映画界が急接近しつつある。以前からコストダウンの為にインドの撮影所を使用したりとハード面での交流はあったが、今回のようなハリウッド俳優がインド映画に出演、ということは初めての試みである。そのためか作風も何故かハリウッド大作調なので、以前のインド映画のイメージで入ってくるとちょっと面食らうかもしれない。

            

 アクシャイは主役のスタントマン(兼プレイボーイ)を演じており、映画の肝であるアクションシーンも所々自身が演じている。劇中劇はさすがハリウッド映画、というべきかアクションシーンも金が掛かっていて派手である。バイロ(火薬)はバンバン爆発するし、ちょっと見新作ハリウッド超大作!って感じ。UFJのアトラクション・ショーって気もしないではないけれど。せっかくここまでやっているのだからストーリー内でのアクションが欲しかった…
 ヒロイン役のカリーナ・カプールの顔についてはアイシュワリヤ・ラーイやディーピカ・パドゥコーンのようなグローバル・スタンダードな美人顔と違うので好き嫌いが分かれると思うが、劇中あれだけ色っぽく踊ったり挑発されたりすると「そんな事はどーでもいいや」と思っちゃう。いや、マジで。
 
            

 この映画の最大の売りは何といっても、アクション映画界のアイコン(象徴)である、シルベスター・スタローンがゲスト出演していることだろう。本人役でアクシャイに《最優秀スタントマン賞》を渡したり、ラスト近くでストリート・ギャングに絡まれているカリーナを助けたりと見せ場は十分。私はこれをスライのステイタスが落ちたとは解釈しない、むしろインド映画がグローバルな物になったんだと認識している。
 一流ハリウッドスターをCM撮影でしか呼べない日本映画界はこれを見てどう感じるか…?

              
            
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大梵林(ボリウッド)映画祭 ~第9回~ 『Quick Gun Murugun』

2009年10月11日 | インド映画

 誰も気にしちゃいないけど、何処からともなく現れる!

 久方ぶりの大梵林映画祭は今年(2009年)の8月に現地で公開されたばかりのピカピカの最新作を紹介するぞ。その名は『Quick Gun Murugun』だ!


 1982年、カウボーイ姿の拳銃の名手である“早撃ち”ムルガンは悪人を追跡中、ギャングのボスであるライス・プレートの罠にかかってしまいその命を落とすことになる。黄泉の国に運ばれたムルガンは、神様に自分を現世に甦らせてほしいと懇願しその願いは受理されるが、ちょっとしたミスで25年後の2007年に飛ばされてしまう。あのギャングのボスであったライス・プレートは食品会社の社長となっており、食によるインド制圧を狙っていた。憎きムルガンがこの世に蘇った事を知った彼はムルガンを再び亡き者にせんと凄腕の殺し屋たちを彼の元へ向かわせる。果たしてムルガンはこの危機を乗り越えて再びライス・プレートと対峙することが出来るのであろうか…?

            

 『オースティン・パワーズ』を発端とするレトロテイストを持つコメディ・ヒーロー活劇はこのブログでも何本か紹介してきたが、同じ発想の元に製作された作品がインドにも存在したんだね。元々は1994年に作られたインドの音楽専門チャンネル内の番組キャラクターなのだそうだが、非常に人気が高いため今回映画化の運びとなったという。
 ド派手な衣装と白塗りメイクに口ひげ、かつてタミル映画界のヒーローであったM.G.ラーマチャンドラン を思わせるような容姿で、しかも大げさな台詞とくれば現代っ子の目からすれば笑いのひとつでも起きようというもの。でもその大げささが何だかクセになるという、そんなキャラクターである。


 言葉によるギャグな相変わらずスルーして、本稿ではひたすらアクションシーンに注目する(笑)。

 まずガンファイトだが、『マトリックス』以降定番のバレット・タイム(弾丸がゆっくりと軌道を描いて飛んでいくアレ)を用いて、障害物に当て弾丸の角度を変えて敵に命中させるという場面があり、初っ端から「おおっ!」と思わせる。最近はこの手の表現を見ないから逆に新鮮に感じる。そういえば障害物で弾丸の軌道を変える手法ってタイの『怪盗ブラックタイガー』でもやってたなぁ。

 そして森の中、ムルガンに次々と襲い掛かるライス・プレートの手下たちとのアクションではワイヤーを使用してまるで香港武侠映画のような効果をあげており、空中を自在に駆ける手下たちにまたもやビックリ!コメディ映画とはいえこれは侮れない。

 他にも渋滞中の道路で行う1対1のガンファイトや、混雑する駅での殺し屋たちやギャラリーを交えた中での銃撃戦など、CGを駆使してかっこいいはずの場面を誇張しすぎて逆に笑いに転化させる手法はさすが!元々ヒーローが大げさなのはタミル映画ではごく当たり前なことなので(ほら、ラジニカーントでもそうでしょ?)、これらの場面を見て大笑いできるということはインド映画のファンである証拠だ。

            

 古臭い題材なのになぜか新しい、そしてコアなインド映画ファンからインド映画初体験の観客層でも十分に楽しんでもらえる この『Quick Gun Murugun』。なんとインド映画にもかかわらず上映時間が約90分前後なので、いままで食わず嫌いをしていた方たちにもすんなり入っていけるのではないか?と思っています。

 最後に主人公の決め台詞で閉めたいと思います。さぁ、皆さんご一緒に!


            

        「Mind It(気をつけろ)!」

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大梵林(ボリウッド)映画祭 ~第八回~ 『JACKIE CHAN』

2009年06月05日 | インド映画

 基本的にはヒンディー語映画を扱っているこの大梵林映画祭だが、時として多言語の作品を扱う事があるのでここに記しておきます。でも、まぁインド映画=ボリウッドで通っちゃっているのであまり気にならないか。

 今回の紹介作品は南インドのカルナータ州で製作されるカンナダ語映画界が誇るアクション馬鹿野郎、スリラー・マンジュの監督・主演作『JACKIE CHAN』(96)だ。
 タイトルだけ聞くとジャッキー映画かと勘違いしそうだが、ビタ一文ジャッキーは出演しておりません。劇中に小道具として彼の主演作『デッドヒート』のポスターが出てくるだけ。最初にこの事実を知らずに鑑賞すると痛い目に遭います、これホント。しかし、ジャッキー云々を抜きにして一本のアクション映画として観るとなかなか新鮮で面白かったりするんだ、これが。 

     

 内容はマンジュ演じるマーシャルアーツの達人の刑事が、悪徳政治家も裏で絡んでいるギャング団により身内を殺された男たちと協力し合い復讐・全滅させるといったもので、ここでもインド映画お得意の“不幸の連鎖”が描かれており、ドミノ倒しのごとく続く不幸にと観るものをゲンナリとさせてくれます。でもこれがあるから血しぶき舞う復讐場面や格闘シーンが生きてくるんだけどね。
 「魅力的な極悪人」は南インド娯楽映画には存在しない。悪党は悪い事を続けて観客のヒートを買い、最後に悲鳴を上げながら死んでいき、それを観て観客は日ごろの鬱憤を晴らすという健全たる娯楽映画のあるべき姿がそこにはある。

     

 一番の売りであろうスリラー・マンジュの手によるアクションは一言で言えば「やりすぎ」で、何べんもグルグル回転したり(見栄とか格闘とかで使用)、コマ落とししすぎて格闘シーンがマンガになっちゃったり、やられる悪漢はビューンと飛んでいったり、フロントガラスを何枚もぶち破ったりとやりたい放題。内容からすれば低予算映画なのかなと思いがちだが、次々と火花が上がったり、何十台と言うバイク・自動車・馬・トラクター(?)が一斉に主人公たちの乗ったトラックを追いかける場面を観ると、意外にお金が掛かっているのがわかる。
 このやりすぎアクションを観ていてふとラジニカーントの映画を思い出した。そういえばタミル語映画も南インドだったなぁ。無茶ぶりアクション演出は南インドでは常識なのか?北インドのヒンディー語映画ではお目にかかりませんが。

     

 「96年の作品だから無茶苦茶なんだよ。今だったらもっと洗練されているに違いないって」
 とお思いのあなた。現在YOUTUBEでその一部が視聴できる最近のマンジュ(アクション演出)作品『DURGI』(04)をご覧になって観て下さい。やりすぎアクションは現在も(ちょっと前だけど)健在です。南インド映画アクション万歳!

      
      

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大梵林(ボリウッド)映画祭 ~第七回~ 『KHILADIYON KA KHILADI』

2009年05月22日 | インド映画

 はい。『チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ』公開に先駆けて、我が大梵林映画祭も便乗しちゃうよ!

 『チャンドニー~』の主演俳優であるアクシャイ・クマールのあまり知られていない出演作(アクション映画限定)である『KHILADIYON KA KHILADI』(闘士の中の闘士・96)を今回は紹介しちゃいましょう。

 犯罪組織の女ボス・マヤは非合法の闇プロレスを開催する裏社会の大物で、その力は警察にまでも及んでいる。犯罪の実態を探ろうと潜入捜査をしていたアジャイはその正体を見破られ姿を消してしまう。彼の弟であるアクシャイは兄の消息を探るためマヤに闇プロレスのファイターとして雇われるフリをして接近する。
 しかし敵対する犯罪組織のほうも怪力無双の大型選手を用心棒にしてマヤの組織を潰そうと企んでいた。果たしてアクシャイは兄を救い出し、目の前の敵を倒すことができるのであろうか…?

       

       

 まだ若いアクシャイの魅力満載の作品…とはいい難く、この作品はインド映画界の大女優・レカーの主演作品なのでした。HIMAGINE電影房的には『Krrish』のリディック・ローシャンの母役の女優さんと言えば判るでしょうか?

 とにかくすごい美人!この映画当時40代だというのに果敢にセミヌードまで見せたり、登場するたびに違う衣装・エクステで現れたりと魅力全開フルパワーです。さすがこの当時(かどうかは不明)アクシャイと噂になってただけはあります。熟女パワー?

       

       

 アクシャイがちょっと喰われ気味になってきたな。

 でもアクションに関しては大満足でした。まだまだ香港経由ハリウッド直輸入のワイヤー技術がなかったころの作品なので格闘シーンに無理がなくすんなりと入り込むことができる。ヴァンダム的開脚からの推手や中国人用心棒から掠め取ったヌンチャクを振り回したりとやりたい放題。だからこの作品、香港映画の影響下というよりかは(ジャッキー映画の影響は少なからずあるけども)欧米マーシャルアーツ・アクション映画の影響のほうが濃いように感じる。

       

 この作品には以外な人物が登場していた。何とあのWWEのスーパースター、ジ・“デッドマン”アンダーテイカーが悪役で出演、アクシャイとバトルを演じていたのだった…と大々的に言いたかったのだが、この記事を書く前にネットで再調査したら“アンダーテイカー”には変わりないが本名・マーク・キャラウェイの方ではなく、94年ごろに偽アンダーテイカーとして本家と抗争していたブライアン・リー(ハリス)であるということが判明した。

 
しかし映画開巻早々に行われる闇プロレス場面で闘っているのは本物のアンダーテイカー(マーク・キャラウェイ)ではないかという気はする。ま、どっちみち“アンダーテイカー”はWWEの登録商標なので誰がやっても同じなんですがね。

 ちなみに対戦相手はクラッシュこと故ブライアン・アダムス(元新日本留学生)でした。インド映画で知っている顔を見ると不意をつかれたような、ちょっと新鮮な気はします。

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大梵林(ボリウッド)映画祭 ~第6回~ 『CHAINDNI CHOWK TO CHINA』

2009年05月19日 | インド映画
 ブログ自体が久々の更新なので、この大梵林映画祭もかなりのご無沙汰でございます。今回の紹介作品は今月末には日本でも公開される、インド・アメリカ合作映画『CHAINDNI CHOWK TO CHINA』(09)であります。
 もし、劇場へ足を運ばれるのであれば参考にでもしていただければ幸いです(なるのか?)。

 「あなたこそ古代中国の英雄の生まれ変わりです!」
 デリーの下町・チャンドニー・チョークでしがない野菜切りをやっている青年・シドゥはギャング達によって苦しめられている中国の貧しい村からやって来た男たちにそう告げられる。今の下層での生活を抜け出したい彼にとってはまさに渡りに船な話であった。早速浮かれ気分で中国にやってきたものの、現実は残酷でギャングのボスでクンフー使いのホジョにズタボロにされた挙句、人質として連れてこられた養父までも目の前で殺されてしまう。
 身も心も傷だらけの彼を救ってくれたのは、ホームレスをしている元刑事のチャンであった。シドゥは国に帰れと忠告するチャンに対し、村人の信用の回復と養父の仇を討つまでは帰れないと突っぱね、自分にクンフーを教えてほしいと懇願する。最初は断っていたチャンだが、彼の本気を感じクンフーを教えることにする。そして幾月が流れ、再び古代英雄の像が祭られている村に舞い戻ったシドゥはギャング団とホジョとの最終決戦に挑む…!

      

 様々な元ネタの作品名がチラつくが、そんなことは言いっこなし!とにかく約2時間半、映画の流れに身を任せ楽しむのがベストの鑑賞法だ。クンフー・アクションに興奮し、女優さんに酔いしれ、ミュージカル場面で心躍らせる。インド映画に難しい理屈は不要。もしこの映画のノリに喰いつく事ができれば極上の時間を味わうことができるはずだ。

      

 主演のアクシャイ・クマールは以前当ブログでも紹介したAWARA PAGAL DEEWANA』でも披露した、マーシャルアーツ・アクションを今回もたっぷりと見せてくれている。実際に武術を習っていたそうだが、まぁまぁサマにはなっている。インド映画のスター俳優はマッチョ系の体つきの方が多いので、武術アクションはどうかなぁ~?と個人的には思っているのだが。
 インド映画にはクンフー・アクション(というか香港スタイルのアクション)は結構前から取り入れられているのだが、本格的なインド式クンフー映画は(アクションのみならず構成も含めて)初めてではなかろうか?主人公が挫折を味わい、優れた技能を持つ師父と出会い厳しい修行を重ね、ついに復讐に成功する…といったフォーマットはまさに70年代後半から80年代にかけて多数製作されたコメディ・クンフー映画の王道パターンではないか!
 そのクンフー映画王道フォーマットに、より箔を付けているのが我らが(クンフー映画ファンの間だけね)劉家輝である。本作一番の悪党・ホジョを憎々しくかつパワフルに演じている姿は必見だ。カミソリ入りのシルクハットのイメージって、やっぱり『007 ゴールドフィンガー』のオッド・ジョブ(ハロルド坂田)からの引用でしょうね。名前もナニジンかわからないような感じだし(公式HPには北条と日本人名で表記されている)。

      

      

 本作で一番のインパクトを与えたのはやはり主演女優のディーピカー・パードゥコーンでしょう。主人公を翻弄するミキとホジョの手下で女殺し屋のミャウミャウの二役を演じているがどちらも甲乙付けがたい美しさ!個人的には見事なメイクで中国人風美女に変身している姿のほうが大好き。彼女のほかの出演作としては当ブログでは『Om Shanti Om』を紹介済みでございます。元スーパーモデルという職業柄、絶世の美女をやらせると近年のインド映画ではピカイチの女優さんだと思います。

      

 個人的にはおいしいポイントだと思ったのが、ミトゥン・チャクラヴァルティー(シドゥの養父役)の起用。インド映画初体験の方は何で?とお思いでしょうが、実はこの御仁、80年代にはアクション映画で人気を博し、その内数本はマーシャルアーツを扱った作品が存在する(その名も『Karate』(83)という怪作がある)のだ。私はこの作品を観てて「いつミトゥンが戦いだすんだろう?」と筋違いな期待してしまった。果たしてミトゥンの格闘シーン、あるのかどうかはどうぞ劇場でお確かめください(笑)。
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