「アクションシーンはまねするものではなく楽しむものです。私は完全な安全措置のもとで撮影を行いました。私のスタントをまねようとして私を怖がらせるのはやめてください」
まるでWWEの番組内CM「DON'T TRY THIS HOME!(決してマネするな)」を思わせるような主演俳優リティック・ローシャンの声明もあった、インド新世紀スーパーヒーロー映画『KRRISH』(06)は約3時間の上映時間をものともせず、国際的にも通用する質の高い出来・面白さであった。
超人的な身体能力・頭脳を持つ幼い息子・クリシュナを科学者たちの好奇の目にさらされるのを恐れた彼の母親は山中に身を隠し世間から離れて生活していた。そして何年かが過ぎ、立派に成長したクリシュナはそんなことも知らず俗世間との接触を拒む母に少し窮屈さを覚え始めていた。
ある日クリシュナが住む山村にシンガポールからTV局で働いている女性・プリヤがバカンスでやってきた。彼はプリアの危機を救った事から好意を抱き始めたのだが、彼女はクリシュナのスーパーパワーをスクープしたいと思い、ウソをついて彼をシンガポールに来ないか?と誘う。
初めての俗世間・シンガポールにやって来たクリシュナは最初はプリヤと楽しく生活していたのだが、ある時ひょんな偶然で彼女のウソばれてしまい、彼は裏切られた思いで故郷に帰ろうと空港に足を運ぶが、その時初老のインド人から帰国をやめて欲しいと言われる。不思議に思うクリシュナは彼の話をよく聞いてみると、何と死んだと思われていた父親が生きているというのだ。彼が言うには父はとある財団で未来を見ることの出来る装置の研究をしていたのだが、実験中に財団のボス・Dr.アルヤにより自分と家族の身に危機が起こるイメージを見てしまったが為に装置を破壊・脱出を試みるのだが、時すでに遅し。以後20年間父は彼のそばで幽閉生活を送っているのだという。
その頃、Dr.アルヤは自分の未来がどうなるかのイメージを例の装置でシミュレーションしていた。モニターに映し出されたのは華々しい未来ではなく、仮面を着けた黒衣の男に殺される自分の姿だった。そう、クリシュナが父奪還の為に動き出したのだ…
“スーパーヒーロー作品”とは言っているが、別にクリシュナは市民の平和を守ろうとか、人類の危機を救おうとしているわけではなく、ただ超人的能力を自分の身の回りで使用しているだけなので厳密にはスーパーヒーローではないように思う。敵だって世界征服を企むとかテロ活動を行っているわけでなく、未来のイメージを見ることの出来る装置を持っていて、私設兵隊は持ってはいるが、自らの妄想に浸っているだけの小人物だ。
このクリシュナのスーパーヒーローぶりを視覚化するために本作では香港映画界からチン・シウトン(程小東)を招き、本場のワイヤー技術と特殊視覚効果の力でグローバル・スタンダート(世界標準)なヒーロー像を創造する事に成功している。いくらワイヤー技術がいろんな国の作品に使用されていようが、精度・画面栄えはオリジナルにはかなわない。そういえばシウトン監督、『スパイダーマン』のアクション指導もやっていましたね。
いろんなアジアの才能が西へ東へ行き来している近年の映画界、昔っからその“才能”の作品を観ている観客からすれば非常に喜ばしい事ではないかと思うのだが皆様は如何だろうか?
まるでWWEの番組内CM「DON'T TRY THIS HOME!(決してマネするな)」を思わせるような主演俳優リティック・ローシャンの声明もあった、インド新世紀スーパーヒーロー映画『KRRISH』(06)は約3時間の上映時間をものともせず、国際的にも通用する質の高い出来・面白さであった。
超人的な身体能力・頭脳を持つ幼い息子・クリシュナを科学者たちの好奇の目にさらされるのを恐れた彼の母親は山中に身を隠し世間から離れて生活していた。そして何年かが過ぎ、立派に成長したクリシュナはそんなことも知らず俗世間との接触を拒む母に少し窮屈さを覚え始めていた。
ある日クリシュナが住む山村にシンガポールからTV局で働いている女性・プリヤがバカンスでやってきた。彼はプリアの危機を救った事から好意を抱き始めたのだが、彼女はクリシュナのスーパーパワーをスクープしたいと思い、ウソをついて彼をシンガポールに来ないか?と誘う。
初めての俗世間・シンガポールにやって来たクリシュナは最初はプリヤと楽しく生活していたのだが、ある時ひょんな偶然で彼女のウソばれてしまい、彼は裏切られた思いで故郷に帰ろうと空港に足を運ぶが、その時初老のインド人から帰国をやめて欲しいと言われる。不思議に思うクリシュナは彼の話をよく聞いてみると、何と死んだと思われていた父親が生きているというのだ。彼が言うには父はとある財団で未来を見ることの出来る装置の研究をしていたのだが、実験中に財団のボス・Dr.アルヤにより自分と家族の身に危機が起こるイメージを見てしまったが為に装置を破壊・脱出を試みるのだが、時すでに遅し。以後20年間父は彼のそばで幽閉生活を送っているのだという。
その頃、Dr.アルヤは自分の未来がどうなるかのイメージを例の装置でシミュレーションしていた。モニターに映し出されたのは華々しい未来ではなく、仮面を着けた黒衣の男に殺される自分の姿だった。そう、クリシュナが父奪還の為に動き出したのだ…
“スーパーヒーロー作品”とは言っているが、別にクリシュナは市民の平和を守ろうとか、人類の危機を救おうとしているわけではなく、ただ超人的能力を自分の身の回りで使用しているだけなので厳密にはスーパーヒーローではないように思う。敵だって世界征服を企むとかテロ活動を行っているわけでなく、未来のイメージを見ることの出来る装置を持っていて、私設兵隊は持ってはいるが、自らの妄想に浸っているだけの小人物だ。
このクリシュナのスーパーヒーローぶりを視覚化するために本作では香港映画界からチン・シウトン(程小東)を招き、本場のワイヤー技術と特殊視覚効果の力でグローバル・スタンダート(世界標準)なヒーロー像を創造する事に成功している。いくらワイヤー技術がいろんな国の作品に使用されていようが、精度・画面栄えはオリジナルにはかなわない。そういえばシウトン監督、『スパイダーマン』のアクション指導もやっていましたね。
いろんなアジアの才能が西へ東へ行き来している近年の映画界、昔っからその“才能”の作品を観ている観客からすれば非常に喜ばしい事ではないかと思うのだが皆様は如何だろうか?