HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

これがオリジナル『AGENT X44』だ!

2009年02月03日 | フィリピン映画

 前回紹介した『AGENT X44』(07)は、ゲスト出演しているトニー・フェラーの人気スパイ・アクション映画『AGENT X44』(またはトニー・ファルコン)シリーズのパロディだということを書いたが、実際どんな感じの作品なのか当時の新聞広告を見てみよう。だって現物が残ってないんだもん。

 
天下の映画データベース・IMDBで調べてみると、この『AGENT X44』シリーズはなんと1965年の第一作に始まり1980年までに計15本も製作されていた。アジアで作られたスパイ活劇のほとんどが60年代一杯で終わりを告げているのに、これはすごい事である。軽快なスパイものからハードなアクション映画へと途中で変化したのだろうか?
 以下が『AGENT X44』(トニー・ファルコン)シリーズのリストだ。

●INTERPOL:HADLANG SA MANLULPIG (1965)
●G-2 (1965)
●CONTRA SENAS (1965)
●MASTERMIND (1965)
●DEADLINE AGOSTO 13 (1966)
●TRAPPED (1966)
●BLACKMAIL (1966)
●SABOTAGE (1966)
●SOLO FIGHT (1967)
●THE SPECIALISTS (1968)
●INFILTRATORS (1969)
●CRISIS (1970)
●SECRET WITNESS (1972)
●LAST TARGET (1978)
●ANG AGILA AT ANG FALCON (1980)

   
     
      
       
 また、あのYOUTUBEにはこのシリーズの一つである『SABOTAGE』の動画が一部分ではあるが投稿されていた。この動画を観る限りではまぁ、よくある擬似ジェームズ・ボンド映画なのかな?と思う。ビキニタイプの衣装を着た女殺し屋集団が出てきたし。そういえば彼、パロディ版でも白いスーツきてたな。定番なのか?う~んもっと詳しいことが知りたいぞ!
 この映画、すごく面白そうなので誰か全編アップしてくれないだろうか?

 


底抜けスパイ大作戦 『AGENT X44』

2009年02月02日 | フィリピン映画
 今回の紹介作品はフィリピン産スパイ・アクション・コメディの『AGENT X44』 (07)です。

 スパイ養成学校の落ちこぼれ生徒の主人公・キングはある日、国立博物館から宝刀を盗まれたとの知らせを受け、有能な卒業生は他の任務で出払っている為、本部より宝刀奪還の命令を受ける。数々の失敗を繰り返しながらも調査を進めるうちに事件の背後には巨大な犯罪組織が動いていることを突き止める。果たしてキングは見事事件を解決して一流のエージェントになれるのであろうか…?


          

          

『オースチン・パワーズ』シリーズのヒットにより、世界中にスパイ・コメディ映画ブームの波が押し寄せ、流れ流れてフィリピンまで到着したって感じ。
 「どーせフィリピン映画だから安っぽいんだろ?」とタカをくくっている諸君。そんな事は全然なく、タガログ語のギャグに目をつぶれば意外としっかりした作りになっていて、何も考えずに楽しめる。コメディあり、ガン・アクションあり、お色気あり、そして格闘アクションありと近年の娯楽映画の要素はバッチリ揃っているのだ。

 この世界標準的作りはここ最近の非ハリウッド娯楽映画ではあたりまえで、よその国の劣った(映画製作面で)部分を見て笑い飛ばそうなどという邪な考えは失礼である。とはいっても見る人が見れば劣っているんだろうけど…。

          

          

 この作品、ただのスパイ・コメディだと最近まで思っていたのだが、実は、60年代にフィリピンで人気を博したスパイ・アクション映画『AGENT X44』シリーズのパロディであるという事が分かった。
 主演は日本でも第一次クンフー映画ブームの頃に公開された『激突!ドラゴン 稲妻の対決』(73)のトニー・フェラー。当パロディ版では主人公を励ます伝説の名エージェント、トニー・ファルコンというなかなかカッコいい役で登場する。このトニー・ファルコンという役名も当時のままなんですがね。

 韓国でもレトロテイストあふれた『タチマワ・リー』(08)があるし、日本でも何かこういったレトロ調の、大予算を掛けたスパイ・アクション映画を是非撮ってもらいたいものだ。小規模上映された『0093女王陛下の草刈正雄』(07)だけじゃあまりにも寂しいではないか!

          
          ●彼がトニー・フェラーです