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『天命英雄/Blood Letter』を観る

2013年01月29日 | 非ハリウッド娯楽映画

 2013年一発目は、ベトナム製武侠大作『天命英雄/Blood Letter』(2012)を紹介。

 (たぶん)ベトナムで製作された初の武侠映画で、現地の人気時代小説を映像化したものだという。物語は、王家の権力争いによって、反逆者の汚名を着せられ処刑された阮家の生き残りである元武が、一族の復讐と名誉回復を果たすためにひとり王家に立ち向かい、奮戦するというもの。
 歴史的事件(ル·チービエン虐殺:ブログを書くにあたって初めて知りました)を物語のスパイスとして用い、美しく雄大な自然や豪華絢爛なセット、そして武侠アクション(忍者もでるよ)と見せ場満載で、これはまさに《超大作》の雰囲気をもった逸品でしょう。ただ出てくる主要人物がみんな若く、イケメン・美人ぞろいなんで、なんとなく韓国テレビ時代劇の香りがしないでもないけど、まぁご愛嬌ということで。




 『トム・ヤム・クン!』や『The Rebel』『Clash』で格闘アクション映画好きには名の知れたジョニー・トライ・グエンが本作においてアクション監督(武術指導?)を務めており、本場香港・中国製武侠映画にも劣らないアクションを作り出している。ただ観ていてちょっと気になったのがワイヤーの使い方で、軽功で跳ぶ際にキャラクラー(俳優)の飛行姿勢があまりよろしくなく、「吊られてる」感がすごく目に付くのだ。70~80年代の武侠片なら「しょうがない」で済ませられるのだが21世紀の現在では「もうちょっと何とかならないか?」と思ってしまう。そう考えると、こういった演出のノウハウを持っている香港のアクション監督ってすごいよね、と改めて思い知らされる。




 【総評】珍作だと思って観賞したのだが、思いのほかクオリティが高くてイッキ見してしまいました。数ヶ月後には新作DVDの棚に並んでたりして……(最近そういう作品が多いような気がする。配給会社も動画サイトとかでチェックしてるのか?)