HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

遅れてきた夏休みおとな劇場!『テコン童子 マルチアラチ』

2007年04月08日 | 韓国まんがまつり

 かの名著『世界トホホ映画劇場2/アニメ&特撮大作戦』(大畑晃一・著)で紹介されて以来、是非観てみたいと思っていた韓国製アニメ映画『テコン童子 マルチアラチ』(77)がDVDになって発売された。

 こうやって突拍子もなく観たい映画がソフト化されるもんで、やっぱりキチンと働かないといけないなと痛感した次第であります。まぁ、YOU TUBEやなんかでタダで観れる事はあってもモノが自宅にあるという感動には敵いませんが。


 休暇で山登りにやってきた科学者夫婦は、この山で二人だけで厳しい自然の中で暮らしている兄妹・マルチとアラチに偶然に出会う。

            

 彼らは仙人のような老人に育てられ自然の中で生きる術やテコンドーを教わっていたのだが、ある日世界征服を企むドクロ団の首領である生きたシャレコウベ・青ドクロにより老人を殺されてしまう。マルチとアラチは復讐の為さらに強くなろうと心に誓い山中に篭っているのだという。

            

 話を聞いた科学者夫婦は自らが経営しているテコンドー道場での修業を勧め、彼らを山から下ろす。

 数ヵ月後、修行の成果は世界大会出場という形で現れる。だが、そこにはすでにドクロ団の魔の手が及んでいて、試合中のマルチを突然選手に変装した戦闘員が襲い掛かり、命こそは奪われなかったものの一時的に戦闘不能になってしまう。

            

 体力が回復したマルチは、アラチと科学者の友人である諜報部員の男と共に郊外にあるドクロ団のアジトに潜入、次々と戦闘員を倒し憎き仇である青ドクロと対面するが、まだ勝負の時ではないとばかりに隠していた飛行物体に乗り込みマルチたちの前から去ってしまう。こうしてマルチとドクロ団との戦いが開始されたのであった…

            

 77年製作なので当たり前なのだが、すごく懐かしい感じがする作品である。アニメなどというハイカラな単語よりも“まんが映画”という言い方がシックリくる。劇画調の主要キャラクターとコメディリリーフ役のマンガタッチのキャラクターが同一画面に出るのはいかにも韓国アニメだなぁ(この辺は2~3本韓国アニメを観れば納得できるハズ)。

 すごいのはこの作品、話の展開が速い事で、次から次へと見せ場がやってくるのだ。何の前触れも無く次のステージに移動し、今まで微塵も紹介されなかったキャラクターが当たり前のように登場しているという、こちらの不安もお構いなしに話を進める強引なパワーに脱帽だぁ!
 
            
            

これぞ正調印度娯楽映画!『アマル・アクバル・アンソニー』

2007年04月01日 | インド映画

 更新が約1月ぶりになってしまいました。少なからずともこのブログを楽しみにしていた方には大変申し訳なかったです。

 身の上の話なんか書いても面白くもなんともないから理由は言いませんが、早速作品紹介と参りましょう。今回はインド映画界の大スター、アミダーブ・バッチャン(誰だ?ラジニカーントっていう奴は!)が人気絶頂の頃に製作された、『炎/SHOLAY』(75)と並ぶ彼の代表作である『アマル・アクバル・アンソニー』(78)でございます。


 ストーリーは悪党の下で働く男が大金を強奪して組織から追われるようになり、3人の幼い息子たちの安全を考え一緒に逃走する。途中追っ手をかく乱するため子供たちを一時的に置いておくのが、その結果3人の息子たちはその場所から消えてしまう。実は子供たちはバラバラに分かれてしまい、それぞれ職業の違う人たちに引き取られていたのだ。

 そして20年が過ぎ、長男アマルは立派な警察官に、次男アンソニーはちょっとしたチンピラに、3男のアクバルは歌手になっていた。3人はお互いが実の兄弟とも知らず時には敵対し、時には友情を育んでいたのだが、ある事件をきっかけにその素性が明らかになり、家族と兄弟をバラバラにした敵の本拠地に3人は乗り込んでいくのであった…。

        
              

 随分端折って書いたが、本編はもっといろいろなエピソードが折り重なっていて3時間弱の上映時間があっという間に感じられる。恋愛・家族愛・アクション・コメディ・そしてミュージカル等、それほどにいろんな要素がギッシリ詰まっていて、まるで幕の内弁当かフルコースといった感じだ。『ムトゥ』で我々日本人が初体験したインド娯楽映画(通称マサラ・ムービー)のフォーマットがここでも全開だ。ただ、『アマル~』はヒンディ映画なのでもうちょっと都会的で、私は断然こちらが好み。女優のファッションも70年代的スタイルだし、何と言っても主演のアミダーブ・バッチャンがダンディで欧米的な感じでとてもいい。こういう作品を観ると「もっとバッチャンの全盛期の作品が観たい!」という衝動に駆られてしまう。

             

 タイ映画のときでもそうだったのだが、どうも1つ非ハリウッド娯楽映画を観ると興味がその地域の古い作品に移るみたい。なかなか現地でもソフト化されてないものをどうやって観るんだ?