日々雑感

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自殺者が三万人を越える

2008年04月12日 | Weblog

2008年4月12日、内閣府が発表した人口動態統計月報をもとにした
昨年1月から11月までの自殺をした者の数が28542人で、前年同期よ
り、1228人増えたとのこと。

通年では、2年ぶりに3万人を超す勢いだ。東京都では、331人増えて26
05人。大阪府が270人増えて2044人など、大都市での増加が目立つ。
と、新聞記事は結んでいる。

経済的には豊かになったけれども、生きる夢を失った人が、大勢でできた。
いつの時代でも、その時代や時勢に、合わせて生きることができなくて、自ら
命をたつ人は、いることだろう。

しかし、3万人以上の人が、自殺するという社会は、異常ではあるまいか。
交通戦争と言われた時代の交通事故死者数は3万人を超えることは無かったと
記憶している。

せっかくこの世に生まれたのだから、自らの手で命をたつということする前
に、もっとなんとかならなかったものかとつくづく思う。

生きることの意味や智恵や大切さを教えるのは、宗教であるが、現代社会にお
いて、宗教は人々が生きるための知恵を授ける所ではなくなって、人々は己の
人生を、究極において、相談したり、助けを求めたりすることなく、自らの命
を絶っていく。

基本的には自殺者はこの世で生きていく中に、夢や希望を見いだすことができ
ないで、彼らにとっては、この世に存在すること自体が苦痛なのであろう。
どういう社会が1番いいのか。簡単に見いだすことはできないが、人々が孤立
しないで、人の輪の中で生きていくとすれば、抱えた問題を話し合ったり、慰
められたり、たすけられたりしながら、自殺という究極の選択をしないで済む
ように思えるが、そう言う考えは、通用しないのであろうか。

人間の生と死について、大きなかかわりをもつというのは、やはり宗教をおい
てほかにはないだろう。そういう視点から現代の宗教のあり方を考えてみる
と、宗教界が、この大きな課題を克服するためにどのような努力や工夫をして
いるのか。皆目見えてこない。

ひとり宗教に責任を負わすわけにはいかないが、なんとか対策をたてないと、
現代社会における国家のあり方の中の1番弱い部分が露呈しているように思
う。政治も経済も宗教も、人間がいて初めて成り立つ世界である。言葉だけの
人権尊重ではなく、実質的な中身を伴った、共存共栄社会を作らなければと思
う次第である。一発必中の解決策をこの世の賢者よ。考えて編み出してほしい
と心から願う。