日々雑感

心に浮かんだこと何でも書いていく。

ネパール行き

2008年04月25日 | Weblog
               ネパール行き  

 ネパール行きの目的は確たるものがなかった。無目的ではなかったが、さりとて、なにかを目指して、というものは何もない。確かにヒマラヤの山を見たいとは思ったが、行ったのが九月で、まだ雨季であるから、期待はしてなかった。ただインドと比べると天国だという話はよく聞くので、それならば、という思いぐらいである。

実際にカトマンヅに来てみて、確かにインドとは違う。だいいち、人情がネパールの方が日本人に近いような気がする。インドで味わった、あのいやな思いがなく、ネパールの人とは気を許して付き合える。

それにインドの、あの暑さはなく、風は限りなくさわやかで、やさしい。やはりお釈迦様が生まれなさった国である。ルンビニは時間がなくて行く事は出来なかったけれども、ネパールはさわやかで、親切な人が多いような気がした。

インドでいやな思いをした時には、貧しいから人を騙したり、脅したり、嘘を平気でついたりするんだろうと思って、ある程度は仕方がないと自分なりに解釈をして、納得していたが、ネパールへ来てみて、必ずしもそうではないということが分かった。貧しさの点から言えばネパールの方が上であるから、インド以上のことがあっても良い筈だ。

しかしわずか1週間の滞在だったが、北東インドで味わった、あの不愉快さはたったの1回もなかった。こんなによい人の集まった国でありながら、貧しいというのは何が原因しているのだろうか。
 
知恵がないのか、技術がないのか、教育がないのか、いろいろあろうけれども、自分なりの結論は工業国でないからだということであった。

農業や観光収入では、いつまでたっても豊かにならない。そんな事は百も承知はしていても、現実には何かが足りなかったり、社会がそこまで成熟していない上に、宗教上の禁忌などが重なって社会の発展のテンポを、遅々たるものにしているのだろう。 
 やはり時間が必要という事なのだ。

仕方がない。大それた事を考えないで、自分の甲羅の大きさにあわせて、何か出来ることがあったらさせてもらおう。僕がネパールへ来て考えたことはこの程度の事であった。