日々雑感

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黒田官兵衛パ-ト2

2009年08月12日 | Weblog

黒田官兵衛パ-ト2
「思いおく言の葉なくて ついに行く 道はまよわじ 成るに任せて」 徳川家康は「彼こそはいにしえの道を歩む人だ」と言った。
秀吉は「私の死後天下を握るのは黒田官兵衛だ」と言った。
織田信長を初め戦国の3武将はそろって官兵衛の実力とその人柄をほめた。
取ろうと思えば天下取りも手中にある。しかし彼はそんな名誉や権力には目もくれず、さっさと福岡に引退してしまう。この潔さの背景に、持てる力をフル回転して出し切り、活躍したという彼の自負がある。

感動的だったのは、秀吉の小田原攻めの時の活躍ぶりである。単身小田原城に乗り込んで、城主を説得して開城させただけでなく、その真心から成る説得に感動した北条氏から国宝の名刀を1振り贈られている事からも想像できる。

秀吉も部下として使うが、余りにも実力があり、切れ者なので、彼を遠ざける事になるが、彼はなんの不満もなくいわずに、悠然と福岡に隠居する。時に44才。他人からどう思われようと自分の心は清らかな水のようでありたい。そう言う願い、彼の人生観にしたがって、彼は歴史の表舞台から去った。
彼は辞世の句を詠んだ。そして59才の生涯を閉じた。
戦国時代の平均寿命は人生50年と言われた時代だから、相応の生涯だったのだろう。
で、彼が言う「おもひおくことのはなくて」と言うことは自分は精一杯人生を生きた。今ここで思い残すことは何もなく、従って思い残す言葉はなにもない。これほど充実した人生が有るだろうか。自己充実と生きた満足感どれほどの人が得られよう。
続ける
「ついにいく。道はまよはじ なるにまかせて」自分の死後の世界がどんなものか判らないが、(神仏のおはからいで)進む世界は自分の意志じゃなくて神仏にお任せすれば十分だ。なんの不足もない。

私は彼の余りの潔さや悟った境地に唖然としてしまう。どういう生き方をすればこういう自己充実した人生を送れるのか。信長や秀吉も 家康も有名な歴史上の人物だが。官兵衛こそ、歴史上の第1級の人物ではあるまいか。
政権交代がかまびすしい昨今、麻生か鳩山かと言う前に、第2の官兵衛が出てほしいものだ