日々雑感

心に浮かんだこと何でも書いていく。

葬式

2009年08月20日 | Weblog
葬式

知人のおばあさんが99才の大往生を遂げた。おばあさんの顔は満足げである。見送る肉親達も基本的には満足で誰も式場で涙をこぼしている人はいない。
これがいたいけな子供や、働き盛り、まだまだ社会や家庭のでその役割を果たさなくてはならない立場の人を見送るというのなら、式場は悲しみと嗚咽が充満することだろう。

おばあさんは五木ひろしのフアンクラブの会員でもあった。そのせいか
式場に持ち込まれたエレクトンからは 千曲川 や 夏の思い出 やふるさと がバックグランドミュジックとしてエレクトン演奏で流れた。その歌がおばあさんを偲ぶのに格好の雰囲気を醸し出した。

葬式という感じは全くしない。それは静かに99才まで生きた老女の生死になんの未練も残さない心静かな別れの儀式だった。

式場に集まったのは近親者のみ20人ほどであったが、今までこれほど心安らかな葬式に参列したことがなかった。

僕も死んだらこうしよう。こういう葬式が良い。ところで僕は神様仏様のフアンではあるが、みそらひばりの、五木ひろしの、フイッシャデイスカウのフアンクラブ会員でもない。

葬送の曲は何にしようか。
「延命十句観音経」 を流し貰おう。東京芸大の声楽家が歌ったこの自作曲はことのほか、僕のお気に入りの作品である。既に京都清水寺の秘仏の観音様には奉納演奏してある。一曲で淋しいというなら「壺阪観音」 をついでにテープで流して貰おう。前者はモル(短調)だが、後者はDUR(長調)だからバランスがとれて良いかも知れない。

何はともあれ自他共に十分生きたと感じられるように生きたいものだ。そうすると、今回のおばあさんのようにスマートなわかれができるから。