日々雑感

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惜別

2012年06月16日 | Weblog
惜別

今日の朝日新聞の夕刊にフイッシャーデイースカウ氏の惜別記事が載った。
自ら絵を描きバッハについての論文も書いた教養人。普通の声楽家とはちょっと違う教養の高さにほれぼれしていたが、やっぱりそうだったのか。
感覚だけを頼り音楽を聴く人に知的な表現で音楽のきき方を教えた人だった。僕は教えられた。

戦争捕虜になって、将校に頼まれて歌いピアノを弾いた経験から、おそらく人は殺しあいをするくせに、何故音楽を愛するのか。逆に音楽を愛するのに、何故殺しあいをするのか。哲学的な命題を彼は求めていたのであろう。

ドイツ人と日本人は気質が似ていると言うが、まじめな日本人には彼を受け入れる素地が、国民性としてそなわっていたのではあるまいか。
ご冥福を祈る。