女の戦争
広い食堂で、隣の席は祖父祖母とおぼしき人とその娘、娘の子2人。
聞き耳を立ててはいないんだが、話が聞こえてくる。
じいさんが言う。こうやって何事ももめ事無く血の通った3代が水いらずで何の気使いも無く、話出来るのは幸せだね」。それに娘が答える
「そうよ。隣に姑さんがいたらご飯も喉にとおらんわ」
「私は古い時代の生まれだから、あんたみたいな贅沢は言えなかった。何時も姑さんといがみ合いながらここまでやって来たのよ」と祖母が発言した。
「昔の人は偉いと思うが、馬鹿だね。そんなにまでして自分を殺してばかり息がつまるじゃ無いの。私は同居なんでまっぴらごめんだわ。」と娘
それから先は僕が考えた。きっと同性の反発が男より激しいのだろう。つまりよほどのことが無い限り言い分はいつも平行線で交わることはない。
熱い戦争か冷えた戦争かは人それぞれだろうが、基本的には嫁姑は大げさに言えば敵対関係にある。性(さが)として持っているものを変えようとしたところで、簡単に変わるものじゃ無い。それはどちらがどうだというのでは無く放っておかないと、なまじ仲裁などに入ると余計にことを面倒にする。
一時の覚悟ならいざ知らず、仲裁などと言ういい加減な気持ちでは到底対立を解きほぐすことは出来ない。嫁も姑も各人は良いひとであるのに、本能的対立意識があるからどうしようも無い。
ここの3代さんみたいに血の通った身内だけで食事を楽しむのが幸せだ。
僕にも嫁がいる。母もいた。同居もした。両者の対立関係に僕も大いに悩まされたのでこの3代グループの食事はうらやましかった。
広い食堂で、隣の席は祖父祖母とおぼしき人とその娘、娘の子2人。
聞き耳を立ててはいないんだが、話が聞こえてくる。
じいさんが言う。こうやって何事ももめ事無く血の通った3代が水いらずで何の気使いも無く、話出来るのは幸せだね」。それに娘が答える
「そうよ。隣に姑さんがいたらご飯も喉にとおらんわ」
「私は古い時代の生まれだから、あんたみたいな贅沢は言えなかった。何時も姑さんといがみ合いながらここまでやって来たのよ」と祖母が発言した。
「昔の人は偉いと思うが、馬鹿だね。そんなにまでして自分を殺してばかり息がつまるじゃ無いの。私は同居なんでまっぴらごめんだわ。」と娘
それから先は僕が考えた。きっと同性の反発が男より激しいのだろう。つまりよほどのことが無い限り言い分はいつも平行線で交わることはない。
熱い戦争か冷えた戦争かは人それぞれだろうが、基本的には嫁姑は大げさに言えば敵対関係にある。性(さが)として持っているものを変えようとしたところで、簡単に変わるものじゃ無い。それはどちらがどうだというのでは無く放っておかないと、なまじ仲裁などに入ると余計にことを面倒にする。
一時の覚悟ならいざ知らず、仲裁などと言ういい加減な気持ちでは到底対立を解きほぐすことは出来ない。嫁も姑も各人は良いひとであるのに、本能的対立意識があるからどうしようも無い。
ここの3代さんみたいに血の通った身内だけで食事を楽しむのが幸せだ。
僕にも嫁がいる。母もいた。同居もした。両者の対立関係に僕も大いに悩まされたのでこの3代グループの食事はうらやましかった。