日々雑感

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師を語る

2014年06月27日 | Weblog
師を語る。

私が作曲の道を志したきっかけは* なんと言っても山田耕筰先生との出会いが一番でしょう。先生は作曲家と言うより人生を教えて頂く師でした。音楽のおもしろさも苦労話もみな先生から聞きました。そして思うことは、先生のフアイトというか、バイタリテイとか言うものは尋常の人のそれではないと言うことです。直接話を伺うまでは想像だにしなかった事です。その迫力は書物から伝わっては来ません。
異様な光を放つまなざしは、大きな目玉と共にすごい迫力がありました。先生はご自身のことを、猛獣的バイタリテイの持ち主だと言われているが、文字通りそうなんです。加えて抜群の行動力。とにかく猪突猛進と言ったら良いのではないでしょうか。普通の人ならとてもそこまではやるまい、やれるまいということを、万難を排して突破して新しい境地や場面を作られるのです。これはとても凡人の及ぶところではありません。
交際範囲が狭いからかもしれないが、こういうお方には、私は今まで生きてきて出逢ったことが有りません。
勿論20世紀を代表する巨人だったから、学ぶことばかりでした。ちなみに先生の言われることを、そのままに実行すれば即座にひっくり返っていたことでしょう。いやそれ以前に尻込みをして、実行しなかったでしょう。天が与えた人となりは千差万別だが、先生が亡くなられた年月近く迄 
生きてみて、今でも尾っぽをまいて白旗を掲げることになります。
やはり20世紀の巨人だと思います。
先生から直接聞いた話は、その場でメモをとるわけにはいかなかったが、
一字一句聞き逃すまいと、しっかり頭にたたみ込み、学寮に帰ってからそれをノートに書きとめました。
先生ご自身の書物よりも、また先生について他人が書いた書物よりも直接聞いた話の方が数段面白かった。夢中になって聞きました。ノートに書き写しながら、あまり面白くて笑いが止まらず、ベッドから転げ落ちた記憶もあります。そんなお方にであえた事は僕の人生の大いなる喜びです。