■■【名言格言】安部能成「自なくして他なく、他なくして自なし」
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■ 自なくして他なく、他なくして自なし
安部能成(1883~1966)は、対象・昭和期の教育者であり、哲学者でもあります。彼の「学生に対する一般的助言」の一節です。
学生が相手ですので、どのような人生を歩んだら良いのかを考えさせるという意図で、社会人としてのあり方を説いているのでしょう。学生時代も人との関わり合いは難しい面がありますが、基本的には似た年代であり、学生であるという基本部分で共通しているところが多いと言えます。
しかし、社会というのは、年齢幅が学生時代に比べると格段と広がり、経験も異なり、当然のことながら価値観も違うわけです。そのような中で、他者の存在の重要性を説いている一説です。
今日、学生に限らず多くの人が自分という狭い中での思考が多すぎるような気がします。道を歩いているときに、ぶつかりそうになる直前まで何もしない人が多く、ぶつかりそうになって初めて回避行動を起こすのです。回避行動すらしない人も結構います。
狭い路地から自転車で急に飛び出してくる人の多いこと、それも若者だけではありません。狭い路地には人がいなくても、広い道に出たら人がいる可能性は高いわけです。ところが、自分の世界だけでの思考ですから、他人がそこにいるという思考がないのです。
電車の優先席で、ケイタイに夢中になっていて、目の前にお年寄りが立っても、自分が席を譲らなければならないという意識はありません。「私の妻は身障者なので、席を譲っていただけませんか?」というと席を立ってくれる人がいると言うことは、優先席が何たるかをわかっているからでしょう。
妻が病院に行くのがちょうど通勤時間帯にぶつかってしまいました。混雑する電車に乗るのが怖いようですが、優先席に座れば大丈夫と言い聞かせて電車に乗りました。席を譲って欲しいと声をかけましたが、だれも席を譲ってはくれませんでした。それどころか、通勤時間帯になんで身障者が電車に乗るのだと言わんばかりの雰囲気が漂った気がしました。(被害者妄想かも知れません)
他人を思いやる気持ちが、今日では薄れているように思えます。
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