本当は2011年の春に釣行する予定でした。
2011.3.11(金)に発生した東北地震の1週間前、
2011.3.4(土)5(日)に当時の私は、カレイを求めて茨城県の大津港、磯崎港へ
出撃していました。
現場では、関東一円の釣り人が押し寄せて、前日からの場所取りもままならず、
だけどそこまでしても、カレイはなかなか姿を見せてくれないので、
私の心はかなり焦っておりました。
その打開策として4月から5月ごろに東北地方遠征を画策しておりました。
「宮城県に行けば大判カレイやアイナメがわんさか釣れるらしい。」
真剣に考えておりました。
でも、あの震災が発生してしまい、遠征どころではなくなってしまいました。
地震と津波で壊滅した漁港、そこで多数の死者や行方不明者が出てしまい、
とてもじゃないけど呑気な顔して釣りなどしてられない重苦しい雰囲気。
さらに福島第一原子力発電所からの放射線汚染のことを考えると、
北方への釣行は小名浜港までが限界で、それより北側では竿を出せないと、
本当に思ってました。
しかし、あれから9年が経過して、東北の海岸一帯は防潮堤の工事が終わり、
どの漁港も復活しました。
周辺地域に広まった放射能汚染も徐々に薄まり、
魚貝類からも検出されなくなりました。
また常磐道は広野町から南相馬までの区間も通れるようになって、
仙台まで繋がりました。
さて、2020年の秋も、そろそろカレイのシーズンに突入します。
関東地方へ転勤してきて12年。
いままで関東地方で大型(30cm以上の)カレイの釣れた場所を列挙すると、
鹿嶋港、阿字ヶ浦、ひたちなか港、大津港、小名浜港大剣埠頭の5箇所しかなく、
そのうち、ひたちなか港と小名浜港大剣埠頭は完全に封鎖されて
入れなくなりました。
残された鹿嶋港、阿字ヶ浦、大津港の3箇所も、いつの日か封鎖されてしまうでしょう。
どこも自宅から約150~200kmも離れているので、疲れるし、場所取りに苦労しますし、
交通費もバカにならんのです。
それでも1日粘って40cmほどのカレイが1枚でも釣れれば、大満足なのです。
関東地方でも、横浜や横須賀方面は大判カレイが釣れるのは知ってますが、
長時間使用できる駐車場を探すのに悩みます。
いくら時間とお金がかかっても、確実に大判カレイが釣れる新しい場所を
開拓する必要があります。
以前から気になっていた宮城県の釣り場に一度は行って竿を出してみたいと
思い、思い切って出撃することにしました。
今回の目的地点は、以下2地点です。
①福島県相馬港の松川浦にかかる橋の下
②宮城県仙台市の閖上港
10月16日(金)、仕事から戻ってきて、風呂、晩御飯を済ませて、仮眠し、
日付が変わる深夜零時に自宅を出発しました。
目的地の相馬港は自宅から300km、
これまでいわき四倉までしか行ったことが無く、その先の広野ICから北は
初めての土地ですが、北上するにしたがい、大熊、双葉、浪江、南相馬など
ニュースでよく聞いていた地名が出てきました。
片側1車線の常磐道を心細く走っていると、道路脇に電光掲示板が何か所か
設置してあり、測定された放射線量が0.1μSV/hと表示。
しかしその数字が0.1から徐々に0.4、0.5と上がってゆき、最も大きな測定値は
2.1μSV/hでした。
双葉町や浪江町を通過するときに表示された数値が大きかったので、
しみじみと身の危険を感じました。
AM3:40相馬ICを降りて相馬港へむかっていると、運良く一軒の釣りエサ屋が
空いていたので、アオイソメ(太目)2500円分を購入しました。
googleマップを見ていて、小名浜港に似ている場所が相馬港にもあったので、
そちらへ真っ先に向かいましたが、バリケードで封鎖されていて入れませんでした。
やむなく釣り雑誌で紹介されていた松川浦大橋の下のポイントに入りました。
AM4:00 松川浦大橋に到着。
すでに暗いうちから、いわきナンバーや仙台ナンバーの多数の車が場所を取っていて、
釣り人が多いことに驚きました。
到着してすぐ、投げ竿4本と、シーバスロッド1本を立てて、場所を確保しました。
気温11℃、無風で雨は降ってませんが、超寒い。
場所を確保して、すぐに?、足元に大量の枯れ草が溜まっています。
最初は気付きませんでしたが、釣りを始めてすぐに判りました。
釣りエサ屋で太目アオイソメを購入しましたが、コイツが長すぎました。
目の前を覗いてみると・・・
大潮の下げ潮ということで、松川浦から外海へ渓流の如く速く流れていました。
25号の天秤があっという間に流されてしまったので、
25号なす型オモリを天秤に追加で取り付けて、合わせて50号の重さにして投げ込みました
・・・
が、
・・・止まったかな?と思わせておいて、
1分も経つと、PEラインに大量の菖蒲の葉みたいな細長い海草がからみついて、
水流に押されて、ズルズルと動きだして、竿ごと引っ張り込んで流されました。
足元に溜まっていた枯れ草の意味が判りました。
ダメだ、こりゃ。
4本の投げ竿のうち2本を2回ずつ投げ込んだだけで中止。
AM5:30 釣り始めてすぐに中止。
潮が止まる干潮ピークがAM9:40なので、それまで待ってますか?
この場所が時間経過でどうなるのか?調べるために待つのも良いけど、
潮が止まっている時間は2時間ほどしかないし、わざわざ東京から来て
ここで待っているのも能が無い。
早々とこの場所を見切って、仙台の閖上へ移動することにしました。
再び常磐道に乗り、50km彼方の閖上港へ向います。
雨が降り出しました。
どこも工事だらけですが、仙台へ向かうにつれて道幅が広くなったような。
名取ICで降りました。震災後には新しい道が作り直されていて、
名取川の河口に位置する閖上港へのカーナビは、ほとんど役に立ちませんでした。
googleマップの航空写真を見ると、どこでも竿が出せそうな感じがしたのですが、
実際に現場に行ってみると、あちこち工事中で柵が設けてあり入れません。
しかも釣り人が非常に多くて驚きです。
雨が降っているので、閖上港内で車横付けの場所を探して、入りました。
ここも干潮ピークのAM9:30ぐらいまで潮の流れが速かったのですが、
満ち潮に変わると穏やかになり、満潮ピークPM3:00までは、目の前で
潮がよれたりして大物が来そうな雰囲気でした。
しかし港内の底は牡蠣殻や岩が多く、根掛かり連発でした。
非常にやり難いです。
軽く投げて、着水、着底してさびくと、ほとんどガチッと硬い根掛かり。
海草はほとんど無く、なんだろ? カキ殻? 沈船? 係留ロープ?
さらに底にガザミやイシガニがうじゃうじゃ居て、エサを挟んで巣穴へ
持ち込むので、根掛かりが多くなるんだと思います。
1匹だけ可愛いアイナメ恭子ちゃんが釣れました。
ハリを外すときに出血したので持ち帰りました。
アイナメかあ・・・もう何年も釣ってなかったなあ。
角地におられた先客の磯釣り師が帰られたので、角へ移動。
夕刻になってきました。
奇麗な夕焼けでした。
なにか手応えのあるヤツが来てほしいのですけど、アタリがありません。
ハゼで有名な場所ですが、1匹も掛かりません。
PM4:30になると完全に暗くなりました。
ケミライトを見つめますが、何も動きません。
エサを変えるために巻き上げると・・・ちょっとだけ重たい・・・?
ゴミか?
・・・
・・・
エンピツより細いアナゴちゃんでした。
自分の顔より大きなハリに食いつくとは・・・。
たぶん、朝まで粘ってもダメでしょう。
PM6:45 終了しました。
相馬港も、閖上港も、とてもやり難い場所でした。