友達が「makiちゃん。あれ見て」というから振り向くと、2人のカップルが川岸に座って寄り添っていた。
それを彼女は複雑な感じの笑みを浮かべて「あんなことしてくれる人じゃないよね」と自分にいうようにしてその後横目で私を見た。
私もそうだねといわんばかりに苦笑いした。
「キャンプに行こうか・・・」というと嬉しそうにいろいろと話し出した。
彼女は「どこもつれていってもらってないの。一回だけイルミネーションを見ただけ。その時の写真を見たら涙が出そうだわ。」
彼女は自分だけでなく、娘にも大した思い出を作っていないことに罪悪感があるようだった。
私は出かけるだけが思い出じゃないと思う。だけど私が連れ出せることはしてあげたいと思った。
彼女が「makiちゃんは幸せだよ。」といった。
それもそうだ。とくに自分自身の選択の結果はなんとか切り返せているから。
「makiちゃんみたいに頑張りたい」と彼女はいう。だけど私には私の葛藤もあって今がある。
「私もどうしてあなたがあの川岸のカップルがうらやましかったのかわかる。
私は自分のことなんてどうでもよかった。子どものために一緒に生きていける人が欲しかった。
離婚して、父親を取り上げてしまった自分のことを今も許していないし、父親がいない気持ちをわかっていて息子に同じことをしてしまった自分が嫌で仕方がない。
あなたと違うとしたら私は恋をしたいと思っていない。
子どもに幸せな時間を作ってくれる人が欲しかったね。そういう意味ではほとんど1人だった。お願いすれば誰かがいたけどそれは心から頼れるパートナーじゃないね。
私は親という責任を同じように感じてくれる人が欲しかったのかも知れない。じゃないと私はいつも申し訳ない気持ちでお願いをすることになるから。」
彼女は「makiちゃんはいつもそんな風に思っていたの?たくさん人がいてもそうなの?」とビックリしているようにいった。
「そう、結局いつも人ごとのように言うひとだけじゃないの。私が背負っていることを理解している人はたぶん別れた前の旦那だけなのかもしれない。心に私のことは誰にもわからないという気持ちがいつもすんでいるの。大勢に囲まれていても私が信じられるのは私だけ」
彼女は「makiちゃん、幸せなの?」と言った。
「不幸せじゃない。ずいぶん恵まれている人生だよ。ラッキーなやつだと自分のことを思うよ。幸せかは応えられないけど、そういう孤独感はもう私の相棒になってしまっているからね。だからあなたのこともわかるんだよ。人の痛みや寂しさや悲しい気持ちがよくわかる。どうして欲しいのかもわかるんだよ」
深刻な顔の彼女は「私、ずっとmakiちゃんには友達でいて欲しいと思ってるんだよ」と言った。
変なやつだと笑えた。
彼女の手首にリストカットのあとがあった。
それを見つけて私が「そんなことがあったのか。」というと恥ずかしそうに笑ってごまかした。
「馬鹿なやつだ」というと彼女は「私ね、私のことわかっててどうにもならないとかも知っててそうやって言ってくれる友達が欲しかったよ。他の人がうらやましいと思ってたよ。だけどもううらやましいじゃないよ。makiちゃんのおかげですごく楽になった。」
「そうだったの?」というと「そうだよ。だからどうやったら私はmakiちゃんのことわかるの?どうしてmakiちゃんはわかるのに私にはわからないの?」
私は答えられなくて「まあ、いいが・・・」と言った。
わかってくれる人はいるだろうけど私が受け入れる気がないんだ。
それだけ何度も信じては突き放されてきた。だからもういいよと思っている自分がいて、そいつが「人を待っててなんになる。誰が助けてくれるんだ。自分を助けられるの自分しかいない。ほかにいないじゃないか」と言うんだ。
だから彼女がわからないんじゃない。私の気持ちの問題だ。
私は心から彼女の言葉を嬉しいと思っている。やっと「こいつは裏切らない」と少し思った。
それを彼女は複雑な感じの笑みを浮かべて「あんなことしてくれる人じゃないよね」と自分にいうようにしてその後横目で私を見た。
私もそうだねといわんばかりに苦笑いした。
「キャンプに行こうか・・・」というと嬉しそうにいろいろと話し出した。
彼女は「どこもつれていってもらってないの。一回だけイルミネーションを見ただけ。その時の写真を見たら涙が出そうだわ。」
彼女は自分だけでなく、娘にも大した思い出を作っていないことに罪悪感があるようだった。
私は出かけるだけが思い出じゃないと思う。だけど私が連れ出せることはしてあげたいと思った。
彼女が「makiちゃんは幸せだよ。」といった。
それもそうだ。とくに自分自身の選択の結果はなんとか切り返せているから。
「makiちゃんみたいに頑張りたい」と彼女はいう。だけど私には私の葛藤もあって今がある。
「私もどうしてあなたがあの川岸のカップルがうらやましかったのかわかる。
私は自分のことなんてどうでもよかった。子どものために一緒に生きていける人が欲しかった。
離婚して、父親を取り上げてしまった自分のことを今も許していないし、父親がいない気持ちをわかっていて息子に同じことをしてしまった自分が嫌で仕方がない。
あなたと違うとしたら私は恋をしたいと思っていない。
子どもに幸せな時間を作ってくれる人が欲しかったね。そういう意味ではほとんど1人だった。お願いすれば誰かがいたけどそれは心から頼れるパートナーじゃないね。
私は親という責任を同じように感じてくれる人が欲しかったのかも知れない。じゃないと私はいつも申し訳ない気持ちでお願いをすることになるから。」
彼女は「makiちゃんはいつもそんな風に思っていたの?たくさん人がいてもそうなの?」とビックリしているようにいった。
「そう、結局いつも人ごとのように言うひとだけじゃないの。私が背負っていることを理解している人はたぶん別れた前の旦那だけなのかもしれない。心に私のことは誰にもわからないという気持ちがいつもすんでいるの。大勢に囲まれていても私が信じられるのは私だけ」
彼女は「makiちゃん、幸せなの?」と言った。
「不幸せじゃない。ずいぶん恵まれている人生だよ。ラッキーなやつだと自分のことを思うよ。幸せかは応えられないけど、そういう孤独感はもう私の相棒になってしまっているからね。だからあなたのこともわかるんだよ。人の痛みや寂しさや悲しい気持ちがよくわかる。どうして欲しいのかもわかるんだよ」
深刻な顔の彼女は「私、ずっとmakiちゃんには友達でいて欲しいと思ってるんだよ」と言った。
変なやつだと笑えた。
彼女の手首にリストカットのあとがあった。
それを見つけて私が「そんなことがあったのか。」というと恥ずかしそうに笑ってごまかした。
「馬鹿なやつだ」というと彼女は「私ね、私のことわかっててどうにもならないとかも知っててそうやって言ってくれる友達が欲しかったよ。他の人がうらやましいと思ってたよ。だけどもううらやましいじゃないよ。makiちゃんのおかげですごく楽になった。」
「そうだったの?」というと「そうだよ。だからどうやったら私はmakiちゃんのことわかるの?どうしてmakiちゃんはわかるのに私にはわからないの?」
私は答えられなくて「まあ、いいが・・・」と言った。
わかってくれる人はいるだろうけど私が受け入れる気がないんだ。
それだけ何度も信じては突き放されてきた。だからもういいよと思っている自分がいて、そいつが「人を待っててなんになる。誰が助けてくれるんだ。自分を助けられるの自分しかいない。ほかにいないじゃないか」と言うんだ。
だから彼女がわからないんじゃない。私の気持ちの問題だ。
私は心から彼女の言葉を嬉しいと思っている。やっと「こいつは裏切らない」と少し思った。