大雪の空

46歳から始めて嵌ってしまった山歩きの記録と野球などの雑記帳。時々帰郷中の島暮らしの日常。

「山」と「岳」てどんな違いがあるんだろうか 

2010年11月18日 | 山技術
これはちと大そうな話になってしまうのでまずは軽く始めよう。

「山」「岳」が殆どだが他にもいろんな呼び方がある。
手近なところではあの檜洞丸の「丸」だ。
しかしすこぶる少数派なのでとりあえず置いておこう。

「山」よりも「岳」の方が大きな、奥深い感じがする。
しかし地元の「大山」よりもはるかに小さい山のくせに「鐘ケ岳」というのが
あるからそうとばかりは言えぬ。

さて客観的な材料として「百名山」「二百名山」「三百名山」でどうなっているか
調べてみよう。


             「山」      「岳」     「その他」

   「百名山」     54       42        4       

   「二百名山」    51       45        4

   「三百名山」    60       34        6


「三百名山」でやっと顕著な結果になったが上2つでは拮抗している。
なかなか一筋縄ではいかんなあ。

しかし基本的には次のような事なのではと思っている。

「山」は農民、漁民などの常民に何らかの関わりがあって馴染んでいるが
「岳」はそういう関わりが無く、むしろ遠い存在で(日常の外にある)時には
畏怖の念を持って見上げる山なんではなかろうか。

中部山岳地帯のアルプスを構成する高峰群は当然目にすることも困難な位に
奥深いのだから猟師の他は関心も無く、当然「岳」がほとんどだろう。
日常生活に何の関係も無い山など名前を付ける必要も無いんだから、下手を
すると明治になってから付けられた山名もあるかもしれない。
ウェストン以来、遊びで山に登る人間が増えてあわてて名前を付けたのかも。

東北の有名な山はほとんどが○○山というのが面白い。
「岩木山」「岩手山」「鳥海山」「早池峰山」「月山」などだが皆それぞれ農民達に
いろんな面で親しまれていたのだろう。
大切な稲作に絶対必要な「水」の供給源となっているのが大きなな理由だろうが。

北アルプスはそれこそ「岳」のオンパレードだが「立山」は信仰の対象だったので
「山」となっているんだろう。
しかし甲斐駒は「岳」なんだよなあ。
木曽の御嶽も「岳」だもんなあ。
うーん難しい。

北海道の山名なんてもうグチャグチャだもんなあ。

アイヌ語に「山」をつけた、「トムラウシ山」「カムイエクウチカウシ山」、
アイヌ語を漢字で書き「山」を付けた「利尻山」「後方羊蹄山」、
「岳」を付けた「幌尻岳」「羅臼岳」、明治になって名前をつけた(?)大雪の
「旭岳」「赤岳」「緑岳」など、もう何でも有り状態。

九州の場合は大きい山も「山」が多いんだが東北同様の理由からかな。
「九重山」「阿蘇山」「祖母山」「霧島山」など。

屋久島の場合は里からあまりに遠いので「宮之浦岳」「永田岳」など「岳」ばかりで
なんか唯一すっきりしている。
そういえば縦走路には何の宗教色も無かったなあ。
海の男達には山は信仰の対象じゃ無かったらしい。
しかし地図を見てみたら「石塚山」「高塚山」がある!

これくらいにしとこう。
すっきりと説明できないというのが本当のところかな。



コメント
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