夾竹桃は、18世紀に中国から日本へ伝わってきた、常緑低木(小高木)です。
本来は熱帯性ですが、いったん根付くと寒さに強く、東北の南部でも戸外で越冬できる庭木に育ちます。
夾竹桃は、公害に強いという性質があるので、千葉市、尼崎市、広島市、鹿児島市などの市町村の花に指定されています。
花や葉、枝、根や果実などのすべての部分に加え、周辺の土にも毒性があります。
青酸カリよりも強いオレアンドリンなどが毒の成分で、体内に入ると心臓発作や下痢、痙攣などを引き起こします。
歴史上でもアレキサンダー大王の軍隊で、夾竹桃の枝を串にして肉を焼いたために兵士が死んだと伝えられています。
夾竹桃の枝を箸や串の代わりに使って食事をするだけでも死に至るといわれています。
夾竹桃(キョウチクトウ)の歴史と名前の由来
夾竹桃(キョウチクトウ)は江戸時代の中期にインドから中国を通って日本へ渡ってきた常緑低木です。夾竹桃(キョウチクトウ)の名前の由来は葉が細長く竹の葉に似ていて、花が桃の花に似ている事から、夾という漢字の意味で混じるや挟まるという意味の一文字が加わり、竹と桃が混ざり合った様子を表し夾竹桃(キョウチクトウ)という名前が付けられました。
夾竹桃(キョウチクトウ)の開花時期
夾竹桃(キョウチクトウ)の開花の時期は夏の盛り蝉の声が聞こえる季節の7月〜9月。痩せた土壌でもよく育ち、日当たりが必要です。
夾竹桃(キョウチクトウ)の特徴
夾竹桃(キョウチクトウ)の花はよく見るとプラスチックに似た光沢があり、大きさは4cm程の筒状で先が5枚に裂けて少しねじれたプロペラのような花びらの形をしています。
夾竹桃(キョウチクトウ)の花の色は白、ピンク、赤、黄色があり、形は八重咲きと一重咲きがあります。葉の形は長細くボート型をしていて先が尖っています。葉の色は濃い緑色と斑が入ったものもあります。
夾竹桃(キョウチクトウ)の葉の裏側に小さくくぼんでいる所があり内側には毛が生えていてフィルターの役割をしています。これは、外から来る排気ガスなどの有害物質を防げる形になっています。その為、公害に強く街路樹や公園、高速道路、工場等の緑化に植えられる事が多い植物です。可憐で可愛い花ですが、その姿とは裏腹に強い毒を持っています。