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「ミサイルが落ちないのにJアラートを鳴らすな」が見落とす危機管理の3原則

2017年09月10日 06時27分26秒 | 日記

「ミサイルが落ちないのにJアラートを鳴らすな」が見落とす危機管理の3原則

「ミサイルが落ちないのにJアラートを鳴らすな」が見落とす危機管理の3原則

 

 

《本記事のポイント》

  •  ミサイルの着弾地が分かるのは燃料が燃え尽きてから
  •  着地点が分かってから避難するのでは間に合わない
  • 「空振りは許されるが見逃しは許されない」が危機管理の原則

 

近々、全国瞬時警報システム「Jアラート」がまた鳴る可能性がある。

 

北朝鮮は現在、いつでも大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射できる状態にあると、韓国当局は分析している。

 

9日の「建国記念日」前後や10月10日の「朝鮮労働党創建記念日」、あるいは、微妙にタイミングをずらして意表を突く形で、発射に踏み切る可能性が高い。それに対してアメリカが軍事行動を起こせば、北朝鮮が「反撃」としてミサイルを発射する局面があり得る。

 

 

「ミサイル落ちないのにJアラート鳴らすな」の盲点

そんな情勢下で、明日にでも鳴る可能性があるJアラートに対して、日本国内から苦情が出ている。

 

8月29日早朝、Jアラートが一部地域に鳴ったことについて、実業家の堀江貴文氏は公式ツイッターでこうつぶやいた。

 

「マジでこんなんで起こすなクソ。こんなんで一々出すシステムを入れるクソ政府」

 

テレビやネットでも、「ミサイルへの破壊措置命令が出ていないのに、なぜJアラートを鳴らしたのか。危機感を煽って、軍事増強をしたいのではないか」という趣旨の意見がちらほら出ている。

 

つまり、「日本にミサイルが落ちないのに、なぜJアラートを鳴らしたのか」と言いたいわけだ。

 

 

ミサイルの着弾地が分かるのは燃料が燃え尽きてから

しかし、そうした意見は、ある重要な事実を見逃している。

 

実は、ミサイルは発射されてから3~5分の間、「どちらの方向に飛んでいるか」は分かっても、「どこに落ちるのか」を予測することができない。正確な軌道計算を行い、「日本に落ちることが確実」と分かってから、Jアラートを鳴らしても、国民に十分な避難時間が残っていない可能性が高い。

 

どういうことか。

 

もし、飛んでくるのが野球ボールであれば、投げられた瞬間に、どこに落ちるかはだいたい分かる。ボールの角度やスピードから、どんな放物線を描いて落ちていくかを割り出すことができるためだ。

 

しかし、弾道ミサイルの場合、少し事情が異なる。ミサイルは、発射された3~5分の間、エンジンで加速する「ブースト段階」という過程がある。

 

もし、燃料が少ししか積まれておらず、2分間しか加速しなければ、ミサイルは近くに落ちる。燃料が多めに積まれ、加速が5分間続けば、より遠くに着弾する。

 

ミサイルの「ブースト段階」が終わってはじめて、ボールで言えば、「選手の手から離れた瞬間」となる。重力などを考えれば、正確な軌道計算ができるのはそれからだ。

 

そして、その段階で「これは日本に落ちる」ということがはっきり分かれば、迎撃ミサイルによる破壊措置が実行される。

 

 

「どこに落ちるか」分かってからではもう遅い

しかし、その段階では、ミサイルの「旅」は3分の1ほど終わっている。ミサイルの種類や飛距離にもよるが、その時点でJアラートを鳴らしても、国民の避難時間は1~2分しか残されていない場合もあるのだ。

 

ミサイルが落ちてくる可能性が50%だったとしても、その可能性があれば避難を促し、その分の避難時間を確保することは、危機管理上では合理的な判断だ。

 

 

2月に沖縄でJアラートが鳴った時の場合

例えば、北朝鮮が2月2日に「人工衛星」の打ち上げと称する、事実上のミサイル実験を行った。その時、沖縄県だけにJアラートが鳴らされた。

 

その時、ミサイルが発射された瞬間に米軍からもたらされた情報は「南の方向に発射された」ということくらいだった。その段階では、ミサイルの本数さえ分かっていない。それから2分後、防衛省がレーダーで捉えた情報で、ようやく「発射数が1発」であることが分かっている。

 

さらに1分が経っても、まだミサイルが沖縄県に飛来する可能性が残されていた。ミサイルが本当に沖縄に照準が合わされていた場合、落下するまでに残されていた時間は、7分前後だったと思われる。

 

政府はその時点で、沖縄県にJアラートを鳴らした。地下鉄などがない県民が身の安全を確保するには、7分でも足りないくらいだっただろう。

 

7分後、ミサイルが沖縄の上空を通過したことが確認され、破壊措置を実施しないことが確認された。

 

 

「空振りは許されるが見逃しは許されない」

アメリカでは、危機管理のトップに立つ者の行動原理として、「プロアクティブの原則」というものがあると言われている。その原則は以下の通りだ。

  • 「疑わしいときには行動せよ」
  • 「最悪事態を想定して行動せよ」
  • 「空振りは許されるが見逃しは許されない」

 

Jアラートが、「領土にミサイルが飛来すると確定した段階」ではなく、「領土にミサイルが飛来する可能性があると判断された場合」に鳴らされるのは、その原則にかなっている。

 

そして、もしJアラートが空振りとなり、国民が「こんなことで起こすな」と怒っても、「見逃し」よりははるかにマシなのだ。

 

 

Jアラートに止まらない「プロアクティブの原則」

「プロアクティブの原則」は、Jアラートのみならず、様々なレベルで言えるだろう。

 

例えば家族や個人においても、Jアラートが鳴った瞬間、「どうせ落ちないから、動かなくてもいい」と考えることは、その原則に反する。

 

自治体が、「ミサイル着弾に向けて避難訓練を実施するかどうか」を判断する場合でも、「わが県に、ミサイルが飛来する可能性は低い」といった議論をすることも、原則に反する。

 

また、より大きなレベルの判断で、「政府が核シェルターを設置するかどうか」「より防衛力を強化するかどうか」「アメリカの核の傘が無効になった場合に備えて、日本も核装備を検討すべきかどうか」といったことを考える段になっても、「そうした局面が来る可能性は極めて低い。なぜなら……」といった議論をすることは、原則に反している。

 

こうした「最悪の事態を想定する」という危機管理の原則を国民に浸透させることが、個人においても、国家においても、安全につながるはずだ。

(ザ・リバティWeb企画部)

 

【関連記事】

2017年4月11日付本欄 トランプが北朝鮮を攻撃する日、日本が覚悟すべき3つのこと

http://the-liberty.com/article.php?item_id=12841

 

2017年5月29日付本欄 北朝鮮核ミサイルへの避難想定 ほとんどの都道府県が「していない」

http://the-liberty.com/article.php?item_id=13073


世界自殺予防デー 幸福の科学の自殺防止サイトもリニューアル

2017年09月10日 06時21分48秒 | 日記

世界自殺予防デー 幸福の科学の自殺防止サイトもリニューアル

《本記事のポイント》

  • 「世界自殺予防デー」に向けて、全国で自殺予防運動が展開
  •  幸福の科学も「自殺者を減らそう!キャンペーン」HPをリニューアル
  •  自殺予防のためには、霊的視点を持つことが大切

 

9月10日の「世界自殺予防デー」に合わせて、全国一斉の電話相談が行われている。日本産業カウンセラー協会は、8日から無料で電話相談を受け付けており、人間関係や労働事情に関する相談が相次いで寄せられた。

 

自治体も、自殺予防に力を入れている。江戸川区は、公益財団法人「日本財団」、NPO法人「ライフリンク」らと協定を結び、三者連携によって自殺防止に取り組むという。秋田県の民間団体「秋田ふきのとう県民運動実行委員会」は、県や市の職員ら約80人で自殺予防を訴えた。

 

 

交通事故死亡者より多い自殺者数

日本の自殺者数は、1998年から2009年までの11年間、3万人を超え続け、03年には3万4437人を記録した。その数は、03年の交通事故死亡者数7768人の約4倍。03年を境に自殺者数は減っているものの、昨年は2万1897人であり、依然として多い。

 

警視庁が発表している統計によると、自殺者数の3割が「健康問題」、1割が「経済問題」を理由としている。問題の解決策が見当たらない、自分ではどうしようもないと思い、未来に希望が持てなくなった時に、自殺を選ぶケースが多いようだ。

 

 

必要なのは霊的真実を知ること

リニューアルした幸福の科学の自殺防止サイト。

幸福の科学は、2003年から「自殺を減らそう!キャンペーン」を全国で展開しており、9月1日、自殺防止を呼び掛けるウェブサイトをリニューアル。スマートフォン用にデザインを変更した。また、世界自殺予防デーを見据えて、9月には自殺をなくすための街頭キャンペーンにも力を入れている。

 

自殺者を減らすためには、自殺した後にどうなるかという霊的真実を知る必要がある。幸福の科学・大川隆法総裁は、自殺者の霊が死後どうなるかについて、著書『幸福へのヒント』でこう述べている。

 

「自殺者が天国に行くことはきわめてまれであって、地獄、もしくは地獄以前の段階にいることが多いのです。自殺者のなかには、自分が死んだことが分からずに、地上の人と同じように生活している人や、地縛霊となって、自分が死んだ場所に漂っている人が数多くいます。したがって、『自殺すると、ろくなことにならない』ということを、しっかり教えることが必要なのです」

 

自殺をしても、苦しみから逃れることはできない。自殺が頭の中によぎる人には、そうしたことについて考えてもらいたい。

 

人生とは一冊の問題集であり、一人ひとりが自らの問題を解いていくことが人生の目的である。苦しみや悲しみは心を磨くための材料として捉え、よりよく生きていく事が大事だ。

(HS政経塾 須藤有紀)

 

【関連サイト】

自殺防止サイト「あなたに贈る真理の言葉」

https://withyou-hs.net/

 

【関連書籍】

幸福の科学出版 『幸福へのヒント』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=141

 

【関連記事】

2017年8月号 【巻頭インタビュー】千眼美子(清水富美加)『働き方』より、働く理由。 ―女優だけど、女優じゃない

http://the-liberty.com/article.php?item_id=13172

 

2016年3月25日付本欄 改正自殺対策法が成立 自殺問題を真に解決する霊的人生観

http://the-liberty.com/article.php?item_id=11124