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ロシア文学の謎(2) 普遍的なテーマ、とことん深い心理描写……

2018年04月15日 06時29分21秒 | 日記

ロシア文学の謎(2) 普遍的なテーマ、とことん深い心理描写……

文学は、その国やその時代に有名になったとしても、後世に世界中で読まれるようになる作品となると、ほんの一握りにすぎない。しかし、ロシア文学の黄金時代には、今でも世界中で「一生に一度は読んでおきたい作品」と評される名作が多数生まれた。

 

中でもレフ・トルストイとフョードル・ドストエフスキーは、そうした名作を生んだ二大巨頭だ。なぜ同じ国の同じ時代に、世界的に見ても稀有なほどの文学の高みがあったのだろうか。3回にわたって、その謎に迫りたい。今回は第2回。

(HSU未来創造学部 髙橋志織)

 

 

「文学」というよりも「宗教」

前回は、トルストイとドストエフスキーの文学が、共産主義国家へと変貌する直前のロシアにおいて生み出され、その作品に織り込まれた宗教的なテーマは、人々の心を救ってきたことを述べた。

( https://the-liberty.com/article.php?item_id=14340 )

 

さらに詳しく二人の作品を見ていくと、これらが単なる「文学」ではなく、「宗教」そのものと言っても過言ではないものであることが見えてくる。

 


トランプのシリア再攻撃が北朝鮮に与える3つの圧力【トランプの深謀】

2018年04月15日 06時25分58秒 | 日記

トランプのシリア再攻撃が北朝鮮に与える3つの圧力【トランプの深謀】

トランプのシリア再攻撃が北朝鮮に与える3つの圧力【トランプの深謀】

 

 

《本記事のポイント》

  • 圧力(1)「ロシアが最後は助けない」
  • 圧力(2)「トランプ政権の機動力がギアアップした」
  • 圧力(3)「人道的介入」というオプション

 

トランプ米大統領は14日未明(日本時間)、シリアのアサド政権が首都近郊の東グータ地区で化学兵器を使用したとして、米軍に化学兵器関連施設などへの精密爆撃を指示した。米軍は英仏軍と共同で、昨年4月のシリア攻撃の2倍の兵器で、攻撃したという。

 

東アジアに視点を移すと、今回の攻撃は、6月初旬までに行われるとされる米朝会談を前に、北朝鮮に3つの圧力をかけたことになる。

 

 

圧力(1)「ロシアが最後は助けない」

一つは、「ロシアは、最後は助けてくれない」という現実を見せつけたことだ。

 

北朝鮮はアメリカをけん制する後ろ盾として、中国と同程度かそれ以上に、ロシアに期待を寄せている。北朝鮮の外相は10日にもロシアの外相と会談。両国首脳による会談の可能性もささやかれている。

 

このほど再選されたプーチン大統領も、3月1日に行った年次教書演説において「ロシアとその同盟国に対する核兵器使用には直ちに報復する」と警告した。さらに、アメリカのミサイル防衛網を突破できるとする、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を公表。その際に、新型ミサイル弾道がアメリカのフロリダに突入しているようにも見える映像を公開するなどして、波紋を広げていた。

 

北朝鮮にとって、さぞ「頼もしい庇護者」に見えたことだろう。

 

今回、トランプ氏がシリア攻撃を予告した際にも、「シリアを支援するロシアが報復し、より大きな紛争にエスカレートするのではないか」ということが盛んに議論された。

 

それに対してトランプ氏は、シリア攻撃命令後に行ったテレビ演説で、「無実の男性や女性、子供たちの大量虐殺に関わりたい国とは、一体どんな国か」と、釘を刺した。

 

そして14日夜時点で、ロシアに反撃の気配はない。直接的な軍事支援をしているシリアが攻撃されても動かないなら、まだ距離のある北朝鮮のために動く可能性は、限りなく低いだろう。

 

 

圧力(2)「トランプ政権の"機動力"がギアアップした」

さらに今回の攻撃は北朝鮮に、「トランプ政権の機動力がもう一段上がった」ことも見せつけた。

 

少し前までは、マクマスター大統領補佐官、ティラーソン国務長官、マティス国防長官の三役が、トランプ大統領の軍事的な強硬姿勢に歯止めをかけていた。昨年末にかけて、北朝鮮の度重なるミサイル実験に対してアメリカが動かなかったのも、三役の制止があったためと言われている。

 

しかしトランプ氏はこのほど、大統領補佐官を元国連大使のボルトン氏に、国務長官も元CIA長官のポンペオ氏に入れかえる決定をした。両者は、トランプ氏とより考えが近い。

 

残るマティス国防長官は、今回のシリア攻撃に対しても慎重姿勢を見せたことを、13日付米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じている。実際、攻撃に踏み切る前に2回ほど、動く機会があったが、マティス氏は攻撃を中止したという。

 

今回、それでもトランプ氏は、攻撃を決断した。

 

今後、トランプ政権は軍事行動を取るべきタイミング、取ることのできるタイミングを、逃さない――。今回の攻撃は、そんな政権の機動力のギアアップを世界に示すものだった。

 

 

「時間稼ぎの非核化交渉」をけん制

つまり今回の攻撃によって北朝鮮は、ロシアという「盾」が当てにならず、アメリカの「矛」がさらに鋭くなったことを、まざまざと実感せざるを得なかったと言える。

 

そうなると、これから展開されていく「非核化」をめぐる駆け引きにおいても、立場が弱くなる。

 

北朝鮮は「段階的な非核化」というものを主張している。これは、国際社会が「制裁解除」「経済支援」「体制の保障」などのカードを一枚ずつ切るごとに、北朝鮮も「核の放棄宣言」や「核の凍結」というカードを一つずつ切って応えるという方式だ。

 

しかし北朝鮮はかつてこの方法で、制裁解除や経済援助などの利益を引き出せるだけ出し、最後にちゃぶ台返しを繰り返してきた。そして、何事もなかったかのように、核開発を再開したのだ。今回も同じ手法で、時間稼ぎをしようとしている可能性は高い。

 

アメリカもその意図は見越している。国務長官就任を間近に控えたポンペオ氏は、12日に開かれた指名承認公聴会で、「(北朝鮮に)見返りを提供する前に恒久的かつ不可逆的な結果を得ることを確実にする」ことを主張している。つまり、核開発施設の破壊を見届け、立ち入り調査などで確認するまで、制裁解除も援助も行わないということだ。

 

始めから時間稼ぎを狙っている北朝鮮にとっては、呑みたくない条件だろう。しかし、交渉が決裂すれば、アメリカは今までになく躊躇せずに軍事行動に移る――。その可能性を、北朝鮮は今回のシリア攻撃で実感したはずだ。

 

そうすると、北朝鮮にとっての交渉の余地は、狭まってくる。

 

 

圧力(3)「人道的介入」というオプション

今回のシリア攻撃による、北朝鮮へのプレッシャーはもう一つある。

 

それは、昨年の攻撃と同じく、アメリカが国連安保理の承認もなく、「人道的介入」を行ったことだ。

 

トランプ氏は今回のテレビ演説において「いかなる国も、不正な国家や残忍な暴君、殺戮を行う独裁者を助長させることによって、長期的な成功を得ることはできません」「我々は、神が政権全体を尊厳と平和の未来に導かれることを祈ります」と語った。これが、北朝鮮も意識した言葉であることは、想像に難くない。

 

「人道」という面に関して言えば、北朝鮮における人権弾圧の激しさは、シリアに引けを取らない(関連記事参照)。

 

トランプ氏は米朝会談の際に、拉致問題についても提議する見通しだというが、アメリカの自衛のみならず、北朝鮮の体制の問題について、繰り返し言及してきた。「人権のために、我々は動く」というメッセージとも言える。

 

どのような経過を辿るにせよ、最終的に多くの人々の幸福につながることを祈りたい。

(ザ・リバティWeb企画部)

 

【関連記事】

2017年5月8日付本欄 北朝鮮、ミサイルよりも恐ろしい50の地獄 それでも「平和的解決」を訴えますか?

https://the-liberty.com/article.php?item_id=12971

 

2017年12月25日付本欄 「北朝鮮の国民は、民主化を望んでいる」脱北者インタビュー

https://the-liberty.com/article.php?item_id=13956

 

2017年12月9日付本欄 「北朝鮮と対話」は残酷な選択肢だ 2度脱北した"日本人"の壮絶な半生

https://the-liberty.com/article.php?item_id=13884

 

ロシア文学の謎(1) なぜ「一生に一度は読んでおきたい作品」が生まれたのか?

2018年04月15日 06時23分47秒 | 日記

ロシア文学の謎(1) なぜ「一生に一度は読んでおきたい作品」が生まれたのか?

ロシア文学の謎(1) なぜ「一生に一度は読んでおきたい作品」が生まれたのか?

 

 

文学は、その国やその時代に有名になったとしても、後世に世界中で読まれるようになる作品となると、ほんの一握りにすぎない。しかし、ロシア文学の黄金時代には、今でも世界中で「一生に一度は読んでおきたい作品」と評される名作が多数生まれた。

 

中でもレフ・トルストイとフョードル・ドストエフスキーは、そうした名作を生んだ二大巨頭だ。なぜ同じ国の同じ時代に、世界的に見ても稀有なほどの文学の高みがあったのだろうか。3回にわたって、その謎に迫りたい。

(HSU未来創造学部 髙橋志織)

 

 

大きな時代の変わり目を生きた二人

まずは、二人の生きた時代背景を追ってみよう。

 

二人が生きたのは19世紀のロシア。当時は帝政で、皇帝が権力を握っていたが、二人の死後、1917年3月の「二月革命」でその体制に終止符が打たれる。同年11月には「十月革命」が起こり、ロシアは世界初の共産主義国家になった。ソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)の建国である。

 

ロシア人の信仰の主流はロシア正教会で、現在のロシアではその信仰が復活してきているが、共産主義のソ連は宗教を否定する無神論国家。二人は、その直前の時代を生きていた。

 

 

宗教の教祖のような存在だったトルストイ

二人はどんな人物だったのか。

 

レフ・トルストイ(1828~1920年)は、名門貴族のトルストイ伯爵家の四男として生まれる。クリミア戦争での従軍などを経て、教育事業など貧困層の支援に尽力した。

 

トルストイはロシア正教のあり方に疑問を持ち、自らの手で聖書や宗教論を著し、「トルストイ主義」と呼ばれるようになった。また、作品を通してだけではなく、貧しい人々のための学校をつくったり、土地改革に乗り出したりするなど、具体的に弱者救済の運動も行っていた。

 

作品を通じて彼の信奉者が増え、世界各国からトルストイの自宅を訪れるようになる。また、彼の反戦主義を信奉するフランスの兵士が、兵役を拒否したことで処罰されるといった事件も起こるなど、影響力を増していく。

 

しかし、信奉者が増えたことが原因で家庭不和を起こし、家出するまでになってしまう。その道中に肺炎で倒れ、娘に看取られながら亡くなった。

 

代表作は『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』『復活』『イワンのばか』など。当時の文壇の人々からも一目置かれただけでなく、国境を越え、同時代に生きたインド独立の父、マハトマ・ガンジーも、トルストイを「私の生涯に深い印象を残したのみならず、私をとりこにした人」と表現している。

 

トルストイはまさに、宗教の教祖のような存在だったのだ。

 

 

革命家であり元祖・推理小説家であるドストエフスキー

フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(1821~1881年)は、モスクワの慈善病院に勤める医師の次男として生まれる。サンクトペテルブルク陸軍中央工兵学校に入学し、卒業後は工兵隊製図局に勤めるも、約1年で退職し、作家を目指した。

 

ところが、社会的空想主義のサークルに入ったことにより逮捕され、銃殺されそうになる。しかし運よく処刑の直前に皇帝の恩赦を受け、九死に一生を得てシベリアへと流刑になった。この出来事を通して、ドストエフスキーは聖書と向き合い、敬虔なキリスト教信者となった。

 

10年後に文壇に復帰し、創作活動を再開。数多くの大作を世に遺した。代表作は『罪と罰』『白痴(はくち)』『悪霊(あくりょう)』『カラマーゾフの兄弟』などだ。

 

『罪と罰』の中では、「神の法の前では天才(皇帝)も凡人も平等である」ということを描き、暗に皇帝至上主義を批判している。当時のロシアは検閲が非常に厳しかったが、個人的な文学作品であるということで、政府も検閲をすることができなかった。文学の持つ性質を生かして、検閲の厳しいロシアの中で、社会啓蒙を行っていた。

 

その後も、作品を高く評価され、保守派の週刊誌の編集長に任命されたのち、極左の雑誌にも執筆を申し込まれるなど、政治的にも各方面に大きな影響力を持っていた。さらには、推理小説の原点として、江戸川乱歩や島崎藤村も影響を受けているといわれている。

 

 

宗教禁止のソ連でも学校で教えられていた

トルストイもドストエフスキーも、その作品は極めて宗教的なテーマが多い。しかし意外なことに、二人の作品は、宗教が禁止となったソ連時代にも、学校で教えられていた。

 

ソ連時代にその支配下にあったブルガリアで学校教育を受けたある女性は、「二人の作品は、学校で道徳のような形で習いました。家には、本もあり、両親が読んでいましたよ」と語る。もちろん現在のロシアの学校でも教えられている。

 

文学として物語の中に織り込まれた宗教的な教えは、いくら共産党が抜き去ろうとしても抜き切れるものではない。神の救いが遠のく共産主義化の流れの中で、二人の作品は、人々の心を救い続けてきたのかもしれない。

 

 

文学の全体感をつかむのに最適の書籍

大川咲也加の文学のすすめ

大川咲也加の文学のすすめ

大川咲也加著

幸福の科学出版

こうした文学作品や、作者の人物像を的確に知ることができる書籍が発刊されている。『大川咲也加の文学のすすめ』(日本文学編、世界文学編全3巻/大川咲也加著)では、作品の概要を短時間でつかみながら作者の思想や歴史的位置づけなども知ることができる。

 

トルストイは「世界文学編・上巻」に、ドストエフスキーは「世界文学編・下巻」にそれぞれ取り上げられているので、合わせておすすめしたい。(第2回へ続く)

 

【関連記事】

2017年9月16日付本欄 プーチンもびっくり!? ドストエフスキーの霊言で明らかになった驚くべきロシア文学の世界史的意義

https://the-liberty.com/article.php?item_id=13505

 

Web限定記事 トルストイの霊言 日露は北方領土問題を解決し中国の暴走を止めよ

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