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フィリピン防衛に本格的に動き出したアメリカ

2019年03月30日 06時33分24秒 | 日記

フィリピン防衛に本格的に動き出したアメリカ

 

フィリピン防衛に本格的に動き出したアメリカ

 

 

《本記事のポイント》

  • ポンペオ国務長官が米比相互防衛条約の適用を宣言した
  • アメリカの覇権がかかっている南シナ海
  • 日本も南シナ海防衛の強化を

 

ポンペオ米国務長官は、中国の南シナ海への覇権拡張をけん制するために、南シナ海におけるフィリピン軍等への攻撃が米比相互防衛条約の対象になると明言し、以下のように述べた。

 

「島国としてフィリピンは、自由な海洋へのアクセスに依存している。南シナ海における中国の人工島建設と軍事活動は、米国だけでなく貴国の主権、安全、したがって経済的活動に脅威を与えている。南シナ海は太平洋の一部をなしているので、同海域におけるフィリピンの軍、航空機、公船に対する如何なる攻撃も、米比相互防衛条約第4条の相互防衛義務発動の引き金となる」

 

この発言は3月1日、訪問先のフィリピンでドゥテルテ大統領、ロクシン外相と会談、同外相との共同記者会見において行われたものだ。

 

2017年末に発表された国家安全保障戦略(NSS)、2018年の8月に成立した国防権限法でもフィリピンや台湾防衛の強化が謳われており、既定路線だったと言える。また昨年のマイク・ペンス副大統領の東アジア首脳会議(EAS)で、「中国による南シナ海の軍事化と領土拡張は違法で危険だ」との発言を一層具体化するものとなった。

 

なぜポンペオ氏はこうした発言をしたのか。

 

米比相互防衛条約第4条では、「各締約国が太平洋地域におけるいずれか一方の締約国に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の手続きに従って、共通の危険に対処するように行動することを宣言する」と規定している。

 

これまでは南シナ海が「太平洋地域」に入るのかどうかが不明であったため、「南シナ海は太平洋の一部である」と発言することで、その曖昧さを払拭したのである。

 

アメリカの政府高官がこうした発言をしたのは数十年ぶりだ。オバマ政権下では、同種の規定のある日米安保条約が尖閣に対して適用されるという宣言があった一方で、米比相互防衛条約の適用は注意深く避けられてきた。つまり中国が着々と南シナ海において、人工島を造り、軍事基地化していた時期にこのような発言はなかったため、フィリピンのアメリカに対する不信は募っていた。

 

弊誌の取材に応じたフィリピンの下院院内副総務で、ドゥテルテ大統領の外交アドバイザーであるハリー・ロケ氏も、「もし、アメリカが日本に与えたのと同じような確証を私達にも与えてくれるなら、フィリピンはアメリカに頼ることができ、ドゥテルテ大統領は、中国に対して独自の外交政策を進めようとは思わないでしょう。しかし、私たちはすでに、2つの島を失ったのです。その時アメリカは、我々を助けに来てくれませんでした。アメリカは、国際法のもとで解決されると考えており、領土問題で我々の味方をしてくれることはありませんでした」と、アメリカへの不信感を露わにしていた。

 

 

南シナ海は中国の「核心的利益」

一方、アメリカが4条の適用を宣言してこなかったのは、その適用を宣言すれば、アメリカが望まない戦争に巻き込まれる危険や、中国がアメリカの「レッドライン」を試す可能性が高まるからである。

 

それにもかかわらず、米比相互防衛条約の適用を宣言したのは、着々と進む南シナ海の中国の内海化の動きだ。

 

中国は、東シナ海、南シナ海を聖域化していく方針で、中国は2010年代半ばに南シナ海を「核心的利益」と呼び、戦争をも辞さないという姿勢を示している。

 

この方針は、1989年から1997年まで中国共産党中央軍事委員会副主席であり、人民解放軍海軍の司令官であった劉華清氏(1916~2011)によって出されたものだ。

 

劉氏は、中国の軍隊が陸軍中心に編成されていることに不満を持ち、近代的な海軍を保有するよう主張。中国は1992年に「領海法」を施行し、海洋での資源や戦略拠点といった海洋権益の確保が、中国の安全保障にとって死活的に重要だと規定した。

 

その中で中国は、東シナ海、南シナ海、南沙諸島を自国の領土だと一方的に宣言している。つまり第一列島線から南シナ海を中国の内海として支配することを決めたのである。

 

 

中国が南シナ海を内海化すれば「アメリカ本土に核を打ち込める」

中国はすでに西沙諸島や南沙諸島において岩礁等を埋め立てて人工島を造り、軍事基地化している。さらにフィリピンの隣に位置するスカボロー礁の埋め立てを完成すれば、戦略的トライアングルができ、南シナ海の内海化が完成する。

 

南シナ海は水深が深いため、ここに中国の原子力潜水艦が潜み、海南島の三亜海軍基地から南シナ海を通り、バシー海峡から太平洋に出ていくことができれば、アメリカ本土に核弾頭を打ち込むことができるようになる。

 

つまりアメリカに王手を打つことができるわけだ。それは、アメリカが世界の警察官から撤退することを意味し、日本がアメリカの核の傘を失う時でもある。

 

米比相互条約の適用について、「取引(deal)」が得意なトランプ大統領も、何のディールも持ち出していない。フィリピン防衛の表明は、アメリカは「覇権から降りない」という意志の表明そのものでもあるためだろう。

 

 

日本も南シナ海防衛の強化を

南シナ海は、日本に輸送される石油の9割がこの海域を通過するなど、日本にとっても生命線ともいえる海域だ。

 

この海域を護るために、日本は現在2つのことをしている。1つは、フィリピンやベトナムといった沿岸国に教育訓練を施したり、防衛装備を供与したりすることであり、もう1つは、南シナ海で潜水艦が訓練し港に寄港するなど、訓練と寄港で「中国の自由にさせない」というプレゼンスを示している。

 

だがハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)で安全保障学などを教える河田成治アソシエイト・プロフェッサーは「南シナ海に戦力を投じれば、東シナ海が手薄になるため、いずもを空母化したり、シーパワーを増やしていかないと、これ以上のことはできない」と述べている。

 

また大川隆法総裁は、ドイツでの講演「Love for the Future」において、「第三次世界大戦が南シナ海周辺で、2025年から2050年の間に起きる」と予言した。政治とは未来を変えるために現在ただいまに意思決定をすること。海軍力の増強には時間がかかるため、日本も海軍力の増強に本腰を入れるとともに、アメリカ、イギリス、フランスとともに海洋の自由を守ることが不可欠となってきている。

(長華子)

 

【関連経典】

幸福の科学出版 『Love for the Future』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=2113

 

【関連記事】

2019年2月号 トランプvs.習近平 2019年を「南シナ海」で読み解く

https://the-liberty.com/article.php?item_id=15223

 

2019年2月号 インタビュー - トランプvs.習近平 2019年を「南シナ海」で読み解く

https://the-liberty.com/article.php?item_id=15222

 

2018年12月28日本欄 南シナ海から始まる米中覇権争いの行方とは 【HSU河田成治氏インタビュー】(前半)

https://the-liberty.com/article.php?item_id=15262

 

2018年12月29日本欄 南シナ海から始まる米中覇権争いの行方とは【HSU河田成治氏インタビュー】(後半)

https://the-liberty.com/article.php?item_id=15265

 

2016年11月30日 ドゥテルテ大統領の相談役に直撃! ドゥテルテ外交の真意を聞いてみた

https://the-liberty.com/article.php?item_id=12276


大川総裁はなぜ「台湾は独立する必要がない」と語ったのか

2019年03月30日 06時30分01秒 | 日記

大川総裁はなぜ「台湾は独立する必要がない」と語ったのか

 

台湾の蔡英文総統が、中国による台湾侵略を防ごうと、アメリカとの関係強化に動いています。

 

太平洋3カ国を歴訪中の27日には、経由地の米ハワイから、首都のワシントンで開かれた米保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」の会合にビデオ中継で参加しました。

 

ここで蔡氏は、中国の習近平国家主席が「一国二制度」の形で中国と台湾の統一を求めていることについて、「中国の罠。いずれ一国になることは香港の事例が物語っている」と訴え、トランプ米政権による新型F16戦闘機などの早期提供を求めました。

 

侵略の危機にさらされている台湾を守るべく、大川隆法・幸福の科学総裁が3月3日、台湾の台北で「愛は憎しみを超えて」という講演を行い、約800人の聴衆が詰めかけたことは本欄でも報じました(文末の関連記事参照)。

 

このほど、この講演を収録した書籍『愛は憎しみを超えて』が発刊されました。この書籍には、中国の習氏にとっては絶対に言ってほしくない、台湾の蔡氏は言ってもらってとてもうれしい論点が目白押しです。

 

今回、本欄では、この講演の特に大事な論点を紹介し、思想的な面における「台湾防衛」について考えてみます。