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評論家・宮崎正弘氏が読む『トランポノミクス』 「実に面白い本だ」

2019年12月28日 06時33分13秒 | 日記

評論家・宮崎正弘氏が読む『トランポノミクス』 「実に面白い本だ」
2019.12.27(liverty web)

 

トランプ米大統領の共和党予備選から、アメリカ経済が復活するまでの秘話を描いた『トランポノミクス』(スティーブン・ムーア、アーサー・ラッファー 共著/藤井幹久 訳)が、このほど発刊された。中国情勢に精通する評論家の宮崎正弘氏が、同書について語った。
 
◆           ◆           ◆
 
評論家
宮崎 正弘
プロフィール
(みやざき・まさひろ)1946年、石川県生まれ。早稲田大学中退。中国ウォッチャーとして知られる評論家。「日本学生新聞」編集長、雑誌「浪曼」企画室長、貿易会社経営などを経て現職。著作に『チャイナチ(CHINAZI) 崩れゆく独裁国家 中国』(徳間書店)など多数。
4年前(2015年)の6月、不動産王のドナルド・トランプがニューヨークのトランプタワーに内外記者を集めて立候補宣言をしたとき、メディアのほとんどがピエロ、泡沫候補として扱った。ただし、当時、立候補を噂された共和党16人の候補者のなかで、トランプはTVでも顔を売っていたからダントツの有名人だった。
 
その記者会見でトランプは一冊の自著を配布した。『障害を背負ったアメリカ』という著作には、以後トランプが打ち上げる政策のすべてが網羅されていた。ところが真面目に通読したジャーナリストはいなかったらしく、内容は話題にもならなかった。日本でも当該書を取り上げたのは、実は評者(宮崎)だけだったような記憶がある。
 
2016年が明けて予備選の幕が切られようとしていたとき、本命視されていたのは保守本流のブッシュ(弟)とマルコ・ルビオ(フロリダ州の上院議員)、茶会系からはテッド・クルーズ(テキサス州の上院議員)、ウォール街が期待したのはケーシック知事だった。前回負けたミット・ロムニーの名前も欄外にあったが、誰一人トランプに目をやるジャーナリストはいなかった。
 
すなわち、アメリカの政治環境はエスタブリシュメントを基盤に、グローバリズムに酔っていた。アウトサイダーのトランプをまともな候補とは見ていなかったのだ。
 
『トランポノミクス』のラッファーらはこう振り返る。
 
「選挙運動のコンサルタント業者を通じて、政治評論家、選挙スタッフ、世論調査会社、広告会社などに大金を払うというやり方を、(トランプは)完全に覆してしまった」
 
だから「共和党の職業政治家たちは、トランプを嫌っていた。そして、現在でも嫌っているのだ」
 
共和党選挙関係者は、「自分たちの存在を脅かす危険な前例とならないように、徹底的にトランプを叩きつぶそうとして」(p.40)
 
トランプは選挙プロに頼らないで素朴な人々、底辺の人々に訴える。草深い牧場、農場、そして教会を重要視した。
 
奥深き雪国の奥地に、その村始まって以来の大集会が開催されていた。このアメリカの田舎の集会に注目したのは週刊誌『TIME』だった。
 
人口二万人足らずの村に、一万近い村人が雪を構わず集まりだした。雪と寒さに耐えながら、じっとトランプの到着を待っていたのだ。村、始まって以来の動員は自然発生だった。トランプ旋風のうねり、奇跡の驀進劇が始まろうとしていた。以後、中西部のエバンジュリカル(キリスト教の福音派)の集会は、二万、三万の人が集まり出した。トランプが来るというので、奥地の町や村が騒ぎ出した。
 
予備選がスタートするや、選挙プロ達の想定になかったことが起きた。意外にも、トランプが支持率トップに躍り出た。
 
「まさか、こんなバカなことが起こるなんて」
 
保守本流はブッシュ擁立をあきらめ、ルビオ議員に集中して支援した。ネオコンはクルーズだった。ウォール街はケーシック知事だった。
 
予備選で次々とトランプがリードしはじめると、初めて共和党が焦り、ネオコンや保守本流、ウォールストリートが、本命候補をそっちのけでトランプ批判を始めた。
 
共和党は党をあげて、トランプに冷淡だった。党は、とうとう最後までトランプに冷たく、予備選に勝利しても選挙に協力するどころか、トランプを落選させるよう、民主党のヒラリー・クリントンに投票しようという呼びかけが、それもブッシュ政権の幹部だった人々が50人の連名で声明として出された。
 
つまり共和党もいつしか、ディープステーツに乗っ取られていたのだ。民主党と通底しているからである。
 
共和党の分裂と大混乱の事態を喜んでいたのは、ヒラリー陣営だった。共和党が分裂し、悲惨な結末になるだろう。多くのジャーナリストらは、もちろん、ヒラリーが当確と予測していた。
 
評者は現地へ飛んで、選挙集会より街の表情と庶民レベルの反応を探った。例えば、ニューヨーク42丁目に有名なお土産屋がある。トランプ人形は飛ぶような売れ行きに対して、ヒラリーを土産にする人がいない。書店に入ると、トランプの著作はベストセラーだった。ヒラリー本は片隅にあるが、誰も買わないではないか。
 
さて本書である。
 
予備選直前からトランプ選対に集合し、経済政策のアドバイスをしていた三人の男たちがいた。自弁で飛行機代を支払い、ニューヨークのトランプタワーに集合し、予備選から本番にかけての経済政策の公約を煮詰めていた。トランプと何回も会合を重ね、大型減税や規制緩和、失業対策、オバマケアの廃止など、アメリカが復活に向かうシナリオが用意された。
 
それが本書の著者、スティーブン・ムーアとアーサー・B・ラッファー。もう一人がラリー・クドローだった。クドローは経済番組をもつ有名人で、トランプの指名により国家経済会議の委員長となったため、本書執筆の連名からは降りた。
 
ムーアはヘリテージ財団の特別客員フェローで、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの元編集委員。ラッファーはレーガン政権のブレーンとして活躍し、税率と歳入のグラフを描いた「ラッファーカーブ」で知られる経済学者である。
 
彼らがトランプとの懇談を重ねながらも、選対本部の実態をつぶさに見てきた。あまりに少ないスタッフ、素人の選挙軍団。ヒラリー陣営の二十分の一しか戦力がないのだ。テレビCMをうつ予算もなければ、大口の寄付は限られていた。目に見える劣勢にあった。
 
本書の魅力の一つは、このインサイドストーリーである。とくにカメレオンのように論調を変化させながらも、トランプに極度に冷たかったのが、投資家やエコノミストが愛読するウォール・ストリート・ジャーナルだったことに、私たちは印象深い感想を抱くだろう。著者らはそのことを指摘する。
 
選対では「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」などの力強くパンチの効いた標語などが決められていく。メディアは大統領選の本番が始まっても、ヒラリー優勢の報道に凝り固まっていて、例外はフォックスニュースだけだった。
 
ところが、この劣勢状況をトランプがSNSのツイッターを利用してメッセージを連続発信したため、トランプのメッセージがTVニュースや新聞の種になった。
 
トランプの集会は立錐(りっすい)の余地がない。一方で、ヒラリー集会は観客で会場が埋まらない。そのためテレビは小細工をして、全景を撮影せずにヒラリーだけをアップし、トランプ集会の熱気に満ちた会場風景は意図的に撮影せず、トランプの失言だけを報じる情報操作、印象操作に明け暮れた。
 
予備選たけなわのころ、評者もアメリカへ行って、日本の報道実態とリアルとの、あまりの違いにあ然となって、『トランプ熱狂、アメリカの反知性主義』(海竜社)を緊急で上梓した。当選後は、景気が回復するだろうと予想して、『トランプノミクス』(同)も書いた。
 
本書のタイトルは、拙著の「プ」と「ポ」の一字違いだ。トランプはゲームのカードだが、アメリカの語感には「切り札」という意味がある。当時のトランプ陣営のインサイドストーリーは、じつに面白い。
 
※メールマガジン「宮崎正弘の国際情勢解題」(2019年12月20日)より、著者了承のもと転載
 
【関連書籍】

『トランポノミクス』
スティーブン・ムーア、アーサー・B・ラッファー 共著
藤井幹久 訳 幸福の科学出版
 
【関連記事】
2020年2月号 次は「日本が再び偉大な国」になる番だ - Interview スティーブン・ムーア氏
https://the-liberty.com/article.php?item_id=16592
 
2019年9月30日付本欄 トランプ大統領の経済政策アドバイザーが語る 「消費税の導入で縮小し続ける日本経済」
https://the-liberty.com/article.php?item_id=16321

 


常軌を逸している宏洋氏の動画の「毒水」(1)──目撃したことがないのに「女性問題」を語る

2019年12月28日 06時27分24秒 | 日記

常軌を逸している宏洋氏の動画の「毒水」(1)──目撃したことがないのに「女性問題」を語る
2019.12.27(liverty web)

 

大川宏洋氏(以下、宏洋氏)のYouTube動画の内容が、ひどい。
 
たとえば、台風が上陸して雨が降る中、公園に登場した宏洋氏は奇声を上げながら水たまりに寝ころんでずぶ濡れになったり、苦境に陥っているステーキチェーン店を取り上げた動画タイトルに「倒産」という事実と異なる表現をしたり……。
 
挙句の果てに、自身がトイレで用を足している様子を実況するなど、常軌を逸したものが多くなっている。
 
 
事実に基づかない誹謗中傷を続ける
相変わらずなのは、幸福の科学に対する事実に基づかない誹謗中傷だ。その毒水が、多くの人々の信仰を傷つけている。
 
11月に入り、自身が監督・主演・脚本を務める映画のPRを始めているが、予告編に対するネット上の評価コメントは辛辣なものが多く、資金集めにも苦戦しているようだ。
 
そうした状況を客観的に見ると、本業における能力不足を受け入れられず、YouTubeで注目を集める手段として、教団批判を繰り返しているようにも見える。
 
 
「目撃したことはない」のに、女性問題があるかのように伝える
宏洋氏は動画で、何かにつけて幸福の科学や大川隆法総裁に対する誹謗中傷を行っているが、よく出てくる"ネタ"は「総裁には女性問題がある」という趣旨のものだ。
 
巫女の役割を果たしている女性秘書について、「程度のいいキャバクラみたいなもの」と揶揄し、「女を囲って、遊び暮らしている」などとまったく事実とは異なることを語っている。
 
だが、そもそも宏洋氏は7月、総裁の不倫や愛人に関する真偽について話すとした動画で、「僕はそういう現場を目撃したことはありません」と口にしていた。にもかかわらず、女性問題をにおわせるような口ぶりで、「問題がある」かのような印象を視聴者に与えている。
 
 
歴史、宗教の教養がないことを自ら告白している
しかし、古今東西を問わず、宗教には「巫女」という存在がいる。
 
古くは、ギリシャのデルフォイの神殿で、巫女が神降ろしを行っていた「デルフォイの神託」が有名だ。さかのぼれば、エジプトでは女性神官が高い地位を得て、神域を護っていたし、日本神道でも、霊を招き寄せてその言葉を伝える「口寄せ」などを行う時に、巫女が重要な役割を果たしてきた。
 
大川総裁は9月下旬に説法3000回を突破し、12月下旬には公開霊言1000回を突破している。総裁は自身の言葉で語る説法以外にも、昼夜を問わず、日常的に霊降ろしを行っており、霊が自ら訪れてさまざまな主張を語るケースも少なくない。
 
そうした際に、男性の秘書も含め、巫女が重要な役割を果たしている。
 
天上界と同通するための精妙な霊的磁場をつくるために、常に霊降ろしに適した環境を維持し、さまざまに変化する状況に合わせて、臨機応変に仕事を組み立て、準備し、精神統一を行う。宗教には、こうした聖務に奉仕する人々が必要なのである。
 
宏洋氏はこうした役割を持つ巫女を、まるで「愛人」であるかのように印象操作を行っている。だが、もしそれを前提にしたら、デルフォイ神殿や神社の巫女も、全て愛人ということになってしまう。つまり、宏洋氏は、歴史的な教養もなければ、宗教的な教養もないことを自ら告白している。
 
これまで宏洋氏は動画の中で、アダルトビデオや卑猥な玩具などについてたびたび言及しているが、何のことはない、「女性を囲って、遊び暮らし、不倫をし、愛人をつくりたい」という自分の願望を、他人への誹謗中傷にすり替えているだけだろう。
 
事実無根の誹謗中傷を繰り返す暇があるのなら、多くの人が協力してくれた自作の映画の成功に向けて、もっと本腰を入れて取り組むことをお勧めする。
 
【関連書籍】

『信仰者の責任について』
大川隆法著 幸福の科学出版
 
【関連記事】
2019年10月号 長女・咲也加氏の書籍発刊 同じ環境に身を置き感謝するか 不平不満を言うか - Opinion
https://the-liberty.com/article.php?item_id=16160
 
2019年8月26日付本欄 かつての教育担当者が語る「宏洋氏の嘘」 月刊「WiLL」10月号に掲載
https://the-liberty.com/article.php?item_id=16192
 
2019年8月2日付本欄 長女・咲也加氏が明かす「大川隆法」(1) 宏洋氏の「総裁像」とのギャップ
https://the-liberty.com/article.php?item_id=16103


中国企業の債務不履行額が過去最高を更新

2019年12月28日 06時25分11秒 | 日記

中国企業の債務不履行額が過去最高を更新 【これだけ知っトクNews(12月27日版)】
2019.12.27(liverty web)

 

「これさえ知っていれば、世の中の流れをつかめる」というニュースを、編集部がピックアップ。そもそモグラ博士が、ひと言コメントしてお送りします。新聞の代わりとして、ニュースチェックの習慣づくりに、ご活用ください。
 
(1) 中国企業の債務不履行額が過去最高を更新
(2) 大阪メトロ御堂筋線で「終電午前2時」の実験