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《本記事のポイント》
- 奴隷状態に置かれている子供たちを救うことが、自らの救済でもあるという真実
- 子供は神の子であるという宗教的信念の大切さ
- 撲滅に命を捧げる人々を動かしている"神のお告げ"
児童性愛者の"食い物"として売買の対象になっている子供たちを救うべく立ち上がった一人のアメリカ男性の感動の物語。「人間は等しく神の子である」という宗教的信念と、インスピレーションとして降りてくる"神のお告げ"に衝き動かされる人々の姿が胸を打つ。
昨年度の全米興行収入でトップテンに入るなど予想外の大ヒットで話題になる。主演のジム・カヴィーゼルが、エンドロールで伝える熱いメッセージが心に響く。
奴隷状態に置かれている子供たちを救うことが、自らの救済でもあるという真実
世界における児童買春・児童ポルノ、性的人身売買などの、強制的な商業的性的搾取の違法利益は、年間約1730億ドルと言われている(2024年の国際労働機関(ILO)による推計値)。この作品はそれらの犠牲となった少年少女を救い出すために、過酷なミッションに挑んだ実在の人物ティム・バラードの戦いをもとにした物語だ。
アメリカ国土安全保障省で性犯罪組織の摘発にあたっている捜査官ティム(ジム・カヴィーゼル)は、12年間で何百人もの小児性愛者を逮捕。しかし誘拐された子供のほとんどがアメリカの捜査権が及ばない他国にいる。メキシコとの国境を越えてアメリカ人に提供されたり、アメリカ人が現地に赴いて買っているのだ。そのためティムは、児童売買の世界的な拠点であるコロンビアに渡り、誘拐された子供たちの取り戻しと、犯罪組織の撲滅に乗り出していく。
児童同性愛者を逮捕する調査のために、子供たちが体を売る現場の映像を数多く見続けて、心が粉々になったというティムの証言が痛々しい。そして、アメリカの捜査の及ばない南米にまで乗り込み、子供たちそのものを救うことで、自らの砕け散った心をもう一度ひとつにするという、ティムの魂の癒しと回復の物語にもなっている。
大川隆法・幸福の科学総裁は、著書『メシアの法』で、「人々は光の線で結ばれ、お互いにつながっている存在であるのだ」と説いているが、まさに他人を救うことは自分を救うことである。この大切な真実を深く確信し、子供たちを救うことに魂の喜びを感じるティムたちの姿には心を揺さぶられる。
子供は神の子であるという宗教的信念の大切さ
映画の中では、「子供たちは神の子であり、売り物ではない」ことを示すモチーフが繰り返される。そしてこのことが犯罪組織と戦う人々の共通の信念であり、困難な仕事に立ち向かうメンバー一人ひとりを結びつける絆になっている。
児童性愛は、大変治りにくい依存症の一つであるとされているが、子供への暴力行為であり、犯罪だ。しかし、何度逮捕されても再犯する者が数多いという。また、日本も含め、世界のネット空間には児童ポルノが蔓延している。さらに南米では、犯罪組織の有力な資金源ともなっており、この撲滅は極めて難しいのが実情だ。そうした中で、人類に巣くう"がん細胞"のようなこの犯罪と果敢に戦う人々が、人間の本質が神の子であるという宗教的真理に衝き動かされているというのは大変興味深い。
人工知能(AI)を始めとして、科学的技術によって人間の持つ能力が大幅に置き換えられ、乗り越えられようとしている時代に、根源的な宗教的真理が基礎になければ、巨大な犯罪組織の闇とは戦うことができないという事実。これは、宗教を信じる人々へのとても大きな勇気と希望になるだろうし、改めて、信仰心を持つことの大切さが全世界的に強調されなければならないだろう。
撲滅に命を捧げる人々を動かしている"神のお告げ"
作品内では、ティムを始めとした捜査官や協力者たちが、"神からのお告げ"をインスピレーションとして受けることによって、人生の方向を変え、子供たちの救出に邁進していることが克明に描かれている。
大川総裁は、著書『奇跡の法』のなかで、「インスピレーションには他力的な要素がかなりある」とした上で、「その人に必要なときに、その人に分かるかたちで、霊的なアドバイスが下りている」としている。
そして「インスピレーションを受け取れるだけの器をつくる努力が必要」であり、「そうした努力を継続していくなかに、よいインスピレーションが下りてくるようになる」としている。
神は確かに実在し、地上にはびこる悪を決して許してはおられない。命がけの試練に何度も見舞われる犯罪組織との戦い。その中に、神の声を聞き、神の喜びを感じ取ることが、使命に生きる人たちの最大の喜びなのだろう。
闇の力と戦うためには、神を信じ、神の力を信じ、神の愛を信じることが何よりもまして大切だということを教えてくれる本作品は、現代に生きる私たちに、いつの時代も見失ってはならない一途な信仰心の大切さを示していると言えるだろう。