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トランプ米大統領は12日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、プーチン露大統領と1時間半近く電話会談し、ロシア―ウクライナ戦争の終結に向けて、米露の交渉団が「直ちに交渉を開始することで合意した」と明かしました。その後、ウクライナのゼレンスキー大統領とも電話会談しました。

 

《詳細》

トランプ氏はプーチン氏との電話会談後、ホワイトハウスの大統領執務室で記者団に対し、プーチン氏と近いうちにサウジアラビアで会談するだろうと語りました。また、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟することや、ロシアがクリミア半島を併合した2014年以前の領土をウクライナが完全に回復することは、「現実的ではない」と述べました。

 

トランプ氏はトゥルース・ソーシャルへの投稿で、「長時間でとても建設的な」プーチン氏との電話会談の中で、ウクライナや中東、エネルギー、人工知能(AI)、米ドルなど、さまざまな話題について議論したと指摘しました。

 

そして、「我々はロシアとウクライナの戦争で大勢の死者を出している状況を止めたい。プーチン大統領は、私が選挙活動のモットーとして強力に掲げてきた『コモンセンス(常識)』という言葉さえ使った。我々はそれを共に強く信じている。お互いの国を訪問することを含め、とても緊密に、連携していくことで合意した」と述べました。

 

トランプ氏によると、バンス副大統領とルビオ国務長官が14日にドイツで開催される「ミュンヘン安全保障会議」に出席し、ゼレンスキー氏と3者会談する予定です。ルビオ氏やラトクリフ中央情報局(CIA)長官、ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)、ウィットコフ中東担当特使らが米国側の交渉を主導することになっています。

 

米露電話会談に先立ち、ヘグセス米国防長官は、主権国家としてのウクライナをアメリカは支持するものの、最終的にNATOへの加盟を認める和平合意は現実的でないと指摘。「幻想的な目標を追い求めることは、戦争を長引かせ、さらなる苦痛を引き起こすだけだ」などと述べていました。

 

また、米露の交渉の結果、ロシアで拘束されていたアメリカ人男性が釈放され、11日にアメリカに帰国したとも報じられています。トランプ政権が発表した11日の声明では、「ロシア側からの誠意の表れ」だとし、「ウクライナでの戦争を終わらせるために、我々が正しい方向に進んでいることを示すものだ」と強調しています。

 

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