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20日に就任式を迎えたアメリカのドナルド・トランプ大統領が大統領令に次々と署名し、バイデン前大統領の方針をことごとく転換し始めました。

 

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就任式で、トランプ氏は「アメリカの黄金時代(Golden Age)が今始まる」と宣言し、アメリカ第一主義の推進を約束。2024年7月の暗殺未遂を振り返り、「私は当時、そして今もさらにそう思っていますが、私の命は理由があって救われたのだと感じました。私は、アメリカを再び偉大にするために神によって救われたのです」と語りました。

 

そしてトランプ氏は、大統領選について「恐ろしい裏切りと、これまでに起きた多くの裏切りを完全に覆し、国民に信仰、富、民主主義を取り戻し、確かに自由を取り戻すという使命」であったとして、「この瞬間から、アメリカの衰退は終わる」「2025年1月20日は解放記念日」であるとしました。

 

実際、就任直後にトランプ氏はバイデン政権下で進められてきた政策を修正する、数々の大統領令に署名しています。

 

目下の問題である「不法移民」問題に関しては、メキシコとの国境地帯に「国家非常事態」を宣言し、不法入国を即時かつ完全に停止すると宣言し、軍隊の部隊や隊員を派遣するなどとする大統領令に署名。就任演説では、今後、犯罪を犯した外国人を出身地に送還する手続きを開始すると発言しました。

 

エネルギー政策に関する大統領令では、電気自動車(EV)比率目標の撤回、大規模な風力発電所への連邦政府保有の土地のリース終了、新たな液化天然ガスプロジェクトの輸出許可申請の処理再開などに署名。2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指す「パリ協定」からの脱退手続きを進める大統領令を出し、化石燃料の生産・輸出を促す方向に舵を切ります。

 

さらに、性別に関しては「生物学的」に「男」か「女」の二つのみを認めるとし、内部的で主観的な「性自認」とは別のものであると定義しました。バイデン政権下では、パスポートの性別に「男」「女」以外に、自己申告で「X」が選択できるようになりましたが、今後は、生物学的な性に合わせて「男」か「女」と明記することとしています。

 

そして、イーロン・マスク氏をトップとする政府効率化省(DOGE)を発足させる大統領令に署名(マスク氏と共にトップに就任する予定だったラマスワミ氏は、オハイオ州知事選への出馬準備のため就任しないことが発表された)。それに加えて連邦職員に職場復帰を求める大統領令に署名したことは、「政府効率化」の第一弾と見られています。

 

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