ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

映画に出てくるバイクの話あれこれ(その2)

2012年12月22日 17時06分57秒 | バイク
先日、本ブログで「映画に出てくるバイクの話あれこれ」と称してバイクにまつわる映画をあげてみましたが、大事な映画を思い出しました。
今回はそれらを二つほどあげてみます。

その一つは「アラビアのロレンス」です。
この映画は、英国軍人であるT・E・ロレンスがオスマン帝国からの独立闘争をしているアラブ民を助けるというお話なんですが、アラブ独立闘争や当時の世界情勢について言及するのはここでの眼目ではありませんので省略します。

この映画には冒頭と最後の場面にバイクが登場します。
ロレンスがバイクのエンジンを始動させ英国の田舎道を走っている途中で対向してくる二台の自転車を避けようとして事故を起こす場面からこの映画は始まります。ロレンスの葬儀の教会の出口で記者の取材に応えた人物の話でアラビアでのロレンスの活躍が始まるわけです。
そして最後にロレンスがアラブを去る時、彼の乗ったロールス・ロイスを追い越すバイクが走り去る場面で映画は終わります。

  
このロレンスがエンジンを掛けようとしているオートバイは「オートバイのロールスロイス」とも呼ばれた「Brough Superior(ブラフ・シューペリア)」社のSS100というオートバイである。
高級かつ高性能なオートバイで、118.93マイルの世界最高速度記録を1924年に打ち立てている。
時速190キロを出せるオートバイが第二次大戦前に存在していたことは驚きである。
Brough Superiorをレストアした画像が表題のものです。美しいオートバイですね。

さて、ロレンスの乗ったロールスロイスをオートバイが追い抜いていく場面がつぎのもの。
   
映画ではこの場面の少し前、ロレンスがアラビアを去る決意を語るシーンがあります。

ここでロレンスは「砂漠などもう、二度と見たくない」と言います。(キャプチャーのタイミングが合わなくて字幕に文字の欠落がありますが、ご容赦を)
ロレンスはアラビアの地が自分を必要としなくなったのを自覚します。
ロレンスと彼の乗ったロールスロイスは追い越されたオートバイの後塵を浴びることになるのですが、これがロレンスと大英帝国のその後を象徴している気がします。

大英帝国に帰還したロレンスは、実生活において軍隊での地位は中佐まで昇進しました。その後、一度軍隊を除隊しますが、再度1923年から英国陸軍や空軍に勤務し1935年に除隊している。
除隊の2ヵ月後の1935年5月13日にオートバイ事故をおこし、その6日後に亡くなっている。46歳だったと言う。

実生活でロレンスがブラフ・シューペリアに乗っている画像がありました。


そして、映画はロレンスの事故と教会での葬儀の場面へと冒頭にまた還って行きます。この映画の監督はデヴィッド・リーンですが、なぜ、このような円環的な手法でロレンスを描いたのでしょうかね。気になりますね。

今回のブログで映画を二つほど挙げたいと記しました。もう一つは「ローマの休日」を取り上げてみるつもりでしたが、「アラビアのロレンス」だけで今回はご勘弁を。「ローマの休日」についてはいずれまたにします。

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