ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

アイソン彗星を見たい(準備偏 続き、ポルタ経緯台の小改造)

2013年11月10日 14時47分13秒 | 天体観測
前回は、カメラのアクセサリーシューにポーラメーターを装着して彗星を狙う方式を考えましたが、本日はそのポーラメーターを望遠鏡の架台そのものに取り付けてしまう目論見です。これにより搭載する望遠鏡を換えてもポーラメーターが使用できるようにするためです。

先日、こんな物を見つけてしまいました。


カメラのアクセサリーシューをどこにでも取り付けてしまおうというカメラ用品です。
もともとの使い道はストロボライトなどををカメラ三脚に取り付けたりする用品のようです。
アクセサリーシューの下にカメラネジ(ユニファイ1/4インチ)が切ってあるプレートがついているものです。
さっそくそれを入手して次のように追加工を施して、望遠鏡に取り付けをして見ました。

加工したといっても大した事はしておりません。
ポルタ経緯台のアリミゾの上部に2箇所のタップネジを切り、プレートを取り付けアクセサリーシューを装着しただけのものです。
   
上記左の画像にあるものがアリミゾに小改造を施した物です。右の画像はその下側です。

ステンレスの帯板(幅25mm、長さ100mmぐらい、厚さ2mm)が車庫の中に転がっておりました。
それには6.5x30mmぐらいの長孔が空いておりましたのでその孔にアクセサリーシューをネジ留めし、他端に2箇所の孔をあけて、アリミゾの水平部分にネジ留めしました。
これにより望遠鏡の光軸とポーラーメーターの水平軸が平行になります。

この小改造を施した経緯台に手持ちの望遠鏡を装着してみました。
   

ポーラーメーターの高度目盛を0度にしてポーラーメーターの水準器で水平になるように経緯台を操作し、望遠鏡を載せてみて、装着した望遠鏡の鏡筒に水平器をあてがいますとほぼ水平でした。
経緯台の操作にも支障がありません。

さっそく、ポーラメーターで北極星の方角を設定して夜になるのを待ちます。
ポーラメーターの高度角をを40度に設定、方位を北に設定して夜を待ちます。
望遠鏡の接眼レンズを覗いた時に北極星が真ん中に見えれば良いことになります。

昨夜は薄曇りで肉眼では北極星は見えませんでしたが、望遠鏡の視界の中に北極星が納まっていました。
ですが、視界の真ん中に北極星がありません。少しずれています。
これは、どうしたことでしょうか。ポーラーメーターと望遠鏡の光軸がかなりずれているのです。
当初、工作の精度がいいかげんだったのかしらと思いましたが、そうではありません。
ずれていて当然なのです。
磁北と天空の真北とは元々「磁気偏角」があるのを忘れていました。

何とかこの小改造は成功のようです。
アイソン彗星を見るためには、後は天候の良い条件が揃ってくれるのを待つだけです。

この記事を見て同じような改造を考える方がいらっしゃるかは知りませんが、注意点を述べておきます。
ポーラメータの精度は実はかなり微妙なところがあります。
それは以下の点です。
方位磁石の内部には液体が注入されていて磁針の動きがゆっくりになるようになっています。
中の液体の種類が何であるのかはわかりませんが、周囲の気温が低くなると液体の粘度が増してしまうようです。その為、磁針の動きがきわめて遅くなってしまうのです。一度設定した方位角でも、少しすると変っていることがあります。一度設定した方位角度は少しの時間をおいて再度、確認したほうが良いでしょう。
もう一点、工作に当たっての注意点。
磁石で方位を決めている以上、この器具の近くにはなるべく磁性体を近づけないようにしなくてはなりません。
アクセサリーシューを留めようと作業しているとき、スパナでネジを回そうとすると微妙に方位盤がひとりでに動こうとします。磁性体が近くにあるとその影響を受けやすいのです。
アクセサリーシューを留める帯板はアルミかステンレスを使用してください。鉄製のものでは正確な方位を示すことが出来なくなる事があるかも知れません。留めるネジもステンレスかアルミや真鍮を使用したほうは良いと思います。
ポルタ経緯台の部品の多くはアルミ合金のようですが内部に使われているギヤや軸などは鉄製である可能性があります。
そしてさらに具合の悪いことにポルタ経緯台には実は、磁石が埋め込まれている場所があります。
付属品の六角レンチを収納する所に磁石が埋め込まれ工具の紛失を防ぐためと思われますが、これは余計なお世話と言うべきでしょう。

ですからこの工作によるポーラメーターの信頼性は100パーセント完璧ではありません。
天体を観測するときには星座盤を使用するなどの他の方法と併用されると良いと思います。

蛇足ですが北極星を導入しようとする時、ポーラメーターの高度角は当該地の緯度に設定しなければなりません。当地、秋田市の緯度は北緯39度70分ですので、約40度に設定しました。

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