ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

ずうーっと忘れていた事。

2016年11月10日 16時06分10秒 | 歴史と風土
青森県立美術館で「澤田教一;故郷と戦場」展が行われていることを新聞紙上で知りました。

澤田教一氏は若くして銃弾に倒れた報道写真家です。生誕80年とのことで、氏が当時、インドシナ各地で撮った写真などの展示が行われていたのです。
この方の写真を、学生の時にリアルタイムで見たことを思い出しました。

いま手元に澤田氏が撮った写真集があります。
これです。

当時撮られたそれらの写真は、今でも色あせることなく私たちの目の前にありますが、それを見る人の記憶は、もはや遠くに行ってしまっている事に気づかされます。
切り取られた現実の一片は、確かにそれを見る人の目の前にあります。だが、いま見る人はそれを「歴史」として見てしまいます。
「現実」が時を経ることにより「歴史」になってしまう事を実感せざるを得ません。
その時、インドシナで起こっていた「現実」は今では「過去の歴史」のかなたになっているのです。

あれから50年も経っているのだから、そんなことはしょうがないだろうと言われるかも知れません。

いつだったか、アメリカのアーリントン国立墓地のひとつのお墓の前で泣き崩れている老婦人の画像を見たことが有ります。
ベトナム戦争で死亡した若き兵士の墓の前でのひとこまでした。
ベトナム戦争は50年前の歴史ですが、子供を亡くした母親にとっては、今もってそれは「現実」であることに気づかされます。

さて、「澤田教一;故郷と戦場 展」での戦場での写真の内容は、ぼくが持っているこの「泥まみれの死」で大方の予想は付きますが、「故郷」の方はどんな内容なのでしょうか。興味があります。

青森県立美術館での写真展の開期は12月11日までなので、何としてでも観に行きたいのですが、もはや雪の季節なので、数時間の自動車の運転は少しためらってしまうのもあります。







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