平城京の南西部に位置する西ノ京には 世界遺産にも登録されている二つの人気寺院が有りますが これが対照的なお寺なのです。
いずれも奈良を代表する 仏閣ではありますが 一方は静寂 他方は華麗と言えるかも?
まずは 静の寺である「唐招提寺」を訪れました。
朝廷の招請で唐から渡日された「鑑真和上」が創建された律宗の総本山で 境内の伽藍や仏像の殆どが国宝に指定されています。
どっしりとした構えの南大門から入場すると・・・
正面に見られるのが「金堂」で これは8世紀後半に建設された姿をそのまま残す「天平文化」の代表的な建造物なのです。
内部には本尊である盧舎那仏像や 薬師如来像 四天王像等が安置されていますが 何といっても「千手観音像」が圧巻です。
多くの千手観音は42本の手数が主流なのですが ここの観音様は953本もの手を持たれています。(元々は1000本あったようです)
勿論 堂内の仏像は全て国宝です。
金堂の裏手には「講堂」が控えており この建物は平城宮から移転されたそうですが 現存する平城宮唯一の建物とのことです。
他にも天平文化を感じさせる建物が多く見られます。 こちらは校倉造りの「経堂」で 東大寺正倉院より古い建物らしいです。
こ
「鐘楼」はこんな感じ!
二階建ての「鼓楼」も 中々の風格です。
このお寺の特徴としては 金や赤色の派手な色彩が無いことも相まって 境内は落ち着いた雰囲気です。
また 建物の周辺は木々に囲まれ 緑豊かな空間を形成しています。
また こんな美しい「苔庭」も 建物とのマッチングが素晴らしいですね。
他にも 面白い龍の飾り瓦や・・・
鄙びた感じの土塀も この寺に良く似あっています。
唐招提寺は 目立たずひっそりと佇む 奈良らしい寺院ではないでしょうか。
個人的には好きですね。 次回はすぐ近くにある対照的なお寺である「薬師寺」を紹介します。