・ゆうもう-しょうじん【勇猛精進】と言う言葉が仏教にはあります。
・勇敢さを以て煩悩に立ち向かう姿勢を表現した言葉です。
・静寂や平穏さのイメージがついてくる仏教ですが、本能や堕落、恐怖と相対するときは時として勇者であることが求められます。
・修行者が陥る邪道として、「忌避」と言う傾向があります。
・修行によって手に入れた一時的な平穏に執着するあまり、受け入れるべき感情から目を背ける現象です。
・逃げたり避けたりすること自体は、一般道徳や倫理の世界では特段咎められることはありません。むしろ体調を崩すくらいなら推奨されます。
・しかし、あくまでも「悟り」や「解脱」と言った精神的ステージを目指すハードコアな修行者ならば、種々の感情は「受容」と「観察」によって迎えられるべきであり、「忌避」とは決別する必要があります。
・その際、修行者を奮い立たせるのが勇猛精進に代表される勇者の姿勢です。時として僧侶とは勇猛果敢に敵と相対する気概が迫られます。
・どんな闇の中であろうとも、真言僧侶の心中には厳然と輝く満月輪が内在しています。