こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

人々のためにと力んだところで誰も幸せにすることなど出来ません。

2015年12月10日 | 仏教

お大師さまの言葉 4

 一言にしてこれをつくせば、ただ二利にのみあり。常楽の果を期するは自利なり。

苦空の因をすくうは利他なり。空しく常楽を願えども得ず。いたずらに抜苦(ばっく)を計れどもまた難し。

必ず当に福智(ふくち)兼ね修し、定慧(じょうえ)並べて行じて、

いましよく他の苦を救い、自らの楽を取るべし。

『御請来目録(ごしょうらいもくろく)』 弘法大師空海全集 巻2 p561

「仏の教えを一言で表せば、それはただ自利と利他の2つの利益にあります。
永遠の安楽を求めるのが自利。そして、生きる苦しみやその苦しみを産んでいる執着の迷いから救い出すのが利他です。自利だけを求めていてもなかなか得ることはできません。いたずらに利他をはかっても、容易なことではありません。必ず福徳と智徳を平行して修行し、禅定(瞑想)と智慧の体得を修行してこそ、はじめて他の人の苦を抜き、自分自身の安楽(悟り)を得ることが出来るのです。」

自分の利益になることや自分だけが気持ちよければ良いとか、

自分のことばかり考えていてもなかなか幸せになれるものではありません。

かといって、他人のために社会のために人類のためにと力んだり苦しんだりしたところで、

誰も幸せには出来ません。「自分のため」と「他人のため」が程よく相まってこそ、

みんなが幸せになることが出来るのです。

 

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共時性というモノなのでしょうか?不思議なご縁を感じることばかりです。

2015年12月10日 | 仏教


潮音院の表参道。三十三観音や十三仏の石仏がお参りする人々を迎えます。

しかし、高度経済成長とともに地方の隅々まで車社会となり、

今ではこの参道を通る人はほとんどいません。

地上に張り出した大きなシイの木の根は、徐々に巨大化し、

一部の石仏を押し倒すまでになりました。

こんな表参道の状況に、「参拝者が自然に歩いてくれるような参道にしたい。」

と、強く願う壇信徒の皆さんが集まって、今、改良工事が始まりました。

共時性というモノなのでしょうか?不思議なことに、このような思いが語られているころに、

参道下にある不耕作農地の持ち主の方が2名、農地の譲渡を申し出てくれました。

とても広い土地で、駐車場には最適の場所です。大型観光バスが何台も駐車できます。笑

有り難いことです。この土地を整備して駐車場となし、そこから参道を歩いてお寺にお参りする。

農振法や農地転用、分筆手続きなど、課題は山積みですが、

こんなありがたいご縁とも相まって、まずは参道を改良しましょうということで、

目下、土木工事の真っ最中です。

自然石で造られた石段をはがし取って移動。石仏と台座を移動。

その際には、台座の下の土を採取して保存。再設置の折には、

必ず台座の下にその土を流し込みます。

境内の別所から土を採取、搬入。今、必要な土砂量が搬入され、概ね全体像が見えてきました。

皆さんは、休日を返上しながらご奉仕して下さいます。有り難いことです。

最終目標の全容は、歩きやすい参道が整備され、大型駐車場が完成し、

山門が建つ!

おそらく、早くても3年くらいはかかります。でも、手作りの達成感は半端なモノでは無いと思います。

怪我や病気には気をつけて、楽しく取り組んで参りましょう。

雨の日以外は、必ず何らかの作業があります。手伝ってみようかと思われる方は、

どうぞ遠慮無くお願いします。いっぱい功徳を積みましょう!!

 

 

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今年最後の善行功徳を積むことが出来ました。ご奉仕作業「おみがき」です。

2015年12月08日 | 仏教

功徳を積んで、ポイントためときましょ。

今年最後のご奉仕作業でした。善行功徳を積んで、皆さんとても清々しいお顔。

まさしく仏さんのお顔です。積徳行は、即身成仏への近道かも知れません。

 
研磨剤ピカールを使って、ご本堂にある様々な仏具を磨きます。
1年に2回しかやらない作業なので、結構埃やさび付きもあったりで、
思った以上に力仕事のおみがきです。楽しくおしゃべりしながら、
大量の仏具を磨き上げて下さいました。


日頃は手の届かない境内の隅々をお掃除していただきました。
スッキリとした気持ちで年末の諸行事を迎えることが出来ます。



↑ 境内の環境整備作業も。
 男性の皆さんには、土砂崩れの恐れがある箇所に、野面積みの土木作業をやってもらいました。
 皆さん手慣れた作業です。かっこいいです。

↓ お位牌堂の清掃作業は、冷たい水を使ったとても辛いご奉仕作業です。
 キレイにピカピカにしてもらいました。ご先祖さまはさぞかしお喜びでしょう。

お台所の皆さんが手がけるお料理は、いつもおいしいです。
たくさんのご奉仕者が参加される理由は、お接待料理のおいしさにあるのかも知れません。

程よい疲れを癒やすのは、おいしいお接待の昼食です。
いつものお昼ご飯よりも、たくさん食べてしまいます。
おいしゅうございました。合掌

みなさん、お疲れ様でした。
年末最後の行事や大晦日、さらにはきたる新年の行事も
これで気持ちよく迎えることが出来ます。

有り難うございました。合掌

 

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アドバイスはタイミング。・・・お大師さまの言葉 2

2015年12月06日 | 仏教

 

お大師さまの言葉 2

聖人(せいじん)の薬を投ぐること、機の深浅に従い、

賢者の説黙は時を待ち人を待つ。


『般若心経秘鍵(はんにゃしんぎょうひけん)』 弘法大師空海全集 巻2 p353

 

よきリーダーは、その人の能力や力量に合わせたアドバイスができ、

そのアドバイスはとても適切なタイミングで施されます。

リーダーは、人の性格や行動を見極め、人の思いをよく感知できる豊かな経験を持った人だからです。

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お大師さまの言葉 1.

2015年12月05日 | 仏教

お大師さまの言葉 1.

冬の氷、春に遇えばすなわちそそぎ流れ、金石も火を得ればすなわち消溶する。

『三昧耶戒序(さんまやかいじょ)』 弘法大師空海全集 巻4 p279

 

寒い冬に固く凍った氷も、春が来ればやがて溶けていき、川へと流れ出ます。

どんな硬い金石でも、火で熱すればやがて溶け出し、そして消え失せます。

今良いことも悪いことも、いつまでも永遠に続くということは、決してありません。

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