少し前から聞くようにはなっているが、自分話をするときの間をつなぐときに「なんだろう?」という言葉をはさんで、実際にちょっと考えて次の話をつなぐ人を見かける。最初はテレビの人だったけど、一般にも結構いる。若い人が多いけど、ちょっとそうでもない人も居るようだし、女性の方が多いようだけど、男性にも一定数いる。最初の違和感はだいぶ消えたが、少しだけやっぱり一緒になって、なんだろうという不安のようなものを抱くことがある。しかし、間が良くないということでなく、「なんだろう?」と考えているふうで、実はもともと準備されているふうの考えを述べられているような感じがなんとなくする。「えーと」じゃなくて「なんだろう」が何故いけないのか。僕の狭量さの所為ではあるんだけど、ちょっと不思議なのである。
それというのも、相手の考えだから知らないことだけど、なんだろう、どうしてだろう、と自らに問うているようでいながら、一見自信のなさそうな言動そうに見えながら、あんがいそのあとの言葉が、自信満々だったりすることが多いように思うのだ。もちろん自分の意見がしっかりしているのはぜんぜんかまわない。一件そういうそぶりをしながら、実は自分の意見をちゃんと通しますよ、というような、予告の言葉のような感じがするせいではないかと思うのだ。内容としては有無を言わせないものを言おうとしているのに、自分の中の迷いのような、そういう言い訳じみた、いわゆる謙遜めいた物言いの変形なのではあるまいか。
しかしながら、これを普段から好感を持っている人なんかが言うわけだ。最初はちょっと悲しい感じだったけど、無理に慣れることにした。言い回しや癖なんかどうでもいいじゃないか。やはりでも定着したんなら、いまさらいいじゃないか。そういう葛藤を経て、現在に至っているのです。