相棒‐劇場版‐首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断/橋本一監督
テレビシリーズの映画版シリーズらしい。テレビのものは観たことが無いが、なんとなく雰囲気で知らないでは無い。水谷豊のややわざとらしい演技(前からそうだと言われればそうだったけれど)と名探偵コナンのような謎解きが売りのようだ。相棒というからに相棒がいるようだけど、そんなに重要ではないような気もする。いや、観ている人にはそうでもないのだろうか?
以前に外国の日本領事館で多くの人が毒殺されるという事件が起こる。そこで少女が一人だけ生き残るが、失踪してしまう(誘拐されたらしい)。その後ある組織が日本のスポーツ大会の凱旋パレードの中でテロの予告があるのだったが…。
話の筋を追うのがめんどくさいくらいにいろいろ伏線が張ってある。それを水谷が見事な推理で解き明かしていく。だから最後はやや説明的なものが多いのだが、雰囲気としては悪くないし、なるほど物語はそのようなものだったのだというカタルシスはあるようだ。いろいろと暗い過去があって、人間はいつまでもそういうものを引きずって生きて行くより無いのだろう。
劇中さまざまなどんでん返しがあって、生き残った謎の少女の活劇なんかも見どころかもしれない。そういうアクション系は若手に任せて、理論の部分はホームズがやるんだという映画なのだろう。警察の中にこんな人がいたら、ずいぶん犯罪解決は楽であろう。
僕のように特にテレビシリーズを知らなくても楽しめるのだが、恐らくテレビを知っている人の方が面白いのかもしれない。そういう濃いキャラクターがたくさんいるようで、そういう演技合戦を楽しむ映画なのだろう。わざとらしいのも、そういう個性の表れだろう。分かりやすいが、やはりテレビ的だなとは思った。最初はまあまあ面白そうだと思っていたが、もう僕は観なくてもいいかもしれない。