所用あり病院に行ったら、右手を怪我して不便極まりないと嘆く人がいた。字を書くにしても食事をとるにしても難事なのだという。そういえば自分にはそのような経験は無かった。右手も左手もそれぞれ怪我などで使えないときがあったが、両方で字は書けるし箸も使えるからである。
要するに左利きで、右利きに矯正された最後の世代ということになるだろうか。もちろん家庭環境やらその地方の文化などによるだろうが。
そういえば学校でも世の中全般でも左利きへの配慮はなかったように思う。
最近のテレビ番組やCMで左利きの人がたくさん出てきて同類の多さに謎に勇気をもらう一方で矯正されたりした過去を思い出して少しざわざわした感情をいだくのだ。
それにしても左手では字は書きにくいとは思う。特に横書き。鉛筆だと手が汚れるし。
フォークとナイフは持ち替えたりしないが右利きは持ち替えるのか否かあまり観察したことがない。
自分がある種のマイノリティで何やら不快な目にあったことをツラツラ語ろうかと思ったのだが、昔のことすぎておぼえていなかった。しかし何かしらの幼少期の恨みがあったはずなのだが、それがさっぱり分からないのも何やらスッキリしない。まあそんなことを考えていくうちにこの世とおさらばしていくのだろう。