あの日を思い返す３

こんばんは。
秋田県横手市十文字町の地産地消デリカテッセン「紅玉」の「何にも専務」です。

東日本大震災のときのことで思い出すエピソードのひとつは「ふつきぱん」の避難でした。

名取市で暮らしていた「ふつきぱん」一家は、震災後から全く連絡が取れず、安否が確認出来ませんでした。
高台に住んでいたので大丈夫だろうとは思っていたのですが、電話網が激しく傷んでいる状況では連絡の取り様もありません。

ところがある日、突然連絡が入り、これから秋田へ脱出したいのだけれども、と相談されました。
もちろんいいよ！と即答しましたが、肝心のガソリンが心配です。

秋田も含めて東北全体がガソリン不足で、どのサービスステーションも長い行列で何時間も待たなくては給油出来なかった日々が続いていました。

取りあえず山形県新庄市で待ち合わせて、そこから私の車でエスコートしながら、途中でガス欠になってしまったら私の車に乗り換えるというかまえで、秋田へ来る事に。
幸いにして、私の自宅まで何とか来る事が出来ました。

数日、ゆっくりと過ごして、少し落ち着いたあたりから、我が社のオーブンを使ってパンを焼く事にしました。
自宅から大切にもってきた自家製酵母を使ってパンを作ることにしたのですが、何と小麦粉が卸業者にも無い…

ここで手を差し伸べてくれたのは同じ地域の別の飲食店。
取引先から小麦粉を入手してくれました。

また、一緒に避難してきたふつきぱんの子供も、地元の幼稚園に通う事が出来、少しづつ地域の暮らしにも馴染んできました。
何より、お客様たちが「パンを食べたい」ということでいらっしゃって下さり、大いに喜んで頂いたのはふつきぱんはもちろんのこと、私たち紅玉にとっても、厳しいときにあって大きな励みになりました。

そのときのお客様は今もふつきぱんを好きでいてくれる方がいて、ふつきぱんの入荷日を心待ちにしております。

やがてガソリンも比較的楽に入手できるようになり、ふつきぱんは更に北の大潟村へと移動していきました。

ふつきぱんと共に過ごした日々は厳しくも楽しい日々でした。
その間を支えてくださった、お客様、取引先様、そして地域の皆様、本当に有難く思っております。


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２・３月の月・木曜日は５時閉店（ラストオーダー３時）です。

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りんごの焼菓子の季節です！

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