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気象状況や社会の変化でいつも雪国が雪に強いとは限らない

2025-03-09 00:00:00 | 防衛
昨年年末から今年の冬、本当に異常な気象が続いていますね。

もうすぐ春だから、と言われるかも知れませんが、次の冬に備えて、社会全体が考え直さなければならない時期に来ているでしょう。


例えば、3月5日に乗りものニュースがmsnにて、「「雪国の鉄道は雪に強い」「都心の鉄道は大混乱」本当にそうか? 変わりつつある“常識”」の題で「山田和昭(日本鉄道マーケティング代表、元若桜鉄道社長) の意見」にて、次のように厳しい指摘をしています。

『(前略)

昔、雪国では鉄道は強いと言われていました。雪で国道が閉鎖されていても鉄道は走っているということもよくあったのです。しかし、鉄道には弱点があります。それが「分岐器」「踏切」「駅構内」です。


中略)

分岐器に雪が詰まると不転換、つまり進路の切り替えができなくなります。特に線路の雪をラッセルなどで押し分けると分岐器に雪が詰まり、人手で取り除かなければならなくなります。分岐器の5m手前から線路内の雪を枕木が見えるまで取り除けば防げるのですが、これを人手で行うのも相当な労力です。

(中略)

豪雪地帯では線路内に水を流して融雪する設備もありますが、水利権の確保など簡単ではありません。分岐器の前後に雪が積もらないスノーシェッドを設けるのも規模が大きいので相当な投資となります。

 踏切も厄介で、道路除雪車は踏切の除雪を行わないので、踏み固められた雪がデコボコの堅い氷板となります。これを人力で、スコップやツルハシで氷を割って取り除くのですが、なかなか重労働です。かといってロードヒーティングは電気代がかかりますし、水を流すには水利権が必要です。

 そして、駅構内も旅客が歩く部分は除雪が必要です。階段や通路など除雪車が入れないですから、これも始発列車が走る前に人手で行うことになります。線路の雪は排雪モーターカー等で除雪できたとしても、鉄道を動かすには多くの人手が必要なのです。


(中略)

近年は人手不足で、除雪を依頼していた建設会社やシルバー人材センターなども人員の確保がしづらくなってきました。このため、慣れない事務職員まで駆り出して除雪に当たることもありますが、なかなか追いつかなくなってきている中で平常以上に雪が降ると、もうお手上げとなってしまう状況が増えています。

 筆者が十日町を訪ねた時も、JR上越線の水上―長岡間は「大雪のため運転見合わせ」となりました。翌日は除雪をしても雪壁が残り、ほくほく線の車両はミラーが雪壁に当たるため六日町―越後湯沢間への乗り入れは中止。さらにその翌日の上越線は除雪のため昼間、越後湯沢―六日町間が運休となっていました。同じころ、山形の奥羽本線についても除雪が追い付かないことが話題になっていました。


(中略)

雪に強いのは「理由がある」
 一方、ほくほく線の六日町―犀潟間は通常運転をしていました。これは長大トンネルが多いこと、踏切がほぼ無いこと、雪が溜まらない高架橋、融雪設備を備えた駅、分岐器に落ちた雪を温水で飛ばす装置など数々の対策を打っていることもあります。

 古い鉄道路線の設備改良は列車の走らない間しか工事ができないのでコストと時間がかかりますが、ほくほく線のように比較的新しい路線で、建設時に雪対策が組み込まれていると有利なのです。とはいえ、ほくほく線も全線約60kmのうち18kmは除雪が必要な区間があり排雪モーターカーでの除雪が行われています。

 山形新幹線(奥羽本線)の福島-米沢間も豪雪地帯で古い路線ですが、こちらは分岐器にスノーシェッドが設けられ、除雪にも相当な労力を投入しています。雪が降っても何事もなく列車が走る影には、こうした投資や労力がかかっているのです。

 他方、近年では道路除雪が充実し、道路は開通しているが鉄道は不通という、かつてからすれば逆転現象も各地で見られるようになりました。


都市部の鉄道はやっぱり「雪に弱い」 社会が変わるしかない?
 さて、都心の鉄道はどうでしょうか。雪装備としては、分岐器の凍結防止ヒーターやカンテラ、ブレーキ制輪子を常時車輪に当てて制輪子と車輪の間に氷雪が詰まらないようにする耐雪ブレーキなどが見られます。

(中略)

過疎高齢化の人手不足に直面する地域鉄道、巨額投資と異常気象に向き合う都心の鉄道、それぞれの苦労があります。除雪が追いつかず混乱するのは短期間なので、計画運休で混乱を避けようという動きも始まりました。

 ただ、雪の季節は大学入学共通テストや成人式、高校の期末考査、卒業式などとも重なります。最も苦しい時期に全国一斉に重要な行事が行われているので、社会全般からの見直しも必要になるかもしれません。
(以下略)』

以前、筆者は山形に戻る途中、当時走っていた夜行列車に乗って上野駅から一晩移動した際、仙山線と奥羽本線との合流地点にて、分岐器が凍結していたため、数十分間、一時運行停止の憂き目に遭った事があります。

また、山形新幹線が大雪のため運休、急遽予約チケットを払い戻しして、高速バスで仙台駅に移動し、東北新幹線で東京駅に移動、という事もありました。


鉄道関係に限りませんが、様々な分野での保守点検作業のご苦労は相当なものです。
うまく機能や運行等をしている時は評価されず、事故や故障等が起きたら叩かれる。
こうした風潮を変える為にも、社会全体が変わらねばならないでしょう!!


気象状況や社会の変化でいつも雪国が雪に強いとは限らない


除雪車のイラスト
出典:いらすとや フリー素材



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