師走のお忙しい中、皆様お疲れ様です!!
さて、読者の皆様は、「馴れ合い」「もたれ合い」の言葉に、どのようなイメージを持たれますか?
やはり、あまり良いイメージは持たないでしょうね。
当然ですよね!!
下手に馴れ合いやもたれ合いをすると、今、世間を騒がせている日大の前理事長の脱税や背任事件のようにリベート等の授受のような腐敗や堕落の構図が出来てしまいますから。
しかし、翻って観れば、我が日本の外交や安全保障も、戦後、対中関係と対米関係の「馴れ合い」「もたれ合い」関係になってしまっていたのではないでしょうか。
12月5日にニッポン放送ONLINEが「面子さえ守られれば妥協しても構わない中国 ~人権外交の「仕掛け」として突くべきポイント」の題で次のように問題提起しました。
『ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月3日放送)に外交評論家・内閣官房参与の宮家邦彦が出演。人権外交について解説した。
人権外交
外務省は、新疆ウイグル自治区や香港などでの国際的な人権問題に積極的に対応するため、専任の担当官を新たに設ける方針を固めた。アメリカのバイデン大統領も12月9日から「民主主義サミット」を初開催するなど、人権問題に力を入れている。
飯田)宮家邦彦さんは隔週の木曜日、産経新聞のオピニオン欄に「宮家邦彦のWorld Watch」というコラムをお書きになっています。そのなかで人権外交を考える演習をされています。
政策シミュレーション
宮家)「政策シミュレーション」というものですが、もう36回やっています。今回は慶応義塾大学の神保謙教授が仕切ってやりました。架空の国際情勢を設定して、アメリカチーム、日本チーム、中国チーム、オーストラリアチーム、ASEANでウイグルの問題を考えるという試みをしました。
飯田)架空で。
宮家)架空です。「どういう政策があり得るか」を研究することに意味があるのですが、シミュレーションの結果がどうあれ、実際にそういうことが起こるというわけではありません。しかし、たまたま今回の結果は、ウイグルをめぐってアメリカの態度が硬化し、アメリカが国内法をつくって関係国を巻き込み、「制裁だ」という方向になって来た。
米中の板挟みになり厳しくなる日本
宮家)それに中国が強く反発して巻き返しを図ると。そのなかで日本は米中の板挟みになってしまう。あくまでも中国チームは徹底的に日米間に楔を打とうとする。日本のビジネス、経済界に圧力を掛けるわけです。日本は苦しくなって、「人権や自由民主、法の支配が大事だ」と言っていても、なかなか思うようにはいかなくなってしまう傾向がある。
人権外交は「仕掛け」 ~日本なりのやり方で人権外交をするべき
宮家)人権外交が難しいのはそこなのです。それからもう1つ、人権外交で言えることは、それに1つの確固とした基準があって、「それに合わないものは全部アウトだ」というわけではなく、相手を見て使い分けていることです。ですから人権外交自体が目的ではなくて、人権外交は外交の目的を達成するための1つの手段である。ある意味では「仕掛け」なのです。
飯田)仕掛け。
宮家)そこはうまく使い分けなければならない。どの国も人権問題を抱えていないわけではありません。アメリカにだってもちろん問題はあるのです。その使い分けが難しいので、日本がこれから本格的に人権外交をやって行くのはいいのですが、いろいろと積み重ねて、自分たちなりのやり方をつくらなければなりません。あとで整合性を問われることにもなりかねませんから。担当官を付けて、総理補佐官もいるわけですから、ようやく日本も人権外交について、国際レベルのことをやるようになったなと嬉しく思います。
人権も含めて自由・民主・法の支配・人権・人道の普遍的な価値を掲げる
飯田)こういうものを錦の御旗のように立てて行くということは、効果的でもあるけれど、諸刃の剣になる可能性もありますか?
宮家)ときどきあります。しかし、よく考えてみれば、人権も含めて自由・民主・法の支配・人権・人道、これらの普遍的な価値を掲げた方が国際社会の主流でなくてはならないし、実際にそうなのです。その意味では、日本は国際社会で一丁目一番地に常にいないといけませんから、この問題を避けては通れないだろうなと思います。
人権問題について、日本ですら黙っていることはできない時代 ~中国はそこを理解するべき
飯田)さまざまな国を巻き込みながら、日本としての国益を追求して行く。中国とも付き合って行くという方向性において、人権は1つのツールとして有効であるということですね。
宮家)そういうことだと思います。その部分は中国にとって反論のしようがないですから。
飯田)そこの部分は。
宮家)いままで日本はどちらかと言うと、黙っていたのです。でも、そういう時代ではないだろうと思いますし、日本国内の判断も変わって来たことは事実です。そのことを中国はよく理解しなくてはいけません。
飯田)そうですね。
宮家)香港、ウイグル、チベットなどの問題になれば、日本だって黙っているわけにはいかないですよ。その部分に国際社会がどれだけ厳しくなるか。日本ですらこういうことを言わざるを得なくなって来たことの重大さを、中国には理解してもらわないといけません。
飯田)ある意味、日本をそこまで追い込んで来たのだと。
宮家)日本が懸念を持っているということだと思います。
面子さえ守られるのであれば、妥協しても構わない中国
飯田)中国は各国の目を気にするものですか?
宮家)外には見せませんが、すごく気にしていると思います。外には見せなくても、彼らの面子の基準がある。それを潰されたときのことを考えると、面子さえ守られるのであれば、実質的な部分で、ある程度妥協しても構わないというのが、私の印象です。
飯田)面子さえ守られるのであれば。
宮家)そこをうまく突けば、中国の人権政策が実質的に変わる可能性もゼロではないと思います。中国と付き合って行くなかで、使えるカードが1枚増えたという意味では、いいことではないかと思います。
彭帥さんの問題にアタフタする中国 ~政策を変えればいい
飯田)コラムでも最後に指摘されていますが、プロテニス選手の話も、昔であれば、そのまま葬られていただろうと。
宮家)中国当局はSNSのような場所で公開するとは思わなかったでしょうね。相当アタフタしています。中国側の情報戦という意味では、彼らは攻めるときは強いのだけれど、守りは下手ですよ。
飯田)なるほど。
宮家)今回は中国側は大失敗を続けています。でも本来は、そういうことではなくて、政策を変えればいいのです。それだけです。
飯田)すべてオープンにして見せてくれれば。
宮家)それがいちばん効果的な情報戦なのだけれど、それをやらないから、不手際が目立つのではないかと思います。』
成る程、ねえ。
一言で人権外交とは言え、実際には様々な思惑や情報戦等が行き交うものなのです。
これが国際政治と言うものなのです。
北京五輪の外交ボイコット問題でも同じでしょう!!
一方、12月9日に同メディアが「「思いやり予算」とセットで日米地位協定の見直しを」の題で次のように指摘しました。
『ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月9日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。在日米軍駐留経費の日本側負担、いわゆる「思いやり予算」について解説した。
在日米軍駐留経費の日本側負担
日米両政府は、2022年度から5年間の在日米軍駐留経費の日本側負担、いわゆる「思いやり予算」をめぐって、1年あたり2100億円以上、総額で1兆円以上の規模とする方向で最終調整に入った。過去5年の実際の支出と比べて、約500億円の増額となる。2022年1月に予定している外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)に合わせた署名を目指す。
飯田)「ホスト・ネーション・サポート」という言われ方もしますが、光熱費なども含めてどちら側が負担するのかという。
鈴木)そこまで負担するのが果たしてどうなのか、という根本的な議論や意見もありますが、私は少し違う見方をしています。今回、これまでの5年間に比べて、総額約500億円増える。この500億円増えるということがどうなのか。対中国ということも考えて、「いろいろ手を打っておかなければいけない」ということはあると思います。ある程度それに伴ってお金がかかるし、額も増えるのだろうなと思います。
お金を出すだけではなく、セットで「地位協定の見直し」をするべき
鈴木)私がいつも思うのは、根本的にはお金の思いやりの話かも知れません。向こうがやってくれていることに対して、こちらがお金を出しますと。しかし、「ありがとうございます」と言って、お金をあげて終わってしまったら、もったいないと思うのです。
飯田)もったいない。
鈴木)向こうが何かをやってくれた。「ありがとうございます」とお金を出したけれども、「すみません。今回、色をつけてお支払いしましたよね」と。「その分、これをやってくれませんか」と、さらに次の要求に持って行くようなしたたかさが必要ではないかと思うのです。
飯田)したたかさが。
鈴木)「したたか外交」とよく言いますが、合わせて地位協定の見直しをやって欲しい。運用を変えるのではなく、根本的に見直すべきところがあるのではないかと思います。
疫病や感染症に関して「日本が制約できる権限」を持つべき
鈴木)特にここ1年~2年で感じたのは、コロナに関する問題です。アメリカの兵隊さんたちがコロナに感染して、日本に入って来たというケースがありましたよね。これも普通なら水際なのです。成田空港や羽田空港から入って来るのだから、そこで検査して、陽性ならば隔離などの対応をすることになります。
飯田)そうですね。
鈴木)しかし、米軍基地は治外法権だから、パスポートも何もないわけです。勝手に入って来ることができる。入って来たら、兵隊さんたちも外に出るわけでしょう。そこでコロナ対策はどうなっているのか。この問題もかなりもたつきました。
飯田)初期にはありました。
鈴木)地位協定のなかにコロナ感染という項目はないけれど、疫病や感染症について、もう少し日本にある種の主導権というか、「制約できる権限」を持つべきではないでしょうか。そういう意味では、少しは直ったけれど、横田基地があるために日本の飛行機のルートが迂回しますよね。
飯田)東京の上空、いわゆる横田空域という。
鈴木)個人的な話なのですが、毎週、福岡に仕事で通っているのです。飛行機なのですが、房総半島の上を行って、「どこを飛んでいるのか」と思ったら、左に旋回して。
飯田)横田基地があるために、西から直接羽田には降りられない。
鈴木)風向きもありますよ。あるけれど、やはりそのときに思うわけです。やっと最近、一部では都心を飛べるようになったけれど、羽田には常に横田があったなと。
見直すところが多い地位協定
鈴木)日米安保は基軸ですし、重要だと思うのだけれど、地位協定には見直すところがたくさんあるのではないでしょうか。お金を出すところで終わりではなく、お世話になったからお金を出して、「実は少しプラスしたのですよ。その分は言わせてもらいますよ」と言って、そこに地位協定を持って来る。そのようにセットでやって欲しいと思います。セットにできるきっかけになるではないですか。
飯田)日米安保が大事だということは、日本もアメリカ側も思っているところですし、日本国民を含めて日本国内の信頼がないと機能しない。そこに不平等感があると、何か引っかかるところがある。
鈴木)地位協定での見直しということがあれば、それはそれで必要経費かなと。そういう理解にもつながる可能性がありますよね。他の国、韓国だってそうでしょう。「言うべきことは言いますよ、国内法で」という。そこが課題です。』
この記事でもはっきり指摘していますが、日米地位協定では米軍やその関係者の入国問題が穴となっており、これは一部のジャーナリストが何度も指摘している「日本の深い闇」の問題でもあります。
早急に見直さなければ、只ですらもオミクロン株等の変異株の感染拡大している今、今後の新型コロナウイルス対策すらも後手後手に廻ります。
これらのように、今や、我が日本は対中関係と対米関係の「馴れ合い」「もたれ合い」関係を終了させなければならないのです!!
中露両国は今年10月、日本の衆議院選挙に合わせるかのように両国の海軍艦隊を日本周辺に遊弋させました。
また、両国は宇宙空間でも衛星破壊実験を強行し、多数の宇宙デブリを宇宙空間にまき散らしました。
日本は今こそ対中関係と対米関係の「馴れ合い」「もたれ合い」関係を終了させなければならない!!
12月9日、米国が主催しオンラインで開催された「民主主義のためのサミット」で発言する岸田文雄首相
出典:首相官邸HP
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しかし、翻って観れば、我が日本の外交や安全保障も、戦後、対中関係と対米関係の「馴れ合い」「もたれ合い」関係になってしまっていたのではないでしょうか。
12月5日にニッポン放送ONLINEが「面子さえ守られれば妥協しても構わない中国 ~人権外交の「仕掛け」として突くべきポイント」の題で次のように問題提起しました。
『ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月3日放送)に外交評論家・内閣官房参与の宮家邦彦が出演。人権外交について解説した。
人権外交
外務省は、新疆ウイグル自治区や香港などでの国際的な人権問題に積極的に対応するため、専任の担当官を新たに設ける方針を固めた。アメリカのバイデン大統領も12月9日から「民主主義サミット」を初開催するなど、人権問題に力を入れている。
飯田)宮家邦彦さんは隔週の木曜日、産経新聞のオピニオン欄に「宮家邦彦のWorld Watch」というコラムをお書きになっています。そのなかで人権外交を考える演習をされています。
政策シミュレーション
宮家)「政策シミュレーション」というものですが、もう36回やっています。今回は慶応義塾大学の神保謙教授が仕切ってやりました。架空の国際情勢を設定して、アメリカチーム、日本チーム、中国チーム、オーストラリアチーム、ASEANでウイグルの問題を考えるという試みをしました。
飯田)架空で。
宮家)架空です。「どういう政策があり得るか」を研究することに意味があるのですが、シミュレーションの結果がどうあれ、実際にそういうことが起こるというわけではありません。しかし、たまたま今回の結果は、ウイグルをめぐってアメリカの態度が硬化し、アメリカが国内法をつくって関係国を巻き込み、「制裁だ」という方向になって来た。
米中の板挟みになり厳しくなる日本
宮家)それに中国が強く反発して巻き返しを図ると。そのなかで日本は米中の板挟みになってしまう。あくまでも中国チームは徹底的に日米間に楔を打とうとする。日本のビジネス、経済界に圧力を掛けるわけです。日本は苦しくなって、「人権や自由民主、法の支配が大事だ」と言っていても、なかなか思うようにはいかなくなってしまう傾向がある。
人権外交は「仕掛け」 ~日本なりのやり方で人権外交をするべき
宮家)人権外交が難しいのはそこなのです。それからもう1つ、人権外交で言えることは、それに1つの確固とした基準があって、「それに合わないものは全部アウトだ」というわけではなく、相手を見て使い分けていることです。ですから人権外交自体が目的ではなくて、人権外交は外交の目的を達成するための1つの手段である。ある意味では「仕掛け」なのです。
飯田)仕掛け。
宮家)そこはうまく使い分けなければならない。どの国も人権問題を抱えていないわけではありません。アメリカにだってもちろん問題はあるのです。その使い分けが難しいので、日本がこれから本格的に人権外交をやって行くのはいいのですが、いろいろと積み重ねて、自分たちなりのやり方をつくらなければなりません。あとで整合性を問われることにもなりかねませんから。担当官を付けて、総理補佐官もいるわけですから、ようやく日本も人権外交について、国際レベルのことをやるようになったなと嬉しく思います。
人権も含めて自由・民主・法の支配・人権・人道の普遍的な価値を掲げる
飯田)こういうものを錦の御旗のように立てて行くということは、効果的でもあるけれど、諸刃の剣になる可能性もありますか?
宮家)ときどきあります。しかし、よく考えてみれば、人権も含めて自由・民主・法の支配・人権・人道、これらの普遍的な価値を掲げた方が国際社会の主流でなくてはならないし、実際にそうなのです。その意味では、日本は国際社会で一丁目一番地に常にいないといけませんから、この問題を避けては通れないだろうなと思います。
人権問題について、日本ですら黙っていることはできない時代 ~中国はそこを理解するべき
飯田)さまざまな国を巻き込みながら、日本としての国益を追求して行く。中国とも付き合って行くという方向性において、人権は1つのツールとして有効であるということですね。
宮家)そういうことだと思います。その部分は中国にとって反論のしようがないですから。
飯田)そこの部分は。
宮家)いままで日本はどちらかと言うと、黙っていたのです。でも、そういう時代ではないだろうと思いますし、日本国内の判断も変わって来たことは事実です。そのことを中国はよく理解しなくてはいけません。
飯田)そうですね。
宮家)香港、ウイグル、チベットなどの問題になれば、日本だって黙っているわけにはいかないですよ。その部分に国際社会がどれだけ厳しくなるか。日本ですらこういうことを言わざるを得なくなって来たことの重大さを、中国には理解してもらわないといけません。
飯田)ある意味、日本をそこまで追い込んで来たのだと。
宮家)日本が懸念を持っているということだと思います。
面子さえ守られるのであれば、妥協しても構わない中国
飯田)中国は各国の目を気にするものですか?
宮家)外には見せませんが、すごく気にしていると思います。外には見せなくても、彼らの面子の基準がある。それを潰されたときのことを考えると、面子さえ守られるのであれば、実質的な部分で、ある程度妥協しても構わないというのが、私の印象です。
飯田)面子さえ守られるのであれば。
宮家)そこをうまく突けば、中国の人権政策が実質的に変わる可能性もゼロではないと思います。中国と付き合って行くなかで、使えるカードが1枚増えたという意味では、いいことではないかと思います。
彭帥さんの問題にアタフタする中国 ~政策を変えればいい
飯田)コラムでも最後に指摘されていますが、プロテニス選手の話も、昔であれば、そのまま葬られていただろうと。
宮家)中国当局はSNSのような場所で公開するとは思わなかったでしょうね。相当アタフタしています。中国側の情報戦という意味では、彼らは攻めるときは強いのだけれど、守りは下手ですよ。
飯田)なるほど。
宮家)今回は中国側は大失敗を続けています。でも本来は、そういうことではなくて、政策を変えればいいのです。それだけです。
飯田)すべてオープンにして見せてくれれば。
宮家)それがいちばん効果的な情報戦なのだけれど、それをやらないから、不手際が目立つのではないかと思います。』
成る程、ねえ。
一言で人権外交とは言え、実際には様々な思惑や情報戦等が行き交うものなのです。
これが国際政治と言うものなのです。
北京五輪の外交ボイコット問題でも同じでしょう!!
一方、12月9日に同メディアが「「思いやり予算」とセットで日米地位協定の見直しを」の題で次のように指摘しました。
『ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月9日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。在日米軍駐留経費の日本側負担、いわゆる「思いやり予算」について解説した。
在日米軍駐留経費の日本側負担
日米両政府は、2022年度から5年間の在日米軍駐留経費の日本側負担、いわゆる「思いやり予算」をめぐって、1年あたり2100億円以上、総額で1兆円以上の規模とする方向で最終調整に入った。過去5年の実際の支出と比べて、約500億円の増額となる。2022年1月に予定している外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)に合わせた署名を目指す。
飯田)「ホスト・ネーション・サポート」という言われ方もしますが、光熱費なども含めてどちら側が負担するのかという。
鈴木)そこまで負担するのが果たしてどうなのか、という根本的な議論や意見もありますが、私は少し違う見方をしています。今回、これまでの5年間に比べて、総額約500億円増える。この500億円増えるということがどうなのか。対中国ということも考えて、「いろいろ手を打っておかなければいけない」ということはあると思います。ある程度それに伴ってお金がかかるし、額も増えるのだろうなと思います。
お金を出すだけではなく、セットで「地位協定の見直し」をするべき
鈴木)私がいつも思うのは、根本的にはお金の思いやりの話かも知れません。向こうがやってくれていることに対して、こちらがお金を出しますと。しかし、「ありがとうございます」と言って、お金をあげて終わってしまったら、もったいないと思うのです。
飯田)もったいない。
鈴木)向こうが何かをやってくれた。「ありがとうございます」とお金を出したけれども、「すみません。今回、色をつけてお支払いしましたよね」と。「その分、これをやってくれませんか」と、さらに次の要求に持って行くようなしたたかさが必要ではないかと思うのです。
飯田)したたかさが。
鈴木)「したたか外交」とよく言いますが、合わせて地位協定の見直しをやって欲しい。運用を変えるのではなく、根本的に見直すべきところがあるのではないかと思います。
疫病や感染症に関して「日本が制約できる権限」を持つべき
鈴木)特にここ1年~2年で感じたのは、コロナに関する問題です。アメリカの兵隊さんたちがコロナに感染して、日本に入って来たというケースがありましたよね。これも普通なら水際なのです。成田空港や羽田空港から入って来るのだから、そこで検査して、陽性ならば隔離などの対応をすることになります。
飯田)そうですね。
鈴木)しかし、米軍基地は治外法権だから、パスポートも何もないわけです。勝手に入って来ることができる。入って来たら、兵隊さんたちも外に出るわけでしょう。そこでコロナ対策はどうなっているのか。この問題もかなりもたつきました。
飯田)初期にはありました。
鈴木)地位協定のなかにコロナ感染という項目はないけれど、疫病や感染症について、もう少し日本にある種の主導権というか、「制約できる権限」を持つべきではないでしょうか。そういう意味では、少しは直ったけれど、横田基地があるために日本の飛行機のルートが迂回しますよね。
飯田)東京の上空、いわゆる横田空域という。
鈴木)個人的な話なのですが、毎週、福岡に仕事で通っているのです。飛行機なのですが、房総半島の上を行って、「どこを飛んでいるのか」と思ったら、左に旋回して。
飯田)横田基地があるために、西から直接羽田には降りられない。
鈴木)風向きもありますよ。あるけれど、やはりそのときに思うわけです。やっと最近、一部では都心を飛べるようになったけれど、羽田には常に横田があったなと。
見直すところが多い地位協定
鈴木)日米安保は基軸ですし、重要だと思うのだけれど、地位協定には見直すところがたくさんあるのではないでしょうか。お金を出すところで終わりではなく、お世話になったからお金を出して、「実は少しプラスしたのですよ。その分は言わせてもらいますよ」と言って、そこに地位協定を持って来る。そのようにセットでやって欲しいと思います。セットにできるきっかけになるではないですか。
飯田)日米安保が大事だということは、日本もアメリカ側も思っているところですし、日本国民を含めて日本国内の信頼がないと機能しない。そこに不平等感があると、何か引っかかるところがある。
鈴木)地位協定での見直しということがあれば、それはそれで必要経費かなと。そういう理解にもつながる可能性がありますよね。他の国、韓国だってそうでしょう。「言うべきことは言いますよ、国内法で」という。そこが課題です。』
この記事でもはっきり指摘していますが、日米地位協定では米軍やその関係者の入国問題が穴となっており、これは一部のジャーナリストが何度も指摘している「日本の深い闇」の問題でもあります。
早急に見直さなければ、只ですらもオミクロン株等の変異株の感染拡大している今、今後の新型コロナウイルス対策すらも後手後手に廻ります。
これらのように、今や、我が日本は対中関係と対米関係の「馴れ合い」「もたれ合い」関係を終了させなければならないのです!!
中露両国は今年10月、日本の衆議院選挙に合わせるかのように両国の海軍艦隊を日本周辺に遊弋させました。
また、両国は宇宙空間でも衛星破壊実験を強行し、多数の宇宙デブリを宇宙空間にまき散らしました。
日本は今こそ対中関係と対米関係の「馴れ合い」「もたれ合い」関係を終了させなければならない!!
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