「猿わか町よるの景」
猿若町は、浅草聖天町と浅草寺北谷の寺院にはさまれた所。天保十三(一八四二)年に老中水野忠邦が天保改革を行い、日本橋にあった芝居小屋をこの辺の鄙辺な場所に移し、歌舞伎の廃滅を策したが、浅草観音と吉原との間に位置したため、かえってにぎわった場所である。その芝居街の通りを、北東から西南へ見通した夜景図である。手前右手の櫓が森田座、中の櫓が市村座、遠方のものが中村座で、終演後の景況だが、月光による人物の投影を描いた風景である。
春日井市在住、1935年私的な挿絵等に全て自由にご使用ください。
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