琵琶湖の南端の町瀬田は、湖から流出する瀬田川の左岸にあり、対岸の大津との間に瀬田橋が渡されている。これは「長橋」または「唐橋」といわれ、古来京都での戦の要地であったため、戦場となるたびに取り払われたり焼かれたりした。近江盆地の約半分を占める日本最大の湖琵琶湖(面積六七四平方キロ)を広く上方に、そして長橋を中央に描く。ここよりはじまる瀬田川は、宇治川となり、京都府との境の山地では急流をなし、大山崎付近で桂川・木津川と合流し、果ては淀川となる。
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