この前の現代物の酒盃の中には写っていない骨董物の中で、お気に入りの一つがこの酒盃である、全体の赤織部風釉薬にと鉄絵風絵付けが小さいながら伸びやかで見事ではありませんか、京焼だと思いますが磁器物とは違う柔らかな風合いが好みに合っていて。
この盃はもう20年以上前、信州上田市街の18号線沿いで、独り身らしいのだが洒脱で人が良さそうな爺さんが細々とやっていた万昌堂という骨董屋で見つけた、高台に道八とあるのを本物かと訊くと、分からないという、分からないなら偽物値段に色を少しだけつけてということで購入した。
この店では印判の小皿などを100/枚で図柄が違うものを単品でかなり買っていて、今は普段使いに重宝しているが、その骨董屋も爺さんが亡くなって一軒家の建物だけはそのあとも残っていて、店内は片付けられて閉まったままとなっていたが、今はどうなっているかな。
その後に銀座のアンティークモールの中の一店で、これと全く同じ釉薬使いで高台内の銘も同じ、絵柄だけが異なるものが大層なお値段で売られているのを発見した、これもやはり本物だと確信するがどうだろう。
2009年1月版から手を入れ直して再掲