ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

九谷の飯田屋様式赤絵の馬上盃

2009-09-22 09:44:52 | 工芸絵画骨董

 九谷は美濃と並んで僕の好きな焼物だがどちらかというと吉田屋風青九谷が好み、赤絵の飯田屋もいくつか持ってはいるが大物は少ない。さらに木米はちょっとだけ現代物のみ、永楽となると九谷では無いと思われる昨日の小皿のみ、他には赤絵でも庄三様式のものや明治からの青粒もあるけれど。

 こういう形の馬上盃は九谷特有のものかと思うが、独特の赤絵で人物画を描くものをよく見かけ、多くは飯田屋様式のものだ。冒頭写真の中国の人物像のほうは内側には何もない白いだけの盃であるが、この下の庄三風も混じったものは表側は日本の平安貴族風人物画で内側には細かい漢字がびっしりと書込まれている。漢詩の素養がないからさっぱり読めないが、この盃は平安貴族達が漢詩文を詠む曲水の宴を模して描いているのだろう。曲水の宴でも和歌を詠む図柄であれば内側は仮名文字になるはずだが、そういう馬上盃があるのかは分からない。

                     

 内側が仮名文字というのも面白そうではあるが、こういう細文字を外側にびっしりと彫り込んだものは常滑の湯呑などで見たことがあり、それらも漢字だったような。確かに漢字のほうが画数が多いから細かくて難しそうで、腕の見せどころではあるな。


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