くまぐー日記

くまさんの電脳室リポート

ハワイ移民

2008年05月06日 | Weblog
■海外相続調査の仕事でアメリカの死亡証明書などを翻訳しているといろいろなことが分かる。

3代にわたる相続人の死亡原因からも世代の変化が見えてくる。最近97歳でなくなったIさんは老衰による自然死なのだが関連要因にはDM2やHTNの記載がある。彼は2世だ。

DMって何だろうと考えた。diabetes mellitus(糖尿病)だとすれば2はタイプ2のことだろうと直感。それではHTNは何だろう?hypertension(高血圧)らしいなと気がつく。辞書には出てこない言葉を推理するのは楽しいが医学の門外漢ではこうはいかないな。NYでの半年にわたる救急救命士試験トレーニングの経験が生きていると思いたい。

50歳代で独身のまま死んでいるGの死因は心肺停止で関連要因は数年にわたる慢性冠状動脈硬化障害、高血圧、、みたいな感じだ。正確にはどう訳すべきか分からないが典型的なアメリカ人の死だ。彼は3世。

Yさんはたぶん初期の2世。出生地がオアフ島のアヒワフとかいうところだが、親の日本戸籍にはアヒワフ耕地という記載があるところをみるとそのようなところなのだろう。職業は米作農夫。弟のSさんの職業欄はLaborer、、肉体労務者、単純労働者、、どう訳そうか?。Yさんは若くしてはしごから落ちて脳挫傷で死んだようだ。

2世の中では大工、電気技師などが出てくる。戦時中のキャンプで技術を習得した人かもしれない。カリフォルニアでは当時キャンプ生活に強制隔離されたのは日本移民だけだったのだ。そこで身につけた技術で戦後は日本人は本土の各地に散らばって生活するようになったのだ。差別のために西海岸にもどれなかったのだ。ハワイはどうだったのだろう。

職業が執行官というのもあった。軍歴ありになっている。2つの祖国を背負って銃をとった人かもしれない。

1世はBamboo(中国人社会で竹は中身のない人間のこと)2世はBanana(外は黄色で中は白)3世はBee(政治家や法律家のような蜂のようにやたら人を刺す仕事につきたがる)という3Bがアメリカ移民の模範生といわれる日本人のシンボルだが、、、。

相続関係書類を扱うときいつも生々しく人生のかたちがよみがえってくるような気がする。



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ミラクルボディ

2008年05月05日 | Weblog
■NHKのこの番組はハイテクの目でみたアスリートの分析で面白い。昨晩のテーマは「JUDO」だ。日本のお家芸である1本をとる「柔道」ではないヨーロッパ「JUDO」の強さの秘密を探るもの。

この前気になってブログした全日本柔道選手権の実態が出ていて引き込まれてしまった。優勝した石井はあの顔のわりにはシャープな柔道哲学があって感心した。一本をとる柔道に徹した井上の凋落と若いフランスのなんとかというヨーロッパ柔道家の活躍を対比して、やっぱり日本の柔道はあかんかった、という内容だ。

日本の柔道家がオリンピックの金より全日本の優勝のほうに燃えるということ自体、柔道とJUDOが違うスポーツになってしまったからだろう。「柔道家」という言葉は僕の昔にはなかった。井上時代に1本とる柔道ということで使い始めたのじゃあないだろうか。K1ができたり武術家がでてきたりで一種のブームだったんだな。

JUDOには相手との「間合い」がないという分析は興味深い。各国の伝統武術が柔道に取り込まれて日本武術固有のノウハウでは全く対応できなくなったのだ。つまり「柔道」がどんどん進化しているという点ですばらしいことではないか。これこそ加納治五郎の精神に一致するものだ。

三十六計逃げるにしかずという孫子の言葉にもあるように武術は勝ちにこだわることもないが、オリンピックは勝ちにこだわるのだから仕方ないかな。石井みたいな選手が出てくることはまだ日本柔道がんばっているぞ!という気持ちになれる。この番組はちょっとそんなアプローチが見える。

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自殺の意味

2008年05月02日 | Weblog
■硫化水素で自殺がはやっている。若者に命の大切さを教えて自殺を防ぐという考えがピンとこない。お父さんお母さんが悲しむでしょう、他人を巻き込んだら迷惑でしょう、などといってみても「そんなの関係ねぇ!」とは思わないだろうか?

命が大切だから毎日生きているわけでなく、人はきっと毎日が楽しいから生きていたり死ぬのがこわいから自殺を思いとどまっているに違いないと思っている。自殺したいと思うのは生きているほうが苦しいと思うからだ。

生存本能に逆らって自殺する行為はすごく難しいはずだが、簡単な自殺方法が提供されればそれに飛びつく。「ガンコントロール」の議論と似ているところもある。銃があるから殺人が起こるのだから銃をなくせ!という考えと、銃のせいにするな犯罪者が悪いのだからその犯罪者に立ち向かう正しい銃の使い方を教育しろという考えがある。

ウイルスをばら撒くインターネットは使うなという考えとか、表現の自由を制限しても子供を悪のサイトから保護すべきだなどの議論も同じだ。要するに自殺にしても手段が問題だという議論。これは分かる。オレオレ詐欺、マルチ商法など。

しかし日本人の自殺自体わけが分からない。子供だけが自殺するわけじゃない。かっては宗教的背景もなく特攻は敵陣に飛び込んだ。恋が実らないと心中した。なぜ放火原因の中で自殺の比率が他国と比べてこんなに高いのが?

輪廻思想ではあの世に生まれ変わることが出来るので、日本人は死の恐怖が希薄なのだろうか?

深夜テレビで「お遍路さん」の番組を見ていた。白い経帷子は死装束ではないのだそうだ。人生のリセットをして新しい人生を歩んでもらうというのが「お遍路さん」なのだという住職の説明があった。若い人もたくさん参加している。自殺願望を見事にこの世の人生にすりかえるという本来の宗教サービスなのだと理解した。

この「人生再起動」願望。もしかして新しい環境にすぐに対応できる日本人の遺伝子と関係があるかもしれない。

恩もあだもすぐ水に流して「再起動」
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