「第十回卑弥呼の里誌上川柳大会入選作品集」が発行されました。
発行日:二〇二二年四月 発行人:真島久美子(佐賀県)
毎年マンモス投句者数を誇る誌上大会です。今年は867名とあります。各選者につき特選1、佳作5、平抜き80句が掲載されています。熊本県からは13名の投句がありました。県関係分を紹介します。
「自由吟」津田 暹 選
医食同源レシピそろえてカップメン 中川しのぶ
蟷螂も男もポーズだけだった 松村 華菜
「自由吟」大西泰世 選
造花とも知らずに水をやっている 中原たかお
いいこともあるさ鯛焼き頭から いわさき楊子
「変 化」濱山哲也 選
不可能を可能に変えるパラ選手 中山 和
暖房を一度上げたら消えた島 落合洋人
「変 化」鈴木順子 選
老化とは進化のひとつ茶が旨い(佳作)いわさき楊子
久久の君は眩しい羽化したね 前田秋代
生き方の加減乗除に見る五欲 北村あじさい
「試 す」阪本高士 選
化野を行きつ戻りつ試される 黒川孤遊
雑踏にジキルとハイド募金箱 落合洋人
試されているのか鐘が鳴りやまぬ 中川しのぶ
ほほ笑みも薔薇もナイフも試したが いわさき楊子
「試 す」樋口由紀子 選
ほほ笑みも薔薇もナイフも試したが いわさき楊子
あれがよかこれがよかよでおわるよか 奥村田子作
「ポスト」横尾信雄 選
引っ越しのポストに残る請求書 村上哲子
ふるさとのポストどっしり母の膝 中川しのぶ
めぐみさんへ届くポストがあればなあ いわさき楊子
栄転のポストに踏絵置いてある 松村華菜
「ポスト」赤松ますみ 選
南南東のポストに入れる別れ文 いわさき楊子
「 夜 」村山浩吉 選
真夜中に妻が包丁研いでいる 中原たかお
「 夜 」木本朱夏 選
言い訳を奏でる夜のバイオリン 阪本ちえこ
(報告とスズランの写真 北村あじさい)
ほほ笑みも薔薇もナイフも試したが いわさき楊子
この2句が特に佳かったです。