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東京の歴史を消すのは誰だ

東京は土地バブルだ。

八重洲ビルは解体が始まってしまったし、三信ビルも風前の灯火、
あろうことか日本橋の三菱倉庫までが再開発の検討対象になっているのだという。
続々と建てられている(にもかかわらず)最新鋭オフィスビルの空室率は3パーセント以下の超貸し手市場なんだそうで
(いったい誰が借りているのかイメージできないところが駄目な私)、
都会の真ん中の自己所有地に容積未消化のレトロビルを持っているところなんかは
格好の開発ターゲットになってしまっているらしい。
企業の社会的責任(CSR)が明確に確立されていない低レベルの日本の資本主義においては
(つまり歴史的建造物を保持し続ける事も大切な企業の社会的責任である、という確信を持ちえていない)
無文化で狡猾な株主(日本の都市に責任の無いお金を儲けたいだけの組織、なんちゃらファンド)から
へたすりゃあ 損害賠償 株主代表訴訟 (←8/18直しました)を起こされる可能性もあるなんていうビビリも入って
もう、どんどん餌食に(自ら進んで?)なっているという情けの無い状況な訳だ。
まあ、最新のインテリジェントビル(死語か?)が数年で償却出来ちゃうんじゃあ、
「建替えません」と言い続けるのは変人と思われかねない
(それで済めばいいんだけど、経営者不適格と言われて首になりかねない)
というのが昨今の状況である訳で、そんな風潮に侵されて民営化された郵政公社までが
東京や大阪の中央郵便局を金儲けの為に建て替えると言い出している。

ところで三信ビルですが、2週間くらい前(7/28)に読売新聞の社会面に記事が出たんだそうです。
全然知りませんでした(っていうか、忙しくて情報が乗っていたメール読み落としてた。)
あと、写真は「建築ジャーナル」っていう建築専門誌の記事。
ここで紹介されている「三信ビルの保存を考える会」が
明日(っていうか今日だ)の14:30から有楽町で会合を開くんだって。
興味がある人はメールください。っていまさら遅いか。
*三信ビル保存プロジェクトのコメント欄に告知が投稿されてますた。
 → http://www.citta-materia.org/sanshin.php?itemid=173#c1134


やややさぐれた気持ちで言ってますけど、建築の保存に関して言えば
上記のような状況の渦中にいる人々には専門家集団の意見はまったく通じない。
(世界が違うと思われているんじゃないのかしらん・・・)
では、誰の意見が相手にしてもらえるのか?
それは消費者である市民です。やっぱり市民の声なんですよ、大事なのは。
企業の社会的責任について企業に問えるのは形式的には株主かも知らんけど、
市民相手に商売をしている彼らにすれば企業イメージはとても大切なはずで、
壊す事で消費者にCSRを放棄していると捉えられ、
企業イメージが「大きく」傷つくと判断すれば、壊さない可能性が出てくるのではなかろうかと。
(実はかなりリスキーだと思っていて、天秤にかけているのではないのか?)
(大阪で強行突破した企業があったけど、残念ながら咽喉元過ぎれば、なのか??)
ただ、今までの日本では壊しても誰にも何も言われないし、せっかく残してもさして評価もされてこなかったので、
残す事の意味が骨身にしみている経営者(概ね高齢)は皆無、っていうか、
都知事の石原さんとかの老人世代は壊してピカピカにして嫌な時代の事を忘れたいの!なので、全然駄目なのよ。
でも、実は時代が変わりつつある。現場は時代の風を敏感に感じています。
変わり目でどちらを選択するか。先駆的な決断が出来る経営者が出ることを期待したいし、
世論がそういった経営者の誕生をインキュベートして欲しいと切に思う今日この頃のあたしなのであった。
メディアももっと頑張れ!

追記;
三信ビルの保存を考える会のHP発見!
出来立て感が漂って初々しいっす→ http://home.n03.itscom.net/kbx/ssb/
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