『』上・下
「探偵ナイトスクープ」で、“カンニング竹山”さん主演の映画だと知った。
タイトル『ねこタクシー』に引かれて、気になっていたが、映画を見るところまではいか
なかった
そんなある日、本屋の店頭でこれを見つけ購入、いっきに読んでしまいました。
読む前は、どこかの携帯の宣伝のように、猫にしゃべらせるのかなぁ~なんて漠然と
思っていたが、そうではなかった。
でも、それが良い意味で期待を裏切り、かえって心に残る内容になっているように思
った。
人付き合いが超苦手な元教師。それゆえ教師も辞めてしまったほどだ。
その後、鉄工所経営の親元で仕事を手伝うも、不況で工場をたたみ、田舎に引っ越
してしまったため、現在はタクシーの運転手をしているが、売り上げは最下位を更新
中。
彼は、まだ教師のころだが、同僚の教師と結婚し、一女がいる。
妻はまじめで、がんばりやで、なかなか厳しい、そんな妻の収入で生活はなんとかや
りくり、妻にも、生意気盛りの中学生の娘にも、遠慮をしながら、世間の、家族の邪
魔にならないよう、極力接触を避け、逆らうことなくひっそりと日々を送る彼
そんな彼が、いつも夕食の弁当休憩をする、またはサボる、都会の中に取り残され
たような公園があった。
そして、そこで、でかいオスの猫と遭遇するわけなんですね。
公園に置かれた土管の中を住処にしているのか、公園に立ち寄るたびに土管の中
で寝ている猫になんとなく気を引かれ話しかけたりしていた。
そんなある日、公園の側でいつものようにタクシーを停め、寝過ごしてしまったことに
あわてるが、それよりも、助手席に丸まって気持ちよさそうに寝入る猫にもっと驚く
しかし、起こしても起きない猫と、GPSでさぼっていることを会社に知られたのでは
というあせりから、猫をそのままつれかえるはめになる。
「にゃぁ~」とか「みあ」とか「ぐるる」とか食べ物を食べる音とかはあるものの、何もし
ゃべるわけではないが、まず彼を、彼の家族を、彼のタクシーに乗ってくるお客を、
次々癒していくのである、いや人間が勝手に癒されていくのである。
その猫の名は、首輪に書かれていた「みこがみ」から「御子神さん」と彼は呼ぶ。
私も犬猫の番組は大好きでよく見ている。
いままで犬は子供の時に1匹、結婚してから川に落ちて鳴いていた犬を助け、その
子犬にいつかれて飼ったこともある、金魚も十姉妹もある、現在はメダカを飼ってい
る・・・だが、果たして癒されているかと問われるとわからん
テレビで見ている限りは、ものすごく癒されるのはたしか、でも、飼うとなると責任が
伴う、その責任が私には非常に重荷になる
本の中で、「御子神さんを家で飼うにあたり、家族にできるか?!」と問う言葉があ
る、ペットを飼うのではなく、家族になるのである。
めだかぐらいだったら影響も最小ですむが、犬や猫となるとそうは行かない
しかし、子連れだったり、犬をつれてたりすると、確かに見ず知らずの人とでも話しが
できる、話かけられる
なぜなんでしょうねぇ~子供も、犬もいない私にはわかりまっしぇん
いやぁ~それにしても、今回落としどころに悩んでしまいました
本を読んでいて映画を見るとがっかりすることが多いようですが、これは、どうなんでしょう。
動物を起用するって余程演技の達者な子じゃないと、あの携帯犬のように無理やりストーリーになってしまいます。
本を先に読んでしまうと、どうしても自分ワールドができてしまうので、なかなか難しいところもありますね
本には何枚かの猫の写真が掲載されていますので、たぶん「御子神さん」をした猫なんでしょうね、本の雰囲気にピッタリな感じでした