茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

兵馬俑と古代中国

2022-11-28 00:46:00 | 展示会・イベント

思いのほか、見どころ沢山の兵馬俑展。

青銅器といえば、重量感のある鼎などをイメージしましたが、
戦国秦代に作られたという鳳鳥衔環が精緻で複雑な造形の青銅薫形器。
手のひらに乗るぐらい小さな八獣带盖小鼎もなかなかの逸品。

餅の形状を鋳された黄金から
漢語の千金の語源は富裕階層を指し、十金は中産階級をさすとはじめて知りました。

漢の劉邦は秦王を降伏させ、都の長安城を築きました。後漢の穀物倉に、鉛の釉薬で発色した緑釉や鉄分の釉薬で発色した褐釉がすでにありました。鮮やかな釉色に驚きました。

漢七代 武帝の時代には西方との交流も活発に、憧れた大宛の汗血馬を想い作った鎏金青铜馬。つい先日行った出光美術館の陶磁の東西交流の展示で汗血馬への憧れにも触れたから繋がりました。

玉䐁とは死者の手に握らせる玉握(ぎょくあく)
子を沢山作る豚にちなんで死後の再生を願う古の人。

秦代前後の時代にも俑を埋蔵する慣わしはありましたが、なぜか秦代だけのものは人間の等身大。不思議な古代文化を濃厚に触れた日でした。

上野の銀杏の樹、見頃を迎えていました。






ソールライター展

2021-03-22 09:05:00 | 展示会・イベント



写真集『Early Color』より


亡きニューヨーク写真家ソールライター展を観てきました。


車の下から覗かせるハイヒール


雨粒が滴るウィンドウガラス越しの人物や街の景色


水溜に映る青信号


そしてライターの写真にしばしば登場する雨傘と雪道に残る足跡


全体がシンプルな色味の背景に、明るい色を少しだけ入ることでアクセントになる作品の数々。


きっと雨や雪の日に、積極的に近所へ出かけ、住まいだったイーストヴィレッジ周辺のスナップ写真撮影を楽しんでいたのでしょう。


そんな光景を目に浮かびながら、鑑賞を楽しんでいました。


生前では誰かに見せるために撮り続けるわけでもなく、純粋に写真そのものを楽しんでいたライターの生き方。


久しぶりに体の芯まで温かいものが体中に流れていました。





正倉院展2020

2020-10-24 15:13:00 | 展示会・イベント


奈良の秋を彩る正倉院展

病災の年を意識されているのか、光明皇后が正倉院に納めた薬材、今年多く展示されています。全般的に地味な印象を受ける今年の展示物。

分かりやすく、そして人の心に届く文物の見せ方と解説。いつも感心する国立級博物館の展示。

沢山は覚えられないです。
今日は二つだけ覚えて帰ります。

◯印象に残った木画碁局(もくがのききょく) 装飾法 撥鏤(ばちる) 

象牙を赤や藍で染めたうえ、紋様を彫る技法。染色が象牙の内部まで浸透していないため、紋様だけ白く浮き出て、下地は染めた色になる。

◯古代射手が腕に嵌める防護具 鞆(とも)

 矢を放つ時の音、古代の人々は「鞆音(ともね)」に聞こえ、「鞆音」とは武芸を象徴する擬音語でした。そのため、腕に嵌める防護具のことを鞆(とも)と呼ばれるようになったのです。



時間に余裕がありましたので、ゆるりと東大寺奥に佇む正倉院の正倉にも行ってみました。



風神雷神図のウラ

2020-09-30 21:04:00 | 展示会・イベント



岡田美術館の風神雷神図
記憶から離れません
東洋美術の題材として登場する風神雷神
時代問わず 多くの画家が描いてきました。

トーハクのミュージアムシアターで
風神雷神図のウラに迫る映像解説
面白い題材でした。
一枚の屏風を通して
光琳を私淑する抱一の想いが
しっかり伝わった一枚でした。

静嘉堂文庫で酒井抱一の絵に惚れ
続いて岡田美術館で風神雷神図に出会い
そしてトーハクで光琳と抱一の関連性に迫りました。

次どんな絵や画家につながっていくのか
美術鑑賞 楽しみが尽きません。


夕暮れのトーハク

特別展きものKIMONO

2020-07-02 22:43:00 | 展示会・イベント



安土桃山時代
縫箔をきらめいた小袖の誕生から
空間をもたせた構図へと変遷

幕府時代
贅沢禁止令によって
友禅染をはじめとする染模様の台頭
光琳ブランドの流行など

めくるめくきものの変遷
紐解く企画展

江戸時代
町家の装い紬に
一番「いきの美」
と感じたかもしれない

『いきの構造』に、
きものの紋様について
九鬼周造の持論が
当時読んだ時とっても新鮮で印象深かった。

日本伝統美学の力説と、
今日繋がるものがありました。

数年前、きもののパンドラの箱が
開きそうになった時、
日本を離れることが決まった。
不幸?それとも幸い?

半世紀を迎える頃
歳に似合うきもの
着てみたい